■小牧航空祭の災害派遣展示
南海トラフ地震や首都直下地震、日本ではいつ巨大災害が襲来するかが見通せない中で限られた予算ながら頼もしい装備があります。
C-130H輸送機、四基のアリソンT-56エンジンが鋭い轟音を四重奏の如く響かせつつ基地エプロン地区に展開する、此処は航空自衛隊小牧基地、かつては夜間戦闘機部隊も展開し近傍に航空自衛隊最大の弾薬庫広がる立地は現在、輸送航空の一大拠点となっている。
イラク塗装として名高い空色の輸送機が滑走路を越えて誘導路をこちらに向かう様子、この日は小牧基地航空祭、航空祭では近年、南海トラフ巨大地震の脅威が歴史地震の研究から政治的命題に昇華した事で、災害派遣展示が飛行展示と並び恒例の展示となっています。
戦術輸送機として世界中に広く配備されるC-130、世界の防衛装備品はその寸法と重量の一つの基準が、C-130に搭載できるか否か、という。H型の貨物室は全長12.0mと幅3.13mに高さ2.81m、貨物搭載重量は20tまででして写真の通り特殊車両もそのまま搭載できる。
ハーキュリースと愛称されるC-130,この名前はヘラクレスの英語読み。戦術輸送機としての最大の能力は写真の通りの太すぎる車輪がもたらす不整地運用能力の高さとともに操縦士の技量、整備、そしてカーゴマスターという機上貨物要員の高い練度の調和によるもの。
KC-767空中給油機が離陸に向けてタキシングへと進む中を背景に、大きく開かれたC-130貨物扉より赤い車両がいままさに卸下の準備を開始しました、車体には総務省消防庁、そして岡崎市消防本部と明記されたもの。シンガポールのSTキネティクス製全地形車輌だ。
ブロンコ全地形車輌、一見して二両降りてくるように見えますが、これは間接部を一つの車両に配置し急斜面や地隙を踏破する為の構造で、そして水陸両用の車体設計となっています、何処でも走れるという消防庁では“レッドサラマンダー”と愛称される車輌です。
消防庁が一両だけ、東日本大震災を契機に導入した全地形車輌で、愛知県の中央部である岡崎市消防局に配備されている、この岡崎市に配備された背景には津波の第一波を避けつつ、しかし日本のほぼ中央部に配置する事で全国へ陸路や空路で緊急展開させるのは狙い。
C-130H輸送機にも搭載できる、といいますか搭載していましたのは写真の通り。ブロンコ全地形車輌は全備重量15tで全長8.6mと車幅2.2m、全高2.3m、完全にC-130の貨物室に収まる。キャタピラー社製350hpエンジンにより陸上60km/hと水上4.5km/hで走る。
ブロンコ全地形車輌、車体には運転士を含めて16名が乗車可能でして、前部車輛に運転士を含めて6名、後部車輛には10名分の座席が配置されています。水上航行は履帯の溝部分が水面を掻く事で前進しまして、海上沖合は波浪で進めませんが沿岸や浸水域では心強い。
消防庁は過去にも特殊車両を配備していまして、一番意味不明はドイツ製ウニモグUR-416装甲車、兵員12名を輸送する装輪装甲車で東京消防庁に配備されました。別に怪獣などに備えたのではなく、耐熱消防車、過去には三宅島火山災害にも火砕流に備え派遣されています。
全地形車輌、というものは世界では意外と一般的でスウェーデンのBV-206が有名で航空自衛隊もレーダーサイト輸送用に配備しています。目新しく見えますが全地形車輌そのものはスウェーデンがBV-202として1964年に開発、雪上車として世界中に輸出されました。
スウェーデン製BvS-206装甲車にシンガポール軍では既に置換えられたブロンコですが、600両が配備されており、虎の子ではなく日々の便利に活用されています。災害の多い我が国でも消防と自衛隊とに問わず、全地形車輌というものはもっともっと配備されて良いように思います。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
