明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



5月ゴールデンウィーク明けの個展は大分イメージが出来てきた。人物像の展示は、今のところ三島、北斎、太宰、これに芭蕉が加わるか?さすが行き当たりバッタリの私らしく、ラインナップが、なんだか良く判らない。たまたまだが、日本が誇る世界的スターばかりで、この中に入ると太宰治がローカルスターに見えてしまう。 人と会うときは太宰の首をポケットに入れ歩いているが、制作にかなり苦労をさせられたその分、私に創作の快楽を与えてくれそうな、期待の新人として考えている。三島は太宰に面と向かって嫌いだと言い放ったが、それはどこか似た所があるから、と三島は認めている。実は先日の市ヶ谷の撮影時も、ポケットに太宰の首が入っていて、ついバルコニーを背景に太宰の首を撮影して一緒に行っていたライターの妹尾美恵さんに笑われたが、紐で結び合って女と死んだ太宰と違って三島は、自決寸前にも森田必勝の自決を思いとどまるよう説得したんだ。と腹の中で思ったのであった。 さて返す刀で無惨に苦しむ三島に入るか、北斎を仕上げて画室での北斎を撮影まで行くか、太宰の立像の制作に入るか。大御馳走を前に悩む私。とりあえず、浮世絵の無残絵調にする予定の椿説弓張月は、背景に配する馬琴の文字画像は準備が出来た。後は雪が積もってくれれば撮影に出かけたい。降らなければそれなりに対処する。とにかく描くべき画がすでにあり、取り出すだけであるのが何よりである。

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