明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

猛暑  


世間が休んでいる時は制作が進む。背景を探しにロケハンに行こう、と思いながら連日の猛暑のせいで出かける気にならず、おかげでYの頭部が急速に完成に向かい、というより完成しているように見える。少々慎重なのは、ほぼ完成といっていながら、やはりまだまだ、ということが良くあるからである。原因は、当初参考資料を見てイメージした人物像に到達しながら、その間に、さらに蓄積され深まったイメージのため、予定したゴールが、いつのまにか逃げ水のように遠ざかり、完成などしていないではないか。という仕組みである。時間はまだある。 Yは色々な不思議なことについて云々している。当初、そんな事物も作ってみようかと思ったが、Yでそれは違うと考え直した。25日配布のアダージョ22号は少々過剰だった、ということも頭にあるのだろう。ただ、Yのことを何も知らない都営地下鉄の利用者に、“その筋”の人だ、ということは表現したい。この人物は、ただのご隠居じゃないぞ、というわけである。 本当は毎号なにか試みて、撮影者が毎回違うように見えるくらいにしたいのだが、アイディアの出所が一つなので、そうもいかない。そうこうして、現場に行ってもいないのでなんともいえないが、2、3アイディアが浮かんできた。しかし明日も暑いらしい。この調子ではどう考えてもYの頭部は完成であろう。

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