■九州豪雨,人命第一の行動を!
西日本豪雨災害から二年を迎える今日ですが、気象図を見ますと既にかなり多くの豪雨が降り注ぎ危険な状況が進行中です。人命第一の行動が必要だ。
気象庁は本日1630時、福岡県と佐賀県及び長崎県に対し大雨特別警報を発令しました。九州北部には現在活発な雨雲が次々と流れ込んでいる状況、数十年に一度というこれまで経験したことのないような大雨が降っている状況です。長崎県大村市と長崎県東彼杵町付近や佐賀県鹿島市付近及び佐賀県嬉野市付近では一時間で110mmの豪雨が観測されました。
熊本県と鹿児島県では一昨日までに大規模な豪雨が観測され、球磨川を中心に氾濫による大規模な被害が発生しており、本日未明には宮崎県と鹿児島県を中心に大規模な豪雨が観測され大淀川水系や川内川水系などで氾濫情報が発令、熊川水系での水害では既に40名以上の死者が出ており自衛隊が出動していますが、現在は北九州に豪雨が降り注いでいる。
気象庁の1730時からの会見では、お昼頃から九州西方の洋上から線状降水帯が強まってきたとの事で、現在のところこの状況が明日朝まで継続するか、昼ごろまで続くのかについては最新の情報を観測している段階ではあるとした上で、前線が動く気配は南西から湿った風が吹き続けている為に視られないといい、前線が長時間に渡り停滞するとしています。
前線停滞。福岡県と大分県に長崎県、七日一杯停滞が続き、その上で南下の可能性もありますが、観測情報の実況と共に警戒を続けていると発表しました。今回の豪雨の特徴は前線停滞の時間が長く、南から湿った風が入っている為に停滞した前線で短時間に大量の降雨が見られる、という点、短時間の大量豪雨が、今回の豪雨の特色である、としています。
生命を守る事を第一とした行動が必要です。24時間生き延びれば、自衛隊や消防警察等の救助により助かる可能性が大きくなりますので、先ず24時間を生き延びる事が必要です。その為には情報が必要で、今が最悪なのか、最悪な状況までもう少し時間はあるのか、移動する事は出来るのか、移動する経路は大丈夫なのか、移動先が避難を断られる場合など。
情報が必要だ。どういった河川や山間部が危険なのか。そもそもこの豪雨はどのようなメカニズムによるものかのか、それによる豪雨の持続はどの程度なのか、避難する場合はどのように行えばよいのか。避難の時機をどのように見積もるのか。そしてその為の情報を得るにはどうすればよいのか、この生命を守る事を第一とした行動を順番に視てゆきましょう。
一級河川以外の小さな二級河川や小さな河川。今回の豪雨は前線停滞と発達した雨雲が九州に次々と掛かり続ける事で線状降水帯が形成され、警戒されている河川ではなく小さな河川であっても水害が発生する可能性があり、市街地水路や用水路のような水の集まる地形に周辺へ降り注いだ豪雨が流れ込み、想定外の地点で水害が起こり得ると発表しました。
発達した雨雲が九州に次々と掛かり続け、熊本県と大分県。線状降水帯は直ちに南下する兆候は示していませんが、線状降水帯の幅が20km程度広がる可能性があるとしまして、この線状降水帯の広がりとともに大雨特別警報は福岡県と大分県に長崎県、現在発令されている三県に追加で熊本県と大分県に対しても追加し発令される可能性があるとのこと。
防災の一般論としまして、特別警報発令下では土砂崩れや浸水が既に発生している可能性が極めて高いとしまして、声明を護るための最大級の警戒が必要であるとしています。特別警報を待つことなく、早め早めの避難行動をとる必要があります。なお、避難所によっては周辺が浸水し避難が不可能となる事もありますので、ハザードマップ確認が必要です。
線状降水帯、そのメカニズムは3つの要素が重なる事で発生します。一つは前線付近に低気圧が発生している地域、もう一つは特に気象図の前線が不自然に折れ曲がっている地点、もう一つは等圧線が密集し風が強く吹いている地点、この3条件が揃った際に発生します。この地点では“湿舌”と呼ばれる気象が発生していまして線状降水帯が形成されてゆく。
三要素が揃った地域は、海上で湿った風が発生し陸上の山等に湿った風が様々な方向から吹き付ける事で最初の積乱雲が形成されます、積乱雲は一万m規模のものまで育つのですが、積乱雲が形成されつつ前線が曲り動かない事で次の積乱雲が形成されても前の積乱雲が移動せず、積乱雲を構成する要素が継続し続ける。こうして異常な降水量が続くという。
