Kさんは前の晩に飲んで、酔いが覚めぬまま朝からT屋で飲んでしまうので、数日おきに体調を崩す。以前は夜勤明けで飲んでいたから良かったが、定年後も頻繁に顔を出している。判っちゃいるけど止められない事や物は、男だったら一つや二つあるものなので、頭から馬鹿じゃないの?とはいいにくい。少なくても私はいえない。一応止めてはいるが、どうせ聞かないし、60過ぎて好きでやっているのだから、それで死んでしまっても良いのだと思う。 本日は二日ぶりで休養充分ということで機嫌が良い。あれほど日焼けしておきながら、大分さめてしまったので、また追加で焼きたいそうだが、その際ある女性の名前を焼き付けたい、という。とても61のオジサンの考えることではない。方法としてガムテープに名前を書き、字の部分を切り抜いて貼って焼くのだという。人のアドバイスを聞かない人だし、面白いので黙っていても良かったが「それだと表札や千社札みたいにガムテープの形が付いちゃうよ」。「あっそうか」。『あっそうかじゃないよ』。止めるべきだろうが、面白そうなので中間をとって、せいぜいイニシャルにしておけば、といっておいた。その後それをどこに焼き、どういう効果を狙っているか、Kさんの思い付きを聞かされた。あまりにも馬鹿々しく、とても詳細は書けない。横で会話を耳にした常連の女性が笑いをこらえている。しょうがない人だという演技をし忘れ、真顔で相手をしていたこちらが恥ずかしい。とはいうものの、馬鹿々しいゆえに、本日イメージ作りに一日頭を悩ませ、冷や汗をかく思いをしていたことを、すっかり忘れられた私であった。
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