■後方支援部隊直接支援中隊
装甲機動旅団後方支援、装甲機動旅団隷下の連隊戦闘団は機械化大隊と捜索大隊を基幹とし、機動運用能力を第一とする案を示しました。
機械化大隊は戦車中隊と2個装甲戦闘車中隊、捜索大隊は軽装甲機動車中隊と対戦車中隊を基幹とする編成です。そこで問題となるのは、整備に関する負担が現在の普通科連隊編成、本土の師団普通科連隊であれば軽装甲機動車中隊に高機動車化された普通科中隊3個と重迫撃砲中隊という編成と比較し、装甲戦闘車が配備される分、負担が大きくなり、自隊整備には履帯換装一つとっても負担が大きく、火器管制装置等は電子整備部隊の支援が必要となります。装甲戦闘車と戦車を合わせ41両という規模となりますので、後方支援の重要性が大きくなる。
89式装甲戦闘車派生型、と装甲戦闘車を提示しましたが、これがフランスのVBCI装甲戦闘車のような装輪式装甲戦闘車であれば、整備負担が低減します、打撃力は劣りますがストライカー装甲車や、現在開発中の将来装輪装甲車へ遠隔操作銃塔RWSを搭載する方式を採用するのならば、整備負担は多少低減します、が、不整地突破能力も大幅に低下しますので、整備負担か野戦能力か、という選択肢は後方支援を考えますと大きな課題となるのです。そこで、装軌車両については旅団後方支援部隊に輸送隊を重視し、C整備の間隔を大きくするという選択肢はあるでしょう。
整備について、現在の自衛隊部隊編成をみますと、全般支援大隊として第二整備大隊がおかれ、第一整備大隊を各部隊へ随伴する直接支援中隊が多数置かれています、3個普通科直接支援中隊、戦車直接支援中隊、特科直接支援中隊、施設直接支援中隊、など。装甲機動旅団は機動運用の骨幹戦力に臨時編成の機械化大隊をあげていますので、改編としては戦車とともに火器管制装置を筆頭に電子装備と装軌車の足周りを持つ装甲戦闘車の整備支援も大きくなります。
従って実際には普通科直接支援中隊と戦車直接支援中隊分遣小隊に特科直接支援中隊分遣小隊という編成を、連隊戦闘団へ配属する際には装軌車直接支援中隊、火器電装直接支援中隊、として分ける必要があります。この支援中隊の呼称、戦車を車体と砲塔に分けて整備する、と誤解を招く呼称ですが、そうではなく、戦車と装甲戦闘車を整備する装軌車直接支援中隊と、火力戦闘車や牽引砲と対戦車ミサイルに迫撃砲部隊などの中隊の車両と軽装甲機動車や施設中隊の支援を行う火器電装直接支援中隊、という枠です。中隊としては編成が小型すぎますが、補給小隊と輸送小隊の分遣隊を加え中隊規模と編成する。
施設中隊の戦闘工兵装備は機械化大隊と協同しますので、装軌車直接支援中隊の支援下に収めることとします。いわば、突進し装甲防御を盾に打撃力を押しつける部隊の直接支援中隊と、突進する部隊の障害を前方の索敵と後方の火力支援で支える部隊の直接支援中隊、という区分にほかなりません。参考までにアメリカ軍では旅団に師団より前方支援大隊を起き、本部、整備中隊、補給中隊、衛生中隊、をおいています。整備中隊は旅団隷下の諸兵科混成部隊へ、2個戦車システム支援チーム、2個機械化歩兵支援チーム、をおいています。この編成は広域師団編成に参考とした部分が大きく、二つの支援中隊はアメリカ軍の支援チームを参考としました。
支援中隊ですが、中隊、とするには規模が小さいのではないか。こうした指摘はあるやもしれません。参考としたのはアメリカのシステム支援チームですが、我が国の整備小隊と比較し増強小隊規模ではなく複数小隊規模となりますので、小隊と中隊の中間、もしくは二個小隊基幹の中隊、というかたちとなります、この編成を中隊とするかが論点となるでしょう。
北大路機関:はるな くらま
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