土砂災害警戒情報は、九州全ての県、高知県と広島県及び奈良県と長野県また静岡県にも発令されており、九州に集中している現在の土砂災害や氾濫被害ですが、今後は山陽地区や四国及び京阪神や東海地方などにおいても発生の懸念が大きく、気象庁によればこの豪雨は前線の停滞から明日一杯続くとのことですので、厳重な警戒を要するところです。
避難。現在は既に暗く浸水が始まっている地域ではこの時間からの避難は避難所まで安全に到達できるのかを冷静に判断する必要があります、自宅や現在位置はどの程度浸水の危険があるのか、自治体がHP上に発表しているハザードマップを参考に洪水避難所と自宅の立地がどの程度危険なのかを把握、土砂災害や深層崩壊と避難の危険を検討する必要が。
安全を確保する。危険な地域とは、氾濫危険のある河川や急激に増水する用水路等、土砂災害の起こり得る急傾斜地や崖及び山間部で崖から離れていた場合でも道路などで土砂災害が及ぶ地域、など。避難所まで移動する事が困難である場合は、低地よりは丘陵地、木造よりは鉄筋、可能ならば中層以上、避難所か親類知人宅、等へ退避する事が望ましい。
情報は自分から直接現場を観たいところではありますが、用水路や河川に接近する事は危険です。そこで国土交通省河川事務所HPから現状を直接ライブカメラにより確認する方法があり、またNHKでは地上デジタル放送によりデータ放送が行われており、リモコンDボタンを操作する事で最新の降雨情報等を観る事が出来ます。避難前の貴重な情報といえる。
洪水は河川沿いは勿論、河川以外にも用水路に大量の降雨が集まり思わぬところで氾濫する危険があります。そして河川以外に障害物の無い道路沿いに濁流が進み、身動きが取れなくなった後に道路沿いの住宅地等が冠水します。この為に避難するには水が通らない経路、そして高い建物か丘陵地を早い内に把握し準備する、パニックに陥らない事が肝要です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
西日本豪雨災害から二年を迎える今日ですが、気象図を見ますと既にかなり多くの豪雨が降り注ぎ危険な状況が進行中です。人命第一の行動が必要だ。
気象庁は本日1630時、福岡県と佐賀県及び長崎県に対し大雨特別警報を発令しました。九州北部には現在活発な雨雲が次々と流れ込んでいる状況、数十年に一度というこれまで経験したことのないような大雨が降っている状況です。長崎県大村市と長崎県東彼杵町付近や佐賀県鹿島市付近及び佐賀県嬉野市付近では一時間で110mmの豪雨が観測されました。
熊本県と鹿児島県では一昨日までに大規模な豪雨が観測され、球磨川を中心に氾濫による大規模な被害が発生しており、本日未明には宮崎県と鹿児島県を中心に大規模な豪雨が観測され大淀川水系や川内川水系などで氾濫情報が発令、熊川水系での水害では既に40名以上の死者が出ており自衛隊が出動していますが、現在は北九州に豪雨が降り注いでいる。
気象庁の1730時からの会見では、お昼頃から九州西方の洋上から線状降水帯が強まってきたとの事で、現在のところこの状況が明日朝まで継続するか、昼ごろまで続くのかについては最新の情報を観測している段階ではあるとした上で、前線が動く気配は南西から湿った風が吹き続けている為に視られないといい、前線が長時間に渡り停滞するとしています。
前線停滞。福岡県と大分県に長崎県、七日一杯停滞が続き、その上で南下の可能性もありますが、観測情報の実況と共に警戒を続けていると発表しました。今回の豪雨の特徴は前線停滞の時間が長く、南から湿った風が入っている為に停滞した前線で短時間に大量の降雨が見られる、という点、短時間の大量豪雨が、今回の豪雨の特色である、としています。
生命を守る事を第一とした行動が必要です。24時間生き延びれば、自衛隊や消防警察等の救助により助かる可能性が大きくなりますので、先ず24時間を生き延びる事が必要です。その為には情報が必要で、今が最悪なのか、最悪な状況までもう少し時間はあるのか、移動する事は出来るのか、移動する経路は大丈夫なのか、移動先が避難を断られる場合など。
