◆ボーイング737派生型の大型機
NHK等の報道によれば、米海軍は早ければ2013年後半に最新型哨戒機P-8を我が国へ前方展開する方針を固めたようです。
海上自衛隊は現行のP-3C哨戒機後継機として国産のP-1哨戒機を開発し、部隊配備へ順調に生産と運用試験が行われていますが、P-3C哨戒機の後継機に米海軍はボーイング737を改造した大型哨戒機P-8を開発中です。P-1哨戒機は、対潜哨戒と洋上哨戒を一手に担う航空機ですが、ボーイング737を原型としたP-8哨戒機は低空に降りることを極力省き、無人機と連携し高高度から警戒を行う新世代の航空機として開発されました。
P-8哨戒機は、米海軍が三沢基地と嘉手納基地へ展開させているP-3C哨戒機として運用され、数年内にグアム島へ配備される無人偵察機トライトンとともに連携し哨戒任務に当たることとなる計画、これにより太平洋地域での日米の対潜哨戒能力及び洋上哨戒能力はP-1と共に運用されるP-8が大きく底上げすることとなるでしょう。
米海軍はP-3C哨戒機について運用開始から四十年を経ることにより耐用年数を超えており、加えて機体には現在開発されている最新鋭のレーダ装置などを搭載できないことを後継機導入の理由としています。海上自衛隊は、導入開始から約30年ですが、延命改修予算を来年度予算へ計上している現状、P-1の導入も急がなければならないのでは、とも思うのですが、最新鋭機の前方展開が抑止力の強化につながることを期待したいですね。
北大路機関:はるな
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