明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



『からっ風野郎』の改造部分を乾燥機に入れ、銀座でプリントを頼んで木場に戻って『K本』へ。空いていたので、なんとなく一般席?へ。たまには良いだろう、と思ったのが間違いであった。何回か来たことがあるらしい客が隣に。常連の会話に入ってこようとするのだが、常連は無視。ある人がディープサウスの黒人ばかりの店に1人白人の自分が入ってしまった感じ、といっていたが、けっして意地が悪いわけではなく、正体の判らない人間の相手をする理由がないだけの話である。その男は、自分のギャグが滑ったと思ったらしく「シニカルだったかな?」とトンチンカンなことをいっている。相手にされないと思うと、今度は隣の私に向かって「何されているんですか?」と話しかけてきた。ここは酒場であって、私が学生時代、二度と利用すまいと誓ったユースホステルではない。私は人との適切な距離感がつかめないまま、狭い東京で暮らす可哀そうな人だと思ったので、生返事をしていると、「ライターですか?」という。さらに頬を人差し指で線を引くしぐさをする。私が裏社会を描くライターではないかということらしい。いつかYさんあたりとそんな話をしていたのを耳にしていたらしい。そりゃ素っカタギとはいわないが、イヤハヤという話である。常連席とは、こういう連中から守られている席なのだと改めて知ったのであった。
帰宅後さらに乾燥機で乾燥させていると“すし屋の政とトルコの桃ちゃん”から電話があり、とりあえず乾くのを待つしかないので、乾燥機にかけたまま数週間ぶりにカラオケへ。定年で退社が迫っている運送会社勤務のKさんは、寮を出なくてはならないのだが、会社員であるうちにアパートを探すべき、とフリー生活一直線の私は口を酸っぱくしていうのだが、中学卒業以来、会社に属してきたKさんはピンと来ていないようである。方々でKさんの話がでるが、みんなに心配されて幸せな人である。酔っ払って『怪傑ハリマオ』を歌いながら、これは小学校の校歌だったといっていた。

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