明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



本日は寝たり起きたりの繰り返しであった。人見知りの人間が、自分のナマな企みを前に2週間過ごすというのは過酷なものである。リハビリには1週間程度のアルコール消毒が必要になるだろう。 人形2体は最終日に持ち帰ったが、プリントの撤収は明日になる。ついでに7月終わりから8月一杯、9月最初までという今まで最長の写真展が同じく銀座であるので、そちらの打ち合わせをしにいくつもりでいる。合成などする前のモノクロームの作家シリーズが主になるだろう。コダックのエクタルアという印画紙が発売中止になってモノクロは止めたが、現在ビリケン商会の『鴨沢祐仁とイナガキタルホの世界』で稲垣足穂1点を試みに出品しているが。手漉き和紙にプリントしているにもかかわらず、エクタルアの色調がほのかに再現されている。 モノクロームは色がないことにより主題が強調されるという。しかしもし写真が発明された時、すでに天然色であったらそこからモノクロームを試みる人はそれほど多くはなかったろう。水墨画家を別にすれば、絵画ではごく少ないことでも想像できる。あらかじめ色彩があるから色を省くなんて大胆なことが出来る訳で、仮に写真というジャンルが私のように、写真家自らが、まず被写体に着彩してから撮影しなければならないようなものであったなら、わざわざモノクロームで撮る人はいないだろう。それは自ら作った陰影を消すことも同じことであり、苦渋の決断の上で試みられるものであろう。

鴨沢祐仁とイナガキタルホの世界:5月19日(土)~6月3日(日)12時~19時/月曜休み
場所:ビリケンギャラリー 東京都港区南青山5-17-6-101
TEL 03-3400-2214

『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載8回『昭和残侠伝“唐獅子牡丹”三島由紀夫』

2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtub

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