帆∞翼(セイル バイ ウイング) -太陽そして風と供に- 

海・南風・そして何より”真夏の太陽”が大好きな翔です。

「よろしく!」  

命 

2022年07月12日 | Weblog

梅雨が明けて、約10日近くつづいた酷暑。

気温40度近い猛暑というか、 キチガイじみた気温だったわけですが、その中で起きた悲劇。

 

職場の横にある、倉庫天井や入り口のヒサシ部分に雀が巣を造って、いくつかのカップルが春から子育てしていたのを毎日見ていた僕。

ただ、なんせ狭い巣ですので、時折卵が落ちていたり、生まれて間もない雛が落ちたりと、結構巣立つ前に死ぬ事が多いわけで、気づいたときには、干からびていたりする。

 

ただし、それが野生なので、人は手出しできない。

 

やがて元気な泣き声が響き渡り初め、 だいたい数週間すると静かになる。

それが”巣立った”という事な訳です。

 

で、冒頭に書いた悲劇ですが、 その異常な高温の時に起きたのですが、最初に見つけたのは夕方。

 

多分、昼間の灼熱の苦しさに負けて、涼しい風の入る出入り口に移動しようとしただろうと思いますが、雛が巣から落ちた。

僅かしか生えてない羽ですから、 ほぼ垂直落下となり、しかも落ちた場所は焼けきったアスファルトの真上。

 

70度近い状態ですから、そこに雛が落ちれば数分で死を迎えます。

これは親鳥がどうのとか言う物では無く、 近くに日陰も無いし、 当然の事。

 

苦しそうに、首も翼も伸びきった骸をみて、溜息を付く僕ですが、 まだ巣からは元気な声がする。

 

翌日、 これも昼頃ですが、 やはり同じように落ちた雛を発見、 状況は最初の雛の時と全く同じ。

 

その二日後に、又1羽落ちて、 これは業者さんの車にひかれ、ペッタンコになったまま死んでました。

 

先に落ちていた二羽の骸ですが、一匹は多分カラスが食べ、 もう一羽は僕が埋葬。

この3羽目の骸は、知らない間になくなっていて、これも多分カラスかなんかが食べたのだと思います。

 

3羽目が死んだ翌日、出勤してすぐの1.5kmランの後で、今日は業者が来る予定なので倉庫のシャッターを開けてたのですけど、

倉庫内を歩いていると、 あれれ? 小さな雛が一匹、 僕の姿を見て、懸命に?小走り?して逃げる。

だだっ広い倉庫の奥の方へこうとしているんです。

 

ただ、そのまま中にいたら、又業者さんが作業するし、車も出入りするので、まず命は無いし。

奥の方に隠れれば 夜はシャッターが閉じて施錠されるし、 親鳥もずっと人がいるので庫内に入れないし・・・・

 

で、シャッターから外に出たりすれば、今度は焼けるアスファルトが待ち構えている。

 

そもそもが、やっとこさ羽が生えて来た程度では、カラスが敷地を始終ウロウロしているので、まずそれにやられるだろうと思う。

倉庫前のアスファルトに太陽光がまんべんなく降り注ぐまで大体あと1時間。

 

どうしようか?としばらく迷って、ただ、 間違いなくそのままにしていれば死ぬのは確実の雛。

 

既に3匹死んでいるわけで、 また骸となって蟻にたかられている姿に耐えられない僕は、

仕方なしに・・・保護しました。

 

とりあえず、適当な箱に入れ、 様子をみていたけど、かなり苦しそうな感じ。

多分脱水状態だと思うのですが、手のひらで包みつつ、割り箸に水漬けてくちばしに持っていくと、少しだけ飲んでくれた。

 

倉庫の、鉄板製ヒサシ中の”蒸し風呂環境”に居たせいか、普通なら居るはずのダニが全く身体について居らず、となると50度を超える環境だったと推測できる。 良く生きていたなと・・・・

