明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



作っている本人が理由が良く判らないでいるが、プリントを拡大すればするほどリアルになる。モデルとなった人形を見れば判るが、案外詳細な部分まで手を掛けていない。必要でないのでそうしているのだが、なので、あまり拡大には耐えられないだろうと思っていた。16年の深川江戸資料館の個展で、実物大またはそれ以上に拡大したら、想像と違っていた。私はそこまで作ったつもりはない、と他人同士のように連中と見つめ合った。これにより、自作の人物を自ら撮影する、という手法の中でも拡大するほどリアルになる、という新たなメリットを発見した。サンディエゴ写真美術館のデボラ・クラチコさんに私の作品はそうした方が良い、といわれたことがあったが、前述の通り、アラが目立つだけだろう、と思った。 ところで。かつて人間大であった人間よりも河童や、あるいは寒山拾得は、実際は居ないからこそ居るかのように拡大して見てみたい気がする。



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