情報が必要だ。どういった河川や山間部が危険なのか。そもそもこの豪雨はどのようなメカニズムによるものかのか、それによる豪雨の持続はどの程度なのか、避難する場合はどのように行えばよいのか。避難の時機をどのように見積もるのか。そしてその為の情報を得るにはどうすればよいのか、この生命を守る事を第一とした行動を順番に視てゆきましょう。
一級河川以外の小さな二級河川や小さな河川。今回の豪雨は前線停滞と発達した雨雲が九州に次々と掛かり続ける事で線状降水帯が形成され、警戒されている河川ではなく小さな河川であっても水害が発生する可能性があり、市街地水路や用水路のような水の集まる地形に周辺へ降り注いだ豪雨が流れ込み、想定外の地点で水害が起こり得ると発表しました。
発達した雨雲が九州に次々と掛かり続け、熊本県と大分県。線状降水帯は直ちに南下する兆候は示していませんが、線状降水帯の幅が20km程度広がる可能性があるとしまして、この線状降水帯の広がりとともに大雨特別警報は福岡県と大分県に長崎県、現在発令されている三県に追加で熊本県と大分県に対しても追加し発令される可能性があるとのこと。
防災の一般論としまして、特別警報発令下では土砂崩れや浸水が既に発生している可能性が極めて高いとしまして、声明を護るための最大級の警戒が必要であるとしています。特別警報を待つことなく、早め早めの避難行動をとる必要があります。なお、避難所によっては周辺が浸水し避難が不可能となる事もありますので、ハザードマップ確認が必要です。
線状降水帯、そのメカニズムは3つの要素が重なる事で発生します。一つは前線付近に低気圧が発生している地域、もう一つは特に気象図の前線が不自然に折れ曲がっている地点、もう一つは等圧線が密集し風が強く吹いている地点、この3条件が揃った際に発生します。この地点では“湿舌”と呼ばれる気象が発生していまして線状降水帯が形成されてゆく。
三要素が揃った地域は、海上で湿った風が発生し陸上の山等に湿った風が様々な方向から吹き付ける事で最初の積乱雲が形成されます、積乱雲は一万m規模のものまで育つのですが、積乱雲が形成されつつ前線が曲り動かない事で次の積乱雲が形成されても前の積乱雲が移動せず、積乱雲を構成する要素が継続し続ける。こうして異常な降水量が続くという。
土砂災害警戒情報は、九州全ての県、高知県と広島県及び奈良県と長野県また静岡県にも発令されており、九州に集中している現在の土砂災害や氾濫被害ですが、今後は山陽地区や四国及び京阪神や東海地方などにおいても発生の懸念が大きく、気象庁によればこの豪雨は前線の停滞から明日一杯続くとのことですので、厳重な警戒を要するところです。
避難。現在は既に暗く浸水が始まっている地域ではこの時間からの避難は避難所まで安全に到達できるのかを冷静に判断する必要があります、自宅や現在位置はどの程度浸水の危険があるのか、自治体がHP上に発表しているハザードマップを参考に洪水避難所と自宅の立地がどの程度危険なのかを把握、土砂災害や深層崩壊と避難の危険を検討する必要が。
安全を確保する。危険な地域とは、氾濫危険のある河川や急激に増水する用水路等、土砂災害の起こり得る急傾斜地や崖及び山間部で崖から離れていた場合でも道路などで土砂災害が及ぶ地域、など。避難所まで移動する事が困難である場合は、低地よりは丘陵地、木造よりは鉄筋、可能ならば中層以上、避難所か親類知人宅、等へ退避する事が望ましい。
情報は自分から直接現場を観たいところではありますが、用水路や河川に接近する事は危険です。そこで国土交通省河川事務所HPから現状を直接ライブカメラにより確認する方法があり、またNHKでは地上デジタル放送によりデータ放送が行われており、リモコンDボタンを操作する事で最新の降雨情報等を観る事が出来ます。避難前の貴重な情報といえる。
洪水は河川沿いは勿論、河川以外にも用水路に大量の降雨が集まり思わぬところで氾濫する危険があります。そして河川以外に障害物の無い道路沿いに濁流が進み、身動きが取れなくなった後に道路沿いの住宅地等が冠水します。この為に避難するには水が通らない経路、そして高い建物か丘陵地を早い内に把握し準備する、パニックに陥らない事が肝要です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
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