 

逃げる時は元気に思えた雛ですが、うずくまったままで、昨日の夕方か夜に巣から落ちたのだとすると、時間的に餌をやらないとまずい。

 

とりあえず、砂糖水を強制的に飲まし、しばらく様子を見ていたら、少し元気になってきた。

これ、雀の応急装置法です。

 

餌をどうしようか・・・と、思うわけですが、逐一虫なんぞを捕まえてられないので、仕方なしに、コンビニへ行ってネコの餌(モンプチ)を買ってきた。 

犬の餌、ネコの餌 僕が鳥を保護した際に食べさせるお得意の方法です(笑)。

 

水でふやかし、スプーンで細かく潰し、 小さくしたのを与えたけど、 当然の事ながら全く食べようとしない。

 

仕方ないので、逃げないように手のひらで包みながら、強引にくちばしを開け、 時間を掛けながら少しずつの給餌。

 

今日一日、持ち堪えられなかったら、駄目だろうなと・・・、 できる限りの事をして、それでも駄目なら仕方有りません。

仕事の合間見て、 又無理矢理食べさせて、 夕方家に帰ると、寝る前にまた無理に給餌。

 

箱からプラケースに移し、そのままカバー掛けて、明日の朝になってもし死んでいたら、それがその雀の運命でもある。

 

で、翌朝、 様子をみると、生きているぞい!  

 

出勤前に無理に食べさせ、 出勤したら又食べさせ、 大体1~1時間半ごとにそれの繰り返し。

親鳥代わりになってしまったので、ほぼ一日中連れて歩き、 何かで餌をあげる時間が出来ないときは

その前にできる限り食べさせる。

 

ウインドにも連れ行って、 窓やらドアやら全開で風を通して、 高温にならないように注意。

同時に、海から時々戻っては給餌。

 

そんなこんなで、この雛を保護して以降、最初の完全食事拒否から、段々と大きな声で鳴いて餌をねだるように変化。  飯~~~~~!!!

 

こうなるとやたらと愛いわけですが、 やがては放鳥してあげねばなりません。

 

お別れは必ず来ます。

 

今日で大体2週間程度の期間、雛を育てたわけですが、 今では僕の姿見ると鳴いて餌をねだり、 

メッチャメチャ良く食べる

 

プラのケースがさすがに狭くなり、仕方なしにネットで一番やすいカゴを調達。

 

昨日にプラケースからカゴに移し、 今日は職場の窓へ置いて 親鳥が来るのを待ってましたが、

鳴いている雀はいても、近くに来る様子も無く、 保護した雀も多少は声に反応するも、殆ど無視状態。 

 

オイオイオイ 僕のオフィスがある隣の倉庫にいた親って、いったいどこへいったん? 

 

ちなみに、この雀を保護して翌々日、多分最後の雛なんだと思いますが、 落下してアスファルトに焼かれて死んでました。

それ以降、全く雛の声が聞こえなくなったので、 保護した雛を含めて全部で多分5羽いたのだと思います。

 

この雛も、いい加減に巣立って欲しいのが本音ですが、 人が餌をあげている場合は、自分で餌を取れるようになるまでどうしても時間が掛ります。

一月程度は掛るとは、僕の予想。

 

もう保護してから2週間程度が過ぎ、 実家に行くときも仕事の時も、ずっと朝から夜まで一緒なので、

すっかり人になれてしまっているし、ちゃんと野生に戻れるのだろうか?と甚だ心配になるわけですが、既に乗りか

かってしまった船、最後まで見届けるしか有りません。

 

ちなみに、 文鳥初めとして、鳥にやたらと好かれる家の娘ですが、 雀のかわいさにベロベロ。

家内は?というと、放鳥しているリビングで、足の指に突進していくる雀にこれまたベロベロ。

別れが辛くなるだけなんですけどね。

 

まあ、家にいる間だけは 一応家族の一員ですので。