■しまかぜ,九州沖中国船と衝突
本日は年度末の31日です。そして本日までに沖縄県の先島諸島の宮古島駐屯地へ陸上自衛隊増強部隊の配備が完了しました。
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宮古島駐屯地の増強改編が先週3月26日に完了しました。この増強により宮古島はつい数年前までは航空自衛隊レーダーサイトと20名規模の警備小隊が置かれるのみでしたが、昨年配置された宮古警備隊とともに新しく03式中距離地対空誘導弾システムと12式地対艦誘導弾システムが配備され、日々高まる大陸からの軍事圧力への抑止基盤が構築された。
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宮古警備隊は那覇駐屯地に司令部を置く第15旅団隷下部隊として昨年3月26日に新編され、長崎県の対馬警備隊と同等の編成、本部管理中隊と普通科中隊を基幹部隊とし、軽装甲機動車等を装備、警備隊長に1佐を補職することで有事の際、本土から増援にヘリボーン展開する普通科部隊を戦闘加入させ、迅速に普通科連隊として機能させることが狙い。
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しまかぜ、中国漁船と衝突。昨日3月30日の2028時ころ、警戒監視中の海上自衛隊護衛艦しまかぜ、が中国漁船と衝突しました。現場海域は九州屋久島沖西方650kmとのこと。この海域では過去、北朝鮮船舶による核及びミサイル開発国連経済制裁違反の瀬取り密輸が実施されていた海域です。護衛艦しまかぜ、中国漁船に負傷者はありませんでした。
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しまかぜ。船体左舷に縦20cmと横1mほどの破孔が生じたとのことですが、航行には問題ありません。この点について海上衝突予防法等に基づく海上保安庁操作は今後実施される為、その推移を待ちましょう。ただ、護衛艦しまかぜ、警戒監視任務は北朝鮮瀬どりの監視であり、我が国の警戒監視は継続的に九州沖縄へこうした部隊を置く必要を示しています。
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南西諸島は東西冷戦時代、軍事圧力を大きく受けることはなく平和な地域でした。しかし、東西冷戦が終結するとともに中国空軍の近代化が進み、同時に我が国沖縄県一部を中国領域に一方宣言、南西諸島をその行動圏内に収める航空機が増大するとともに南西諸島及び九州周辺海域への中国からの戦闘機や爆撃機の国籍不明機飛来が爆発的に増大しました。
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南西シフトとして我が国では防衛の重要地域を冷戦時代の北海道から九州沖縄方面へ再編を行うとともに、沖縄を防衛する南西方面航空混成団を南西航空方面隊へ増強し早期警戒機等を配備、また陸上自衛隊も第1混成団を第15旅団へ増強するなどの改編を実施しました。今回の宮古島駐屯地へのミサイル部隊増強も、この一環であり、重要な一歩です。
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03式中距離地対空誘導弾システムは長崎県の竹松駐屯地より移駐しました。第7高射特科群、今回宮古島へ移駐したのは1974年に竹松駐屯地に第2高射特科段隷下として新編され、以来竹松駐屯地に駐屯し続け海上防衛要衝佐世保などの近傍の防空にもあたっていた部隊の群本部と本部管理中隊および第346高射中隊、そして第307高射搬送通信中隊です。
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第7高射特科群のうち、第327高射中隊と第328高射中隊、そして第307高射搬送中隊一部は竹松駐屯地に残ります。これは従来運用していた改良ホーク地対空ミサイルと異なり、最新の03式中距離地対空誘導弾は中隊単位での独立運用能力が高く、実現しました。射程は目標高度により50kmから60km程度、これにより先島諸島防空は抜本的に強化された。
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12式地対艦誘導弾システムは射程200km規模の沿岸防衛用装備で健軍駐屯地の第5地対艦ミサイル連隊より第302地対艦ミサイル中隊が移駐しました。第5地対艦ミサイル連隊は本部管理中隊、第1中隊、第2中隊、第3中隊、第4中隊、第301地対艦ミサイル中隊、第302地対艦ミサイル中隊、ナンバー中隊が一桁中隊と三百番台中隊と分けられています。
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第5地対艦ミサイル連隊は、連隊単位での集中運用と中隊規模で地域防備部隊を区分して運用しているようで、実際宮古島駐屯地に分散配備された第302地対艦ミサイル中隊に先んじて、第301地対艦ミサイル中隊は昨年2019年3月26日に新設された鹿児島県の奄美駐屯地へ展開しています。各中隊には6連発射装置4基が配備、24発を同時射撃可能だ。
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宮古島では貴重な離島水源地に駐屯地施設が影響するとして調整が行われ、昨年の警備隊新編時には弾薬施設が完成しておらず、中距離多目的誘導弾や120mm迫撃砲弾などが一時撤去される一幕がありました。しかし、弾薬庫については不可欠の施設であるとして住民との間で水源地などを確保した上で造成するとして、昨年10月に調整が行われました。
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政府はこの宮古島駐屯地とともに新しく石垣島へ新駐屯地の建設を進めており、沿岸監視隊の置かれている与那国島駐屯地と併せ、防衛空白地帯であった沖縄県南西部の防衛力整備を完成させる方針です。現実問題として沖縄県南西部へは日常的に中国公船による領海侵犯が、中国コロナウィルス肺炎蔓延下でも継続しており、この地域の防衛は重要です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
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(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