南海トラフ地震や首都直下地震、日本ではいつ巨大災害が襲来するかが見通せない中で限られた予算ながら頼もしい装備があります。
C-130H輸送機、四基のアリソンT-56エンジンが鋭い轟音を四重奏の如く響かせつつ基地エプロン地区に展開する、此処は航空自衛隊小牧基地、かつては夜間戦闘機部隊も展開し近傍に航空自衛隊最大の弾薬庫広がる立地は現在、輸送航空の一大拠点となっている。
イラク塗装として名高い空色の輸送機が滑走路を越えて誘導路をこちらに向かう様子、この日は小牧基地航空祭、航空祭では近年、南海トラフ巨大地震の脅威が歴史地震の研究から政治的命題に昇華した事で、災害派遣展示が飛行展示と並び恒例の展示となっています。
戦術輸送機として世界中に広く配備されるC-130、世界の防衛装備品はその寸法と重量の一つの基準が、C-130に搭載できるか否か、という。H型の貨物室は全長12.0mと幅3.13mに高さ2.81m、貨物搭載重量は20tまででして写真の通り特殊車両もそのまま搭載できる。
ハーキュリースと愛称されるC-130,この名前はヘラクレスの英語読み。戦術輸送機としての最大の能力は写真の通りの太すぎる車輪がもたらす不整地運用能力の高さとともに操縦士の技量、整備、そしてカーゴマスターという機上貨物要員の高い練度の調和によるもの。
KC-767空中給油機が離陸に向けてタキシングへと進む中を背景に、大きく開かれたC-130貨物扉より赤い車両がいままさに卸下の準備を開始しました、車体には総務省消防庁、そして岡崎市消防本部と明記されたもの。シンガポールのSTキネティクス製全地形車輌だ。
ブロンコ全地形車輌、一見して二両降りてくるように見えますが、これは間接部を一つの車両に配置し急斜面や地隙を踏破する為の構造で、そして水陸両用の車体設計となっています、何処でも走れるという消防庁では“レッドサラマンダー”と愛称される車輌です。
消防庁が一両だけ、東日本大震災を契機に導入した全地形車輌で、愛知県の中央部である岡崎市消防局に配備されている、この岡崎市に配備された背景には津波の第一波を避けつつ、しかし日本のほぼ中央部に配置する事で全国へ陸路や空路で緊急展開させるのは狙い。
C-130H輸送機にも搭載できる、といいますか搭載していましたのは写真の通り。ブロンコ全地形車輌は全備重量15tで全長8.6mと車幅2.2m、全高2.3m、完全にC-130の貨物室に収まる。キャタピラー社製350hpエンジンにより陸上60km/hと水上4.5km/hで走る。
ブロンコ全地形車輌、車体には運転士を含めて16名が乗車可能でして、前部車輛に運転士を含めて6名、後部車輛には10名分の座席が配置されています。水上航行は履帯の溝部分が水面を掻く事で前進しまして、海上沖合は波浪で進めませんが沿岸や浸水域では心強い。
消防庁は過去にも特殊車両を配備していまして、一番意味不明はドイツ製ウニモグUR-416装甲車、兵員12名を輸送する装輪装甲車で東京消防庁に配備されました。別に怪獣などに備えたのではなく、耐熱消防車、過去には三宅島火山災害にも火砕流に備え派遣されています。
全地形車輌、というものは世界では意外と一般的でスウェーデンのBV-206が有名で航空自衛隊もレーダーサイト輸送用に配備しています。目新しく見えますが全地形車輌そのものはスウェーデンがBV-202として1964年に開発、雪上車として世界中に輸出されました。
スウェーデン製BvS-206装甲車にシンガポール軍では既に置換えられたブロンコですが、600両が配備されており、虎の子ではなく日々の便利に活用されています。災害の多い我が国でも消防と自衛隊とに問わず、全地形車輌というものはもっともっと配備されて良いように思います。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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