明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



なぜ何かを作るかというと、頭にイメージが浮かぶからで、養老孟司は“人間は頭に浮かぶ物を作るように出来ている”という。何故浮かぶか、については判らない。食べたい物が自然に浮かぶ感じに近い。小学校入学と同時に図書室の人物伝をかたっぱしから読み耽り、また力道山の頃からプロレスを、64年の東京オリンピックに釘付けになったのも人の姿形に魅せられたていたからであろう。そういえば始めて女性の脇毛を見たのはソ連の投擲選手タマラ・プレスであった。つまり物心ついた頃には人間が最も興味のあるものとなっていた。 何故私は私なのか。来年個展40周年を迎えるにあたり、いくらか核心に近付きつつある気がしている。これは実在した作家を作っていたら、そうは感じなかったろう。現在手掛けているモチーフは、本日も朝、寝惚けながら、なんということをやっている、とめげながら目が覚めたが、覚めてみれば、生き物である私が作りたくなったものだ、良いも悪いもあるか、となっていた。横尾忠則さんいうところの成り行きとしかいいようがない。

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