なぎのあとさき

日記です。

お世話メモ、ゲルマント序盤

2019年05月28日 | 読書メモ


私がご飯食べてると、後ろの本棚にモンちゃんが飛び乗り、背後から私を見ている。私がちょっと席を立つと、ピョーンと本棚からジャンプして、走って隣の部屋の窓にいく。

モンちゃんが本棚の上にいるのは、私がご飯を食べるときだけ。



27日月曜も、殿はいい調子で、8割は自分で食べた。
大半はマグロたたき身だけど。
懐石ゼッピンのカリカリにマタタビ粉ふりかけを、何度か食べた。
お水も廊下のバケツの水をちょこちょこ飲んでる。

マタタビ粉をふりかけると、モンちゃんがすっ飛んでくるけど、デブのモンちゃんに必要以上にカリカリを食べさせるわけにいかないので、手近な私のスネや太ももにマタタビ粉をかけると、モンちゃんはそこを舐めたり頭突きしたりスリスリしたり。変態行為っぽいけど。

ビーも夜勢いよく食べたものの、どばっと吐き戻し。
マグロたたき身の蓋をピカピカになるまでなめてたので、ビーはやっぱりお刺身はやめたほうがいいのかも。



殿はセレニアを36時間ごとから、48時間に伸ばしたら、水ゲロを吐いた。
正念場は解除しても、油断してはいけない。丁寧な下僕業を!

15時頃、河原の川べりに出た。
水が澄んで、細い小さい魚がいっぱいいた。
一回り大きい魚は、近付きと逃げる。
暑くて、水はぬるかった。

28日火曜は夜に雨。
気温やや下がる。

殿はたたき身をよく食べたけと、チリ産サーモンはお気に召さないらしくて10gでストップ。

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「失われた時を求めて」メモ

「ゲルマントの方」の章に入り、ここからは初読み。
ゲルマント公爵夫人の家の敷地にあるアパルトマンに引っ越してきた語り手。
フランソワーズを通して、そこでの生活が語られる。

語り手は、再び、ラ・ベルマのフェードルを見に行く。
ボックス席の暗がりから現れては消える貴族たちを、水族館の魚たちに例えて、描写が長々と続く。ゲルマントの大公夫人、公爵夫人も現れる。
彼らの謎に包まれた生活の一端を、オペラ座のボックス席では覗き見ることができるので、語り手は興奮気味。
もはや、お芝居のことは、手短に肯定して終わり。

◯美しさにかけて大公夫人は、……彼女の身体の優美な線は、それだけ(首筋や肩やウエスト)では完成しておらず、まさにそこから目に見えない線が始まる出発点であり、その避けられない糸口になっているのであって、人びとの目は、その見えない部分にまで身体を延長して、この夫人のまわりに見事な線を作り出さずにいられなかった。

そして、公爵夫人が語り手に手をふるシーン。

◯その瞬間に、光の屈折の法則のおかげで、おそらく青い目の無感動な流れのなかに、個人の存在を失って原生生物となった私のあいまいな形が描き出されたのであろう、彼女の双の目が明るく輝くのを私は見たのである。
女神から女性に変わって、急に千倍も美しくなった公爵夫人は、ボックス席の縁にかけていた白手袋をはめた手を私のほうに上げて、友情のしるしにそれを打ち振った。私の視線は、無意識に白熱して炎と化した大公夫人の目と交錯するのを覚えた。

それからは、毎日、公爵夫人の散歩ルートで待ち伏せし、偶然を装って会うのを日課にする語り手。

公爵夫人の甥であるサン=ルー(ロベール)に、仲を取り持ってもらううため、ロベールの従軍部隊、ドンシエールに行く。

語り手が会いに来て、ロベールは「耳まで赤くなって」「愛情のこもった視線を注ぐ」が、語り手は、
◯私には依然としてよく理解できないながらも、今は無視できなくなったこの大切なもの、つまり私たち二人の友情を暗示していた。

ホテルの描写、兵士仲間との戦略の話がこれまた長々と続く、ここは、これまでで一番、話が入ってこなくて、バルベックの前半以上に進まなかった。

何日か滞在した後で、やっと勇気を出して、語り手はロベールに、公爵夫人に自分のことを売り込んで欲しい、食事の席をもうけて欲しい、と頼むところは、まわりくどくてやらしい。

◯ほら、普通ならぼくはね、きみに好意を持たれてることを吹聴してほしいなんて、思ってやしないでしょう。だって、ぼくには自尊心なんてないんだもの。

ついでに、サン=ルーが部屋に飾っていた公爵夫人の写真をくれるように頼む。

どこまでも感じが良くて品もいいロベールは、お安い御用!と請け合ってくれる。

◯他人の価値をはかる唯一の試金石は、私にとって重要なことに見えるたったひとつのもの、つまり私の恋にかんして、役に立つかどうかであると思われたからだ。

そこまで言われたらいっそすがすがしい、これぞフランスの男。

さらに、「tuと呼び合いたい」
ロベール「両方ともやろうよ」
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