■『しらね』横須賀に健在!
元ミサイル護衛艦『たちかぜ』を撮影した後、そのまま吉倉桟橋の方に向かった。諸般の事情でそこまで時間がなく、やや駅から距離がある安針台公園からの撮影は断念、ウェルニー公園へ足を進める。
ヘリコプター護衛艦『しらね』。昨年の火災によりCICが全焼し、消火作業による漏水でコンピュータが全損したと伝えられるが、伝えられるイメージとは裏腹に、健在の様子。見れば自衛艦旗も掲げられ、乗員も後部飛行甲板で作業中である。この様子をみれば、早期除籍などナンセンス、それこそ税金の無駄遣いである。整備状態も良好であり、損傷があるにしても、電装品や火器などは護衛艦の模範といって過言で無い整備状態だ。
■隣には訓練を終えて接岸作業中の『あさぎり』型護衛艦がみえる。格納庫内にはローターを折畳んだシーホークが収められているのが見える。別角度からみたレーダーがOPS-24三次元レーダーだったので、後期艦なのはわかったのだが、艦名までは見えなかった。反対側には掃海母艦が停泊中。
『しらね』の向こうにもう一隻艦艇が望見出来る。ヘリ格納庫が見えない点とガスタービンエンジンに大型の上部構造物、これは『こんごう』型ミサイル護衛艦か『アーレイバーク』級ミサイル駆逐艦のフライトⅠ/Ⅱの特徴だが、マストがラティス方式であるから、イージス艦『きりしま』だろうか。船越で『たちかぜ』を撮影した際に続々とタグボートが桟橋から吉倉桟橋方面へ進んでゆく様子が見えたので、このあと『きりしま』も接岸したのだろうか。
話は前後して、『たちかぜ』の撮影位置について解説。前回、暗くなってからJR田浦駅より徒歩を試み、土地勘も無く撮影できなかったが、京急田浦駅が最寄駅。駅を出てすぐのところにある田浦小学校、下校時間ということで居た地域ボランティアの老紳士の方に聞いてみると、歩いて五分くらいのところにある東芝工場と田浦中学校近くの道路から見えると教えていただいた。
標的艦として改造された『たちかぜ』。除籍艦であるが、解体や標的艦として運用するのはいいのだが、モスボール保存するという方針ももう少し検討されてしかるべきでは?、と思う。呉には解体待ちの護衛艦が少なからず係留されていると思うが、それ以上にモスボール化して、一部を見えるところに係留すれば、予備艦として抑止力にもなる。米軍なんかは、『C.アダムス』級や『ノックス』級もモスボール化しているが、中古輸出用以上に予備艦だけでこれだけある、という抑止力機能もあるのでは、と思う。
ヴェルニー公園。実は冒頭に掲載した『しらね』の写真は、ヴェルニー公園からの帰路に撮影したもの。ここからはアメリカ海軍横須賀施設と、海上自衛隊横須賀基地の吉倉桟橋が良く見える。ただし、吉倉桟橋は真横から見る形となるので、だいたい、一隻しかみえないのが難点。ただ、写真のように、フネをみるには絶好の場所であり、横須賀という土地柄を現している。
イージス艦『あたご』。舞鶴基地の艦艇なのだが、先日の不幸な事故からまだ、横須賀基地に停泊している。その向こうには、先ほど掲載した『しらね』の隣に停泊していた『あさぎり』型護衛艦がタグボートにより接岸作業を行っている様子が見える。防舷材を挟んで、艦同士を係留しているところだ。
報道によれば、舞鶴地方隊第24護衛隊の護衛艦『はまゆき』がヴェトナムのサイゴン港で接岸作業中、カンボジア船籍の貨物船と接触したとか。これは、接岸作業中でタグボートが押していたので、海上自衛隊に責任はほぼ無いが、報道に出た状況図をみると、同行していたのは護衛艦『やまゆき』『まつゆき』、ともに呉地方隊第22護衛隊の護衛艦である。地方隊の護衛艦が三隻揃ってサイゴン入港。一昔では色々な意味で考えられなかったことである。
吉倉桟橋に停泊している護衛艦は、スタンダードSAMのMk13発射機、そして背負い式に5インチ砲を搭載しているので、『はたかぜ』型ミサイル護衛艦が停泊しているようだ、よくみるとブルワークも識別できる。その向こうに、3インチ砲がみえるが、艦首にアンカーが突き出ているところをみると、『むらさめ』型護衛艦と思われる。
HARUNA
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