明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



私の家では、父が鶏肉を嫌いだったので、クリスマスの時くらいしか食べられなかった。なのでずっと高価なご馳走だと思い込んでいた。父は子供の時に、首をチョン切られながら庭を駆け回る鶏でも見たのではないか?おそらくそんなところであろう。青魚もだめであった。最晩年は、母が健康のため、と新鮮なイワシを食べさせていた。何だ、食べられるんじゃないか?私は父と違って、一度蕁麻疹が出たくらいで食べられなくなることはなく、たまたまだろうと思う方である。  父といえば、幼い頃、早朝枕元にプレゼントを置いているのを薄目を開けて見ていた。一月後、何かしでかして父に叱られた時、突然「クリスマスの時、プレゼント置いてたじゃないか!」つまりサンタなんかじゃなく、嘘をついていたじゃないか、という訳であろう。母は、知っててずっと黙っていたのだな、と思うと可笑しくてしかたなかった、と言っていた。子供と言うものは、大人に気を使っているものである。

偶数月25日発行【タウン誌深川】〝明日出来ること今日はせず〟連載第18回『葵の御門』

『石塚公昭 幻想写真展き続ける作家た18年7/25~9/2 リコーイメージングスクエア銀座ギャラリーA.W.Pyoutubeこ2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界


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