“プロはさっさと仕事をして後は遊ぶんだよ”知り合いのベテランデザイナーに良くいわれたものである。仰ることは判らないでもないが、やれることはできるだけやっておきたいわけで、最後の一粘りで良くなることもあり、あそこで止めて遊びに行かないで良かった。とゾッとするくらいなら寸前までやっていたい。今回は面倒な追加部品もあり、結局搬入ギリギリになりそうである。搬入は本来文学館側にお任せするところであるが、そう考えると近所の顔見知りの運送屋に頼んだ方が良さそうである。ギリギリまで粘って助手席に乗って一緒に行ってしまえば良い。実にきっちりした人で、車中の会話も楽しい。欠点といえば典型的なせっかちな江戸っ子で、現場に早く着きすぎてしまうことである。まだ開いていない展示会場のビルの前で、荷物を前にしばらくボンヤリするはめになったこともある。そのかわり仕事は間違いがない。 おそらく展示の性質上、会場はフラットな照明で、スポットライトで陰影云々、ということではないだろう。逆にいえば設置場所はすでに決まっているので、ただ置くだけである。とっとと済ませて帰りも助手席に乗って地元へ帰ってくれば良い。その日は他に予定はないと聞いているし。問題はただ置くだけといっても、江戸っ子が何分間なら現場でただ黙って待っていてくれるであろう。
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