手術のため入院していた友人が無事退院してきたため、酒を飲む場合、何度か隣の人に理由をいって乾杯してもらった。おかげで制作もスピードアップ。 横溝正史は文士調に着流しのつもりでいたが、なんとなく寂しく、羽織を着せることにした。明日中には乾燥に入れるであろう。そうなれば柳田國男の草鞋を履いた足元や、乾燥を終えた円谷英二の仕上げに入る。まだ先だと思っていた世田谷文学館の展示も会期が迫ってきた。いつもは忙しくて行けなかったという友人知人も、半年も展示しているとなると逃げる訳にもいかないであろう。 目が覚めてしまうせいもあり、ここのところ睡眠時間は毎日2、3時間である。おかげで夕方前には眠くなる。腹が立つのは、そんな調子でT千穂のカウンターでついうたた寝をしてしまうと、横のイタチかカワウソのようなオヤジに「今寝てた?」と鬼の首を取ったようにニヤつかれることである。朝まで制作していての寝不足である。あんたのように酔いつぶれて店に叱られているのと一緒にするんじゃない。 コップ持つ指に粘土がこびりついたまま眠そうにしていると、大変ですね、といっていただくこともあるが、何か良いことがなければ、こんなことはしないのである。今回は肝心の頭部はすでに出来ていて胴体を作るだけである。傍からはとてもそうは見えないだろうが、酒を飲んでいるより1、5倍は楽しいのであった。
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