明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



T千穂にいるKさんからメールが着て行ってみると、日焼けの皮がむけてひどい状態である。しかも飲みながら痒いといって剥いては灰皿に捨てている。実に汚い。二軒目にT屋に行く。T屋は外から誰がいるか判るので、まずそれを確かめる。要注意の大手広告会社でコピーライターのKさんの姿がない。安心して私とKさんは入った。Kさんは単体ではまったく問題ないのだが、T屋の主人Hさんとは仲が良いといえばそうなのだが、明け方頃つかみ合い、怒鳴りあいの喧嘩がしょっちゅうなので要注意なのである。席についたとたん、このKさんがトイレから出てきた。これでいつかもいった、このあたりのゴジラとラドンとモスラが揃ってしまった。もしくはゲジゲジとナメクジとガマガエルでも良い。 コピーライターのKさんとHさんは近所の川で川鵜が巨大なウナギを丸飲みしたのを見たといっている。私はそんな物信じない。というのは定番のツマミ話で、さらにHさんの息子は大蛇を見てかみさんはカッパを見たという話で、いつもならそれでワイワイいって済むのである。Hさんは店閉めてもう一軒行こうという。今日は楽しく飲んでいるし、まあいいだろう。見るとKさんの坐った床には剥けた皮が散乱している。しゃがんで掃除するKさん。私は剥けた皮を始末している61歳の背中を見た時点で、今日が最低な夜になることを予見すべきであった。 次ぎの店でKさんはHさんに、俺等が見たウナギとお前のかみさんが見たカッパと一緒にされたくない、とからみだした。始めは笑っていたHさんも、次第に顔から笑いが消えていく。そんなことでからむKさんもKさんだが、それで笑顔が消えていくHさんがまたHさんである。まさか50過ぎた連中がカッパと大ウナギでケンカはないだろうな、といっていたら、そのまさかが始まった。夜中の3時に店内に響くカッパだ大ウナギだという怒声。「俺には大ウナギを見たという責任がある!」なんだそれは?相変わらず皮を剥き続けてるKさんはオロオロするばかり。私はというと、何度もこういう場面に遭遇し常に止め役なのだが、今日ばかりは同席していること自体が情けないので黙っていた。今日はかなり最低な夜だったと私は思う。

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