明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



夜7時半に奥さん役とその知り合いの娘役をお願いする、母娘二人と待ち合わせ、亭主役のMさん邸に向う。人物撮影初の打ちあわせである。本日一番の目的は、Mさんの奥さんに着物をお借りするにあたり、二人の着物をコーデイネイトしてもらうことにある。 高層マンションにお邪魔すると、リビングにはすでに着物がズラリと並べられていた。Mさんのお母さんが着物持ちで、それを沢山受け継いだ、ということらしい。はしゃぐ母娘。それはそういうものであろう。 私は着物のことはさっぱりだが、実際見ると、これだ、というものがある。二、三意見をいうが、あとは二人のキャラクター、旅行中である、など場面設定をお話ししてお任せした。意外だったのは御主人のMさんが、着物に関して一家言お持ちで、帯をあてがって、あれやこれや選ぶ姿は呉服屋の主人の如しであった。 鏡花は作中、桔梗の帯がどうの、浅黄に染めた色絵の蛍が、と余計なことを書いており、実に厄介である。着物に関しては、ある資料を持っていて、それで勉強したらしいが、さすがにそれをすべてクリアするわけにいかないので、二人の役柄、話の流れを重視した。そして目移りする着物の量に、せっかくだから、と場面により着替えてもらうことにした。これで本作、最難関の一つをクリア。 そして日ごろ私やMさんがK本で愛飲する亀甲宮に炭酸にポッカレモンや、秘蔵の芋焼酎をいただき楽しく過ごした。素人の出演者であるからこそ、楽しいノリは不可欠である。

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