明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

GW  


世間が休みの時というのは制作がはかどる。学生の頃から正月にも実家に帰らずじまいであった。静かなこともあるが、世間が休みの間というのは、たとえば老人に蛸を絡ませたり、女性の背中に女郎蜘蛛を這わせたりしていても罪悪感というものから開放される。特に悪いことをしている訳ではないが、なんとなくお天道様が眩しくはある。 夜中に谷崎を撮影し、とりあえず刺青の女性の背景の上に配し外が明るくなって来た頃寝た。最近は、寝る時は“ピストルに撃たれたよう”と評されるように、倒れ込むと10秒以内には間違いなく寝ている。母と同居していた時は、普通に話している最中にイビキをかき出すので脳溢血でも起したかと思った、と母に良く言われた。そういえば何度も名前を呼ばれたような気がする この谷崎、いつもと同じように撮影したつもりだったが、あまりフラットにならず。なんだか肉感的になった。しかし主役より陰影がない方が良い背景の女性に元々陰影があったので、こちらもそのまま行くことにした。この谷崎、モニターで拡大するほど人間じみてくる、これでは今回の趣旨と違うな、と思いながら私のルールブックは常に書き換え可能で、消しゴムも要らない。



『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載8回『昭和残侠伝“唐獅子牡丹”三島由紀夫』

深川江戸資料館 特別展『目で見る落語の世界』4月21日(土)〜5月6日(日)4月23日(休)三遊亭円朝、古今亭志ん生像出品

銀座青木画廊「ピクトリアリズム展Ⅲ』5月12日(土)〜5月25日(金)20日(日休)4月23日(休)

2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtubeより

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