昨日のご飯茶碗の件だが、実は書きながら終わりの方で実はうっすら打開策が浮かんでいた。ただそれがなんという商品かが判らなかった。 私の頭に浮かんだのは、何処かダム工事の飯場のテーブルである。そこに大きなヤカンが置いてあり、その横にあるのは紺色に白い水玉のありふれた湯飲みである。そして同じデザインの飯茶碗に土瓶。次に浮かんだのは街道沿いのドライブイン。トラック野郎がアルミのトレイに並んだ水玉に自分でお茶を注いでいる。おそらくは戦前から在るであろう、あれである。つまりここまで超の付くロングセラーであると、生産者の企み等はとっくにすり減って私の感じる量産品の嫌味は絶無であろう。無駄の無いシンプルなデザインである。もう飽きようもない。作り方は知らないが、手描きの染め付けに見せ掛ける、和紙に印刷された物を水で張り付ける〝ドーバン〟というのを散々やったので、あれも嫌である。どうやら〝ルリ水玉〟と呼ばれている製品のようである。すでに権利もなにも忘却の彼方か、各所で生産されたようである。私の東京オリンピック以前というイメージからも外れず、年内に無事解決した。落として割ったら、ホウキで片付ける事にしよう。
偶数月25日発行【タウン誌深川】〝明日出来ること今日はせず〟連載第18回『葵の御門』