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北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

京都レトロ電車紀行 叡山電鉄→鞍馬/京福電鉄→嵐山

2008-03-08 11:04:55 | コラム

■叡山電鉄 これぞ古都の電車

 カテゴリ“コラム”も巨大化してきた、『阪急』『京阪』『名鉄』『叡電・嵐電』『近鉄』『JR西日本』『JR東海』『JR』『首都私鉄』『京阪神私鉄』に細分化し、自衛隊関係も『舞鶴管区』『呉管区』『第3師団管区』『第10師団管区』『第6航空団管区』『飛行開発実験団』を新設しようか考える今日この頃(多分やらない)。

Img_7597_2   京都の電車といえば、古都と近代都市を折衷した世界遺産ではなく、古くからの情景を今に伝える鞍馬を示すのではないか、という話を聞いた事がある。なるほど、北大路通から北に10kmも歩けば至る鞍馬山は、100万都市京都の喧騒が嘘のように思える静寂の地である。その地には貴船神社、鞍馬寺、由岐神社といった北辺の寺社が静かに佇んでいる。また、鞍馬温泉にも程近い。

Img_7599  鞍馬山は、NHK木曜ドラマ『鞍馬天狗』やNHK大河ドラマ『義経』で馴染まれ、修験の地はいまや京都観光の定番スポットとなっている。叡山本線が5.6km、本線から伸びる鞍馬線が8.8kmであるが、歩いてみると山に囲まれ思いのほか長い。この山路をデオ900形“きらら”号で進むのは、数多ある古都散策の中でも新鮮味だ。

Img_7573  鞍馬川を渡るデオ800形。

 見上げる鉄橋の向こうには青空が広がり、木々には細雪が白粉の如く薄っすらと広がり、冬の晴れ空ならではの情緒ある風景だ。二之瀬駅周辺から鞍馬川沿いに鞍馬駅へ歩いてゆくと、四季折々に表情をかえる鞍馬の光景を楽しむことが出来る。

Img_7627  鞍馬は、10km進めばここまで景色が変わるか、というくらい、雪景色が突如あらわれる。三条大橋から賀茂川越しにみる鞍馬や朝日の向こうに望む比叡は、市街にその気配が無くとも雪を冠していることもあり、情景としての電車を撮るには最高の場所に数えたい。

Img_7608  見た目はレトロながら、出町柳駅で京阪電鉄と連絡することもありダイヤは緻密である。他方、900形『きらら』のように、サロン室のような個性的な座席配置の電車も運行され、桜花の時期、初夏の新緑、秋の紅葉から厳冬の雪景色までを、その大きな窓から満喫できる、文字通りの観光電車だ。

■京福電鉄 京都唯一の路面電車

 京福電鉄は、そもそも叡山電鉄が京福の一部であり、福井県にも路線網を有した鉄道会社であるが、今日では四条大宮、北野白梅町から嵐山までを結ぶ鉄道という位置づけだ。

Img_9066  沿線には仁和寺、等持院、妙心寺、龍安寺、広隆寺、天龍寺、北野天満宮、平野神社といった京都を代表する寺社仏閣が並び、同時に京都唯一の路面電車としても知られる。路面電車の区間は一部であるが、それでも国宝弥勒菩薩像を納めた広隆寺の前を行く京福電車は、昔ながらの情景の中を走る叡山電鉄とは対照的に今の京都を伝える一枚だ。

Img_9057  2001系電車。京都にも京都市電として広大な路線網が整備されていたのだが、1978年に全廃され、今に至る。今出川通りを京阪出町柳駅と地下鉄今出川駅を結び北野白梅町まで路面電車を設置し、北大路駅から北大路通を走り金閣寺道から西大路通を北野白梅町まで結べば、京都の観光鉄道網は東西で結ばれると思うのだが。

Img_9050  広隆寺の前をゆくモボ620系。路面電車ということがよくわかる一枚である。

 背景の広隆寺は、七世紀頃に平安遷都にあわせ、移営された寺院として知られ、太子殿という名があることからもわかるように聖徳太子と所縁がある寺院とされる。

Img_9007  帷子ノ辻駅に到着するモボ101系。車体近代化改装を受けたが、もともとは1929年の設計であり、京都の多くの建物よりも古い。古都を懐古趣味とともに愛するとともに中途半端に古いものには容赦ないこの国の文化にあって、モボ101系は愛するべき古都の変遷を見守ってきた車輌といえる。

Img_9042  嵐山本線、北野線とともに短い路線網を走る京福電鉄であるが、レトロ電車モボ21系など個性ある電車も走り、沿線の風景は時と共に移り変わってゆくが、京都を代表する寺院の鉄路による参道というような印象もある。

 叡山電鉄、京福電鉄、ともに京都観光の際には利用したい電車と思うのだが、皆さんが乗られるとしたら古式豊かか叡電か、寺院を結ぶ嵐電か、どちらを先に乗られるだろうか。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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