明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



視覚から入る情報は強固であり、多少の文章で説明したくらいでは覆えされない。DMに写真だと書いても見る側の写真のイメージに当てはまらなければ効果はない。それはオイルプリントを初披露した時にすでに経験済みであった。幸いデジタルの反作用で古典技法を手掛ける人口が増え、オイルに関しては昔のようなことはないが、なんと時間のかかったことか。会場でも質問を受ければ何でも答えてきたし、これからもバスガイドよろしくそうするつもりではあるが、オイルの時のように技法公開のためHPを立ち上げたりなどという根気も時間もないし、理解してもらえるまで足踏みして待っている時間はない。大谷も自動車の免許を取る時間があるなら野球の練習をしたいといっている。 前言ひるがえしの常習者である私であるから、今日の私はこう思った。ということで。 作家シリーズ、その大半は中学高校時代の読書体験による。あと30パーセントはそれ以降20代前半の物であり、作りたい人物がいなくなるのも当然であろう。乱歩とともに中学生で熱中した谷崎は、ここにきて手掛けるとしたら『鍵』である。というのも婦人役にどうか、という女性に先日会った。それと同時に私が初個展より続けた架空の黒人シリーズの頭部の制作を開始するか、である。それで個展をとのギャラリーからの要望であるが、前しか向いてない私からすると、踏ん切りが着かないでいる。今時そんな物作って良いのか? 工芸学校時代の友人が40年ぶりに顔を合わせてその容貌の変化にお互いが気が付かないのを見た個展最終日にて。御来廊頂いた皆様に感謝いたします。

鴨沢祐仁とイナガキタルホの世界:5月19日(土)~6月3日(日)12時~19時/月曜休み
場所:ビリケンギャラリー 東京都港区南青山5-17-6-101
TEL 03-3400-2214

『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載8回『昭和残侠伝“唐獅子牡丹”三島由紀夫』

2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtub


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