■女王陛下の航空母艦,横須賀へ
小牧基地にて先日F-35Aが2機連続で三沢基地へ向かい離陸する様子を撮影できました、そこでF-35の写真と共に一つ最新の話題を。こういうのを便乗企画という。
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イギリス海軍の空母クイーンエリザベス横須賀入港、イギリスのジョンソン首相は約束を守り、このコロナ禍下でも航空母艦を日本に派遣し、日英の防衛協力姿勢を世界に示しました。クイーンエリザベス、経済規模では日本よりも若干小さなイギリスの航空母艦は日本のヘリコプター搭載護衛艦よりも遥かに大型で、日本の防衛政策への影響はどうなのか。
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クイーンエリザベスは艦載機としてF-35Bを運用、第五世代戦闘機運用に特化した世界初の航空母艦であるとイギリスは豪語しています。我が国でも航空自衛隊がF-35A戦闘機からなる2個飛行隊、そして更にヘリコプター搭載護衛艦からの運用が可能なF-35B戦闘機の導入を計画しています、先行してアメリカ海兵隊F-35Bによる試験も近く始まるという。
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いずも型護衛艦や、ひゅうが型護衛艦、海上自衛隊は全通飛行甲板型護衛艦を4隻保有していますが、いずも型護衛艦満載排水量が27000t、ひゅうが型護衛艦満載排水量が19000t、対してクイーンエリザベス級航空母艦の満載排水量は67000tと、いずも型護衛艦の2.5倍にも達する非常に大きなものとなっています、これが護衛艦こと駆逐艦と空母の差である。
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海上自衛隊にはどのような影響があるのか。クイーンエリザベス級空母を目の前にしますと、いずも型護衛艦においてF-35Bを運用する際の参考点は多いと考えられる一方、その大きさについても参考点となる部分は多いのかもしれません、言い換えれば、ヘリコプター搭載護衛艦が航空母艦の任務を果たしうるのか、という原点に至る認識ともいえますが。
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アメリカ級強襲揚陸艦、F-35B戦闘機の運用能力を有しています。海上自衛隊は佐世保に前方展開しているアメリカ海軍の強襲揚陸艦と日常的に接する事で、既にF-35B勘定運用については知見が在り、また、アメリカ級強襲揚陸艦の飛行甲板面積が護衛艦いずも型とほぼ重なる点から参考とする点は多いのかもしれません、が、強襲揚陸艦は空母ではない。
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強襲揚陸艦と空母の相違ですが、アメリカ海軍は強襲揚陸艦だけでの任務群編成は念頭とはしているものの、強襲揚陸艦のF-35Bだけで対応できない脅威に対しては、ニミッツ級とジェラルドフォード級空母という“奥の手”があるという認識が確実に作戦運用の根幹に在る事は否定できません、対してクイーンエリザベス級は、奥の手そのものなのですね。
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F-35B戦闘機に加えてAEWヘリコプターを装備していますので、固定翼早期警戒機とは比較にならない程性能は限られていますが、レーダーピケットを担う航空機があり、また対潜中枢艦としての任務も当然配慮しています。対して、現在の海上自衛隊のF-35B運用は迷いがあるのですね、なによりF-35Bは航空自衛隊からの借り物、運用基盤は陸上です。
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海上自衛隊は説明されているような沖縄県島嶼部での暫定滑走路延長線上に貴重なヘリコプター搭載護衛艦を、南西諸島に張り付けるとは考えにくい、何よりも日本からはるか離れた海域においてシーレーンが周辺国航空母艦により圧力がかけられた際に、まさか、アフガン邦人輸送の様に、出来ませんでした無理、と航行路遮断を容認するとは思えません。
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ヘリコプター搭載護衛艦は、陸上からの支援が及ばない海域まで、もちろんグアムや沖縄にE-767早期警戒管制機を派遣してKC-767空中給油機やKC-46A空中給油機で支援するとか、P-1哨戒機やRQ-4無人偵察機の支援を受ける事は考えられるのですが、暫定飛行場が使えないから護衛艦を使う、という範疇では考えられないのですね、費用対効果からも。
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クイーンエリザベス横須賀入港は、海上自衛隊関係者にヘリコプター搭載護衛艦をもう少し大型化させた艦を導入する必要性を迫るのか、それとも、もともとF-35Bはインヴィンシブル級軽空母でも運用を念頭としていたのだから、同程度の大きさの護衛艦ひゅうが型を含めて日本型の運用を模索するのか、今まさに横須賀で護衛艦史は動こうとしています。
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カブール。イタリア海軍の航空母艦が海上自衛隊の護衛艦いずも型と同程度でした、こちらの方が先に日本を親善訪問したならば、また違ったのかもしれませんが。日本の造船能力の水準からは、クイーンエリザベス級空母程度の大型艦は、難しい訳ではありません、予算面を含めて。本型は自動化が進み乗員は679名、其処に航空要員を含めて1600名です。
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インヴィンシブル級空母でも相応の能力がありましたので、個人的にはクイーンエリザベス級空母のような大型艦を建造するよりは、ヘリコプター搭載護衛艦の数を増やす方が多方面での任務に対応できると考えるのですが、真剣にシーレーン防衛を考える場合、空母クイーンエリザベス級の横須賀入港は十年単位で大きな変革をもたらすのかもしれません。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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小牧基地にて先日F-35Aが2機連続で三沢基地へ向かい離陸する様子を撮影できました、そこでF-35の写真と共に一つ最新の話題を。こういうのを便乗企画という。
