明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



近所のアリオ北砂へ買い物へ。私が死んだ後も、ずっとこの調子で続くだろう、と思うのが、年の瀬の薄ら切ないような感じである。銀座なんか賑やかだろうが特にそうである。私は、年度末がなんだか知らなかったくらいだから、暮れも正月も関係ないから、世間のただ尻馬に乗って、そんな気分になっているだけである。学生の頃は、実家にも帰らず、住人の全くいないアパートで粘土をチマチマやっていた。正月に帰るようになったのは、父が亡くなってからである。決して親子仲が悪い訳ではなく、むしろ逆であったが、18から家を出たので、なんだか照れ臭いようなばつが悪いような。   何度か書いているが、好きな事をやっているが、子供の頃から、諸手を上げてどうぞどうぞと言われていた訳ではないので、好きな事をやりながら、そこはかとない罪悪感が瓶の底の澱のように残っており、そのために、正月やお盆休みの頃は、世間が休んでいるものだから、気兼ね無く、清々しく作る事ができるのである。今さらおかしなものだが、そうなのだから仕方がない。引っ越し前は、粘土を買えば、片付けずに、制作に逃げてしまうのは判っていたので、入手せず、引っ越しが落ち着いたら、と思っていた。そろそろ粘土を発注し、正月の制作に備えたい。  なんだか買い物も済み、お菓子めいた物が食べたくなり、目の前の店で買い、ポケットに忍ばせスマホを見るふりをして取り出しては食べた。子供に「あのおじさんビスコなんか食べてる!」なんて指差されたくない。

 

【タウン誌深川】〝明日出来ること今日はせず〟連載第17回『引っ越し』

『石塚公昭 幻想写真展き続ける作家た18年7/25~9/2 リコーイメージングスクエア銀座ギャラリーA.W.Pyoutubeこ2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界


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