本日は年度末の31日です。そして本日までに沖縄県の先島諸島の宮古島駐屯地へ陸上自衛隊増強部隊の配備が完了しました。
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宮古島駐屯地の増強改編が先週3月26日に完了しました。この増強により宮古島はつい数年前までは航空自衛隊レーダーサイトと20名規模の警備小隊が置かれるのみでしたが、昨年配置された宮古警備隊とともに新しく03式中距離地対空誘導弾システムと12式地対艦誘導弾システムが配備され、日々高まる大陸からの軍事圧力への抑止基盤が構築された。
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宮古警備隊は那覇駐屯地に司令部を置く第15旅団隷下部隊として昨年3月26日に新編され、長崎県の対馬警備隊と同等の編成、本部管理中隊と普通科中隊を基幹部隊とし、軽装甲機動車等を装備、警備隊長に1佐を補職することで有事の際、本土から増援にヘリボーン展開する普通科部隊を戦闘加入させ、迅速に普通科連隊として機能させることが狙い。
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しまかぜ、中国漁船と衝突。昨日3月30日の2028時ころ、警戒監視中の海上自衛隊護衛艦しまかぜ、が中国漁船と衝突しました。現場海域は九州屋久島沖西方650kmとのこと。この海域では過去、北朝鮮船舶による核及びミサイル開発国連経済制裁違反の瀬取り密輸が実施されていた海域です。護衛艦しまかぜ、中国漁船に負傷者はありませんでした。
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しまかぜ。船体左舷に縦20cmと横1mほどの破孔が生じたとのことですが、航行には問題ありません。この点について海上衝突予防法等に基づく海上保安庁操作は今後実施される為、その推移を待ちましょう。ただ、護衛艦しまかぜ、警戒監視任務は北朝鮮瀬どりの監視であり、我が国の警戒監視は継続的に九州沖縄へこうした部隊を置く必要を示しています。
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南西諸島は東西冷戦時代、軍事圧力を大きく受けることはなく平和な地域でした。しかし、東西冷戦が終結するとともに中国空軍の近代化が進み、同時に我が国沖縄県一部を中国領域に一方宣言、南西諸島をその行動圏内に収める航空機が増大するとともに南西諸島及び九州周辺海域への中国からの戦闘機や爆撃機の国籍不明機飛来が爆発的に増大しました。
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南西シフトとして我が国では防衛の重要地域を冷戦時代の北海道から九州沖縄方面へ再編を行うとともに、沖縄を防衛する南西方面航空混成団を南西航空方面隊へ増強し早期警戒機等を配備、また陸上自衛隊も第1混成団を第15旅団へ増強するなどの改編を実施しました。今回の宮古島駐屯地へのミサイル部隊増強も、この一環であり、重要な一歩です。
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03式中距離地対空誘導弾システムは長崎県の竹松駐屯地より移駐しました。第7高射特科群、今回宮古島へ移駐したのは1974年に竹松駐屯地に第2高射特科段隷下として新編され、以来竹松駐屯地に駐屯し続け海上防衛要衝佐世保などの近傍の防空にもあたっていた部隊の群本部と本部管理中隊および第346高射中隊、そして第307高射搬送通信中隊です。
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第7高射特科群のうち、第327高射中隊と第328高射中隊、そして第307高射搬送中隊一部は竹松駐屯地に残ります。これは従来運用していた改良ホーク地対空ミサイルと異なり、最新の03式中距離地対空誘導弾は中隊単位での独立運用能力が高く、実現しました。射程は目標高度により50kmから60km程度、これにより先島諸島防空は抜本的に強化された。
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12式地対艦誘導弾システムは射程200km規模の沿岸防衛用装備で健軍駐屯地の第5地対艦ミサイル連隊より第302地対艦ミサイル中隊が移駐しました。第5地対艦ミサイル連隊は本部管理中隊、第1中隊、第2中隊、第3中隊、第4中隊、第301地対艦ミサイル中隊、第302地対艦ミサイル中隊、ナンバー中隊が一桁中隊と三百番台中隊と分けられています。
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第5地対艦ミサイル連隊は、連隊単位での集中運用と中隊規模で地域防備部隊を区分して運用しているようで、実際宮古島駐屯地に分散配備された第302地対艦ミサイル中隊に先んじて、第301地対艦ミサイル中隊は昨年2019年3月26日に新設された鹿児島県の奄美駐屯地へ展開しています。各中隊には6連発射装置4基が配備、24発を同時射撃可能だ。
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宮古島では貴重な離島水源地に駐屯地施設が影響するとして調整が行われ、昨年の警備隊新編時には弾薬施設が完成しておらず、中距離多目的誘導弾や120mm迫撃砲弾などが一時撤去される一幕がありました。しかし、弾薬庫については不可欠の施設であるとして住民との間で水源地などを確保した上で造成するとして、昨年10月に調整が行われました。
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政府はこの宮古島駐屯地とともに新しく石垣島へ新駐屯地の建設を進めており、沿岸監視隊の置かれている与那国島駐屯地と併せ、防衛空白地帯であった沖縄県南西部の防衛力整備を完成させる方針です。現実問題として沖縄県南西部へは日常的に中国公船による領海侵犯が、中国コロナウィルス肺炎蔓延下でも継続しており、この地域の防衛は重要です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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