なんとか犀星の三体目を6月中に制作を開始するという目標は果たした。赤井赤子だけのカットを含め五カットがすでに準備済みだが、立像が出来たら、もう一点増やしたいところである。他は本郷周辺に縁のある作家だが、肝腎の犀星だけは金魚繋がりで関係がない、と思っていたら、明治四十三年に犀星が初めて上京して住んだのが、千駄木林町や谷中三崎町だそうで、何のことはない、ご近所であった。樋口一葉は寺子屋の帰りに金魚坂の金魚を見に来たそうだが、三百五十年続いていれば他にも見に来た人はいただろう。 子供の頃、江戸川の金魚の養魚場に遭遇したことがある。今はどうか知らないが、田んぼに金魚を放している感じで、昔の金魚坂も広大な土地であんな感じで養殖していたのであろう。江戸川では、何をしでかしたか、教室の金魚が病気でビタミン不足と知り、水槽にレモンを搾った奴と怒鳴られ逃げた記憶がある。そう言えば、私の育った所は台風というと水が出たが、金魚屋から逃げた金魚が流れて来た。田んぼだろうと、普段歩いている道だろうと、赤い金魚がいれば子供は興奮するように出来ている。
『我が肌に魚まつわれり』
7月17日~8月4日本郷『金魚坂』にて。
【タウン誌深川】〝明日出来ること今日はせず〟連載第15回『美容院には行かないで』
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『石塚公昭 幻想写真展 生き続ける作家た18年7/25~9/2 リコーイメージングスクエア銀座ギャラリーA.W.Pyoutubeこ2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtube