『コクリコ坂から』のCMはの少女のセリフは正確には「返事してるみたい」のようである。
今年になり某書店で個展を、という話があるのだが、三島のことで頭が一杯で何をしてよいか浮かばず、そう答えていたのだが、本日も打診を受け、相変わらずの答えをしたのだが、せっかくの事でもあるし、と考えていて、ふと『ピクトリアリズム展2』はどうか、と思いついた。 すでに廃れて久しい『オイル“ピグメント”プリント』つまり油性顔料を使う写真の古典技法を主に大正時代の文献を元に、試作を開始したのが91年。一日だけの個展であったが初披露が99年。『ピクトリアリズム展』が00年。ジャズ・ブルースシリーズによる個展が01年。芥川龍之介の写真をスキャンしオイル化した作品が書籍の表紙にも使われた。ジャン・コクトー、ニジンスキー、ディアギレフによる個展が02年。京都造形大でのワークショップ及び展示が03年。そして04年の中井英夫のオマージュ展が最後の出品であったろう。再現に成功し、ある程度自分の物にしたと感じた時点で満足したところがあり、それきりになってしまったが、私としては人物像を制作し、撮影、オイルプリント化、というのはいずれの時代にも、そのような表現をしてきた人物はおらず、荒野にただ1人になれる状態。つまり私の望む“こんな馬鹿々しいことをやっているのは今時地球上に私一人であろう”という状態になれる、という気持ちは常に持っていた。当時、国内に話し相手がおらず、ネットを始めたことで海外の作家が集まるサイトにも一時出入りしたが、懐かしの故郷的な、懐古表現ばかりで嫌になって止めてしまった。 そんなわけでいずれ機会があれば、と考えていた。昨今の写真技術のデジタル化のためであろう、古典技法は世界的にも動きがあるようで、国内でも試みる人が増えてきたようである。今年も写真美術館で『芸術写真の精華 日本のピクトリアリズム 珠玉の名品展』があったばかりである。もっとも今日思いついたことなので、色々クリアーしないとならないこともあり、決定というわけにはいかないのであるが。なにしろ初江ちゃんが履く藁草履が届いて喜んだばかりである。
過去の雑記
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