明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



このままだと、小学生の夏休みのウサギの観察日記みたいなので、制作について少々。今回は『潮騒』の背景を撮影するのが目的である。廃墟化した監的哨は撮影用模型を作る予定なので、南房総なら三重県までいかずとも雰囲気は充分であろう。あともう一回出かけ、今回の補足と戯曲作品一点の背景を撮影の予定である。三島作品には海は欠かすことができないが、三島は田舎のことを判っていない、という向きもあるようだが、判っていれば良いというものではない。それがどうした。である。人物制作も長期化してくると、好きが高じて何もかもが良くなってくる。一点ならともかく、そのぐらい好きにならないと、やってはいられないものである。今回Kさんに来てもらったのは、たった1カットで重要な役割をになってもらう為で、まさにドンピシャであった。細かな制作については後日として、“観察日記”に戻る。
昨晩、例によってロレツの回らないKさんより、T屋のマドンナの話を聞かされ続けたわけだが、酔っ払って房総にいるのに朝食食べに行きます、とメールしたら単に話を合わせて、待ってますと返事が着た。自分が送ったメールは忘れているから、すっかり帰りたくなってしまい、もう一泊のはずが明日帰るといいだした。しかし朝になったら死にそうな顔をしている。酒ばかり飲んで、食事は雀がついばむ程度しか食べないせいだろう。今回もKさんの少食には驚かされたが、あそこまで日光浴にこだわるのは光合成でもしているのではないか?というくらいである。結局もう一泊することにし、回復を待って再び海岸へ。 Kさんが誰もいない海に入っていく姿を見て思い出すのは、たこ八郎が溺死した時の、最後に海に入っていくショットである。やはり酔っ払って機関車に轢かれて死んだ“拳聖”ことピストン堀口なども思い浮かぶ。たこも堀口も防御はあまり頓着せず、時にノーガード戦法で、相手が根負けして倒されるところなど共通である。Kさんのノーガードな生き方が連想させてしまうのであろう。転ぶときも手など使わず頭で行く。後ろを振り向いて姿が見えないとドキッとする。

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