装甲機動旅団後方支援、装甲機動旅団隷下の連隊戦闘団は機械化大隊と捜索大隊を基幹とし、機動運用能力を第一とする案を示しました。
機械化大隊は戦車中隊と2個装甲戦闘車中隊、捜索大隊は軽装甲機動車中隊と対戦車中隊を基幹とする編成です。そこで問題となるのは、整備に関する負担が現在の普通科連隊編成、本土の師団普通科連隊であれば軽装甲機動車中隊に高機動車化された普通科中隊3個と重迫撃砲中隊という編成と比較し、装甲戦闘車が配備される分、負担が大きくなり、自隊整備には履帯換装一つとっても負担が大きく、火器管制装置等は電子整備部隊の支援が必要となります。装甲戦闘車と戦車を合わせ41両という規模となりますので、後方支援の重要性が大きくなる。
89式装甲戦闘車派生型、と装甲戦闘車を提示しましたが、これがフランスのVBCI装甲戦闘車のような装輪式装甲戦闘車であれば、整備負担が低減します、打撃力は劣りますがストライカー装甲車や、現在開発中の将来装輪装甲車へ遠隔操作銃塔RWSを搭載する方式を採用するのならば、整備負担は多少低減します、が、不整地突破能力も大幅に低下しますので、整備負担か野戦能力か、という選択肢は後方支援を考えますと大きな課題となるのです。そこで、装軌車両については旅団後方支援部隊に輸送隊を重視し、C整備の間隔を大きくするという選択肢はあるでしょう。
整備について、現在の自衛隊部隊編成をみますと、全般支援大隊として第二整備大隊がおかれ、第一整備大隊を各部隊へ随伴する直接支援中隊が多数置かれています、3個普通科直接支援中隊、戦車直接支援中隊、特科直接支援中隊、施設直接支援中隊、など。装甲機動旅団は機動運用の骨幹戦力に臨時編成の機械化大隊をあげていますので、改編としては戦車とともに火器管制装置を筆頭に電子装備と装軌車の足周りを持つ装甲戦闘車の整備支援も大きくなります。
従って実際には普通科直接支援中隊と戦車直接支援中隊分遣小隊に特科直接支援中隊分遣小隊という編成を、連隊戦闘団へ配属する際には装軌車直接支援中隊、火器電装直接支援中隊、として分ける必要があります。この支援中隊の呼称、戦車を車体と砲塔に分けて整備する、と誤解を招く呼称ですが、そうではなく、戦車と装甲戦闘車を整備する装軌車直接支援中隊と、火力戦闘車や牽引砲と対戦車ミサイルに迫撃砲部隊などの中隊の車両と軽装甲機動車や施設中隊の支援を行う火器電装直接支援中隊、という枠です。中隊としては編成が小型すぎますが、補給小隊と輸送小隊の分遣隊を加え中隊規模と編成する。
施設中隊の戦闘工兵装備は機械化大隊と協同しますので、装軌車直接支援中隊の支援下に収めることとします。いわば、突進し装甲防御を盾に打撃力を押しつける部隊の直接支援中隊と、突進する部隊の障害を前方の索敵と後方の火力支援で支える部隊の直接支援中隊、という区分にほかなりません。参考までにアメリカ軍では旅団に師団より前方支援大隊を起き、本部、整備中隊、補給中隊、衛生中隊、をおいています。整備中隊は旅団隷下の諸兵科混成部隊へ、2個戦車システム支援チーム、2個機械化歩兵支援チーム、をおいています。この編成は広域師団編成に参考とした部分が大きく、二つの支援中隊はアメリカ軍の支援チームを参考としました。
支援中隊ですが、中隊、とするには規模が小さいのではないか。こうした指摘はあるやもしれません。参考としたのはアメリカのシステム支援チームですが、我が国の整備小隊と比較し増強小隊規模ではなく複数小隊規模となりますので、小隊と中隊の中間、もしくは二個小隊基幹の中隊、というかたちとなります、この編成を中隊とするかが論点となるでしょう。
北大路機関:はるな くらま
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