■トランプ新大統領東アジア戦略
トランプ次期大統領の外交防衛戦略、大統領選での発言とは異なり、偉大なアメリカの再構築は西半球籠城路線ではなく、世界に向けての発言であったようです。
アジア重視政策を掲げたオバマ政権を引き継ぐトランプ次期大統領は、意外な事にアジアへの関与を強化する方針をも引き継ぐこととなる可能性が出てきました。トランプ新大統領は、選挙戦において在日米軍や在韓米軍の撤退を掲げた事で、孤立主義モンロードクトリン時代のようなアメリカ本土へ米軍を撤退させる国防政策へ転換が考えられてきました。
トランプ次期政権の外交国防戦略、この数日間で一挙に動いた形となっています。先ほど、南シナ海問題について中国の人工島不法構築をアメリカが了解した訳ではない旨を発言し、更にアメリカが敢えて立場を不明確としてきた台湾問題へ台湾の蔡英文総統と電話会談という形で前進し、更に対立が生じた米比関係もドゥテルテ大統領支持を表明しています。
トランプ次期政権は新しい国防長官にジェイムズマティス退役大将を指名する事としました。マティス退役大将、強権的と云われているようですが、発言が少々パットン将軍的といいますか、第二次世界大戦中までならばギリギリ各国の将官と同水準だったかな、という印象です。一方で実務と編成や装備開発と実戦運用の双務を理解できている人材です。
国防長官人事に実務経験者、現在のアメリカ軍の必要な視点は、軍事力を技術的問題ではなく予算面で必要な新しい支出を補填する予算確保を既存装備品の調達や部隊の維持費用から捻出している点で、実際に勝てる部隊と勝てる戦略を構築できる人員を構築するならば、技術的蓄積は大きなアメリカは今後も当面は世界での優勢を維持できるでしょう。
トランプ次期大統領が台湾の蔡英文総統と電話会談、非常に大きなニュースです、こういいますのもアメリカは台湾関係法を制定し、台湾の防衛として中国へ圧力をかける姿勢ですが、一方で台湾の独立についても圧力をかけ続けてきました、独立も併合も認めない、この方針の下で事実上問題解決を延期し続けてきたわけですが、動いた形となります。
台湾とアメリカ、電話会談の内容は不明です、しかし、電話会談を行った、という事実だけでも大きな意味があります、また、次期大統領の電話回線がどの程度盗聴防止措置が取られているか、即ち中国政府が把握しているのかについても大きな意味があります。少なくとも、台湾を価値観を共有する国家として認識している大きな誇示とはなったでしょう。
米比関係、意外に簡単に修復する可能性があります。もともと米比関係の悪化は麻薬戦争があり、オバマ大統領がドゥテルテ大統領の麻薬戦争への強硬手段を麻薬戦争が実際の戦争に近いテロ対策戦争の強硬手段を通常の刑事事件への行き過ぎた対処であり、人権上問題が大きすぎるとの批判から、オバマ大統領とドゥテルテ大統領の関係が悪化しました。
フィリピン政府はアメリカ政府からの人権問題を契機とする関係悪化に対し、中国ロシアへの接近を示唆してきました、中国ロシアは非人道国家へも軍事援助を惜しまず、人権問題を無視する外交関係を締結できるためです。しかし、トランプ大統領はこうした部分には、必要な強硬手段がある、という認識でドゥテルテ大統領と認識が一致したようです。
日本の防衛政策に大統領選当時のトランプ氏が掲げた政策は、アメリカがアジア関与から撤退する可能性を示し、南シナ海問題等我が国シーレーン防衛へ影響する事態へ単独でも防衛力を投射する必要性が危惧されてきましたが、結果的にアジアの現在の秩序を維持し、地域閉塞化へは確たる手段を執る事を示唆する今回の明示は、大きな安定要素といえます。
北大路機関:はるな くらま
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
トランプ次期大統領の外交防衛戦略、大統領選での発言とは異なり、偉大なアメリカの再構築は西半球籠城路線ではなく、世界に向けての発言であったようです。
アジア重視政策を掲げたオバマ政権を引き継ぐトランプ次期大統領は、意外な事にアジアへの関与を強化する方針をも引き継ぐこととなる可能性が出てきました。トランプ新大統領は、選挙戦において在日米軍や在韓米軍の撤退を掲げた事で、孤立主義モンロードクトリン時代のようなアメリカ本土へ米軍を撤退させる国防政策へ転換が考えられてきました。
トランプ次期政権の外交国防戦略、この数日間で一挙に動いた形となっています。先ほど、南シナ海問題について中国の人工島不法構築をアメリカが了解した訳ではない旨を発言し、更にアメリカが敢えて立場を不明確としてきた台湾問題へ台湾の蔡英文総統と電話会談という形で前進し、更に対立が生じた米比関係もドゥテルテ大統領支持を表明しています。
トランプ次期政権は新しい国防長官にジェイムズマティス退役大将を指名する事としました。マティス退役大将、強権的と云われているようですが、発言が少々パットン将軍的といいますか、第二次世界大戦中までならばギリギリ各国の将官と同水準だったかな、という印象です。一方で実務と編成や装備開発と実戦運用の双務を理解できている人材です。
国防長官人事に実務経験者、現在のアメリカ軍の必要な視点は、軍事力を技術的問題ではなく予算面で必要な新しい支出を補填する予算確保を既存装備品の調達や部隊の維持費用から捻出している点で、実際に勝てる部隊と勝てる戦略を構築できる人員を構築するならば、技術的蓄積は大きなアメリカは今後も当面は世界での優勢を維持できるでしょう。
トランプ次期大統領が台湾の蔡英文総統と電話会談、非常に大きなニュースです、こういいますのもアメリカは台湾関係法を制定し、台湾の防衛として中国へ圧力をかける姿勢ですが、一方で台湾の独立についても圧力をかけ続けてきました、独立も併合も認めない、この方針の下で事実上問題解決を延期し続けてきたわけですが、動いた形となります。
台湾とアメリカ、電話会談の内容は不明です、しかし、電話会談を行った、という事実だけでも大きな意味があります、また、次期大統領の電話回線がどの程度盗聴防止措置が取られているか、即ち中国政府が把握しているのかについても大きな意味があります。少なくとも、台湾を価値観を共有する国家として認識している大きな誇示とはなったでしょう。
米比関係、意外に簡単に修復する可能性があります。もともと米比関係の悪化は麻薬戦争があり、オバマ大統領がドゥテルテ大統領の麻薬戦争への強硬手段を麻薬戦争が実際の戦争に近いテロ対策戦争の強硬手段を通常の刑事事件への行き過ぎた対処であり、人権上問題が大きすぎるとの批判から、オバマ大統領とドゥテルテ大統領の関係が悪化しました。
フィリピン政府はアメリカ政府からの人権問題を契機とする関係悪化に対し、中国ロシアへの接近を示唆してきました、中国ロシアは非人道国家へも軍事援助を惜しまず、人権問題を無視する外交関係を締結できるためです。しかし、トランプ大統領はこうした部分には、必要な強硬手段がある、という認識でドゥテルテ大統領と認識が一致したようです。
日本の防衛政策に大統領選当時のトランプ氏が掲げた政策は、アメリカがアジア関与から撤退する可能性を示し、南シナ海問題等我が国シーレーン防衛へ影響する事態へ単独でも防衛力を投射する必要性が危惧されてきましたが、結果的にアジアの現在の秩序を維持し、地域閉塞化へは確たる手段を執る事を示唆する今回の明示は、大きな安定要素といえます。
北大路機関:はるな くらま
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