明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



今回の個展は拡大プリントがメインとなったが、搬入当日に初めて観ることになった。先日、三島に唐獅子牡丹を描いてくれた彫Sが、会場に来た時、すぐに三島の前に行くと思ったらモジモジしてなかなか行こうとしないのが可笑しかった。と書いたが、よく考えてみたら私も同じような気分になったのを思い出した。 飾り付けは一切職員の方々に任せっきりで、作品の配列についてさえ、一言もいわず仕舞であった。その間、片隅にテーブルを出して人形に色を塗っていた。当然目の隅に入って来るし、たまに顔を上げて眺めてもみたが、どうもボンヤリとしか見られないのである。私が作った連中なのにかかわらず、それぞれ私が教えたり込めたつもりがない意思をもった姿で現れた。とでもいえば良いのか、まっすぐ目を見られないのである。ちゃんと見ることができたのは二日目だったろうか。改めて見ると拡大されたことにより、私の想定外のニュアンスを帯びてはいたが、間違いなく私由来の連中である事を確認した。こんな経験は初めてである。 三島に胸毛を描いた後、旧知の友人知人と7人で飲みに行った。連日この調子だが、二日酔いしない体質に感謝。

『特別展 深川の人形作家 石塚公昭の世界』

フェイスブック『石塚公昭の世界』

 『朗読、音楽、スライドで味わう 乱歩と鏡花』予約受付中

特別展『百年目に出会う 夏目漱石展』神奈川近代文学館 漱石像出品

『タウン誌深川』“常連席にて日が暮れる”第5回 



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今回の石塚公昭の世界というポスター、チラシを見て、気球にぶら下がっている人物が石塚公昭だ、と思った人が少なからずいるらしい。確かに江戸川乱歩の顔を知らない人もいるだろう。というよりたとえ読者であっても、作家の顔など知らなくとも全く不都合はない。 二時に用事があったので、それを済ませて清澄白河に着くと、来ていただいた油井昌由樹さん。何度か書いているが、15歳の時に、当時どこにもなかったバンダナを油井さんの店スポーツトレインに買いにいった。「UFOの写真を見せてやるよ。」コールマンの部品を投げた捏造写真であった。その後日本テレビの美術番組の司会をされており、出ることになったので、あの時の話をしようと思ったら、黒沢映画のオーデションに受かって家康になってしまって降板。司会は榎本了壱さんに。その時音声をされていたのが、現スウインギンバッパーズの吾妻光良さんであった。「サインください」「今仕事中なので」そりゃそうです。 5日目にして重大なミスに気がついた。これはあってはならないミスである。三島由紀夫に胸毛がない。今回前面を撮影する予定がなく、背中の唐獅子牡丹ばかりに気を取られていた。当時長嶋、朝潮と並んで三大胸毛といわれた三島ご自慢の胸毛がないというのは有り得ないことである。といっても鉛筆で書くだけであるから明日描こう。

会場で手を合わせて拝んだ人がいるという寺山修司

『特別展 深川の人形作家 石塚公昭の世界』

フェイスブック『石塚公昭の世界』

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特別展『百年目に出会う 夏目漱石展』神奈川近代文学館 漱石像出品

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