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イギリス海軍の空母クイーンエリザベス横須賀入港、イギリスのジョンソン首相は約束を守り、このコロナ禍下でも航空母艦を日本に派遣し、日英の防衛協力姿勢を世界に示しました。クイーンエリザベス、経済規模では日本よりも若干小さなイギリスの航空母艦は日本のヘリコプター搭載護衛艦よりも遥かに大型で、日本の防衛政策への影響はどうなのか。
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クイーンエリザベスは艦載機としてF-35Bを運用、第五世代戦闘機運用に特化した世界初の航空母艦であるとイギリスは豪語しています。我が国でも航空自衛隊がF-35A戦闘機からなる2個飛行隊、そして更にヘリコプター搭載護衛艦からの運用が可能なF-35B戦闘機の導入を計画しています、先行してアメリカ海兵隊F-35Bによる試験も近く始まるという。
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いずも型護衛艦や、ひゅうが型護衛艦、海上自衛隊は全通飛行甲板型護衛艦を4隻保有していますが、いずも型護衛艦満載排水量が27000t、ひゅうが型護衛艦満載排水量が19000t、対してクイーンエリザベス級航空母艦の満載排水量は67000tと、いずも型護衛艦の2.5倍にも達する非常に大きなものとなっています、これが護衛艦こと駆逐艦と空母の差である。
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海上自衛隊にはどのような影響があるのか。クイーンエリザベス級空母を目の前にしますと、いずも型護衛艦においてF-35Bを運用する際の参考点は多いと考えられる一方、その大きさについても参考点となる部分は多いのかもしれません、言い換えれば、ヘリコプター搭載護衛艦が航空母艦の任務を果たしうるのか、という原点に至る認識ともいえますが。
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アメリカ級強襲揚陸艦、F-35B戦闘機の運用能力を有しています。海上自衛隊は佐世保に前方展開しているアメリカ海軍の強襲揚陸艦と日常的に接する事で、既にF-35B勘定運用については知見が在り、また、アメリカ級強襲揚陸艦の飛行甲板面積が護衛艦いずも型とほぼ重なる点から参考とする点は多いのかもしれません、が、強襲揚陸艦は空母ではない。
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強襲揚陸艦と空母の相違ですが、アメリカ海軍は強襲揚陸艦だけでの任務群編成は念頭とはしているものの、強襲揚陸艦のF-35Bだけで対応できない脅威に対しては、ニミッツ級とジェラルドフォード級空母という“奥の手”があるという認識が確実に作戦運用の根幹に在る事は否定できません、対してクイーンエリザベス級は、奥の手そのものなのですね。
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F-35B戦闘機に加えてAEWヘリコプターを装備していますので、固定翼早期警戒機とは比較にならない程性能は限られていますが、レーダーピケットを担う航空機があり、また対潜中枢艦としての任務も当然配慮しています。対して、現在の海上自衛隊のF-35B運用は迷いがあるのですね、なによりF-35Bは航空自衛隊からの借り物、運用基盤は陸上です。
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海上自衛隊は説明されているような沖縄県島嶼部での暫定滑走路延長線上に貴重なヘリコプター搭載護衛艦を、南西諸島に張り付けるとは考えにくい、何よりも日本からはるか離れた海域においてシーレーンが周辺国航空母艦により圧力がかけられた際に、まさか、アフガン邦人輸送の様に、出来ませんでした無理、と航行路遮断を容認するとは思えません。
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ヘリコプター搭載護衛艦は、陸上からの支援が及ばない海域まで、もちろんグアムや沖縄にE-767早期警戒管制機を派遣してKC-767空中給油機やKC-46A空中給油機で支援するとか、P-1哨戒機やRQ-4無人偵察機の支援を受ける事は考えられるのですが、暫定飛行場が使えないから護衛艦を使う、という範疇では考えられないのですね、費用対効果からも。
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クイーンエリザベス横須賀入港は、海上自衛隊関係者にヘリコプター搭載護衛艦をもう少し大型化させた艦を導入する必要性を迫るのか、それとも、もともとF-35Bはインヴィンシブル級軽空母でも運用を念頭としていたのだから、同程度の大きさの護衛艦ひゅうが型を含めて日本型の運用を模索するのか、今まさに横須賀で護衛艦史は動こうとしています。
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カブール。イタリア海軍の航空母艦が海上自衛隊の護衛艦いずも型と同程度でした、こちらの方が先に日本を親善訪問したならば、また違ったのかもしれませんが。日本の造船能力の水準からは、クイーンエリザベス級空母程度の大型艦は、難しい訳ではありません、予算面を含めて。本型は自動化が進み乗員は679名、其処に航空要員を含めて1600名です。
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インヴィンシブル級空母でも相応の能力がありましたので、個人的にはクイーンエリザベス級空母のような大型艦を建造するよりは、ヘリコプター搭載護衛艦の数を増やす方が多方面での任務に対応できると考えるのですが、真剣にシーレーン防衛を考える場合、空母クイーンエリザベス級の横須賀入港は十年単位で大きな変革をもたらすのかもしれません。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)