■かしま先頭に堂々の出航
練習艦隊は江田島を出航、曇天は一時的で進む艦隊出航を前に太陽が戻り青空と海は群青の輝きへ向かいます。
かしま江田島を背に出航。1995年に竣工した練習艦で、防衛予算の関係上、先代の練習艦かとり除籍に竣工が間に合わなかった為に練習艦隊は一年間だけ護衛艦転用の護衛艦だけで近海練習航海と外洋練習航海と遠洋航海を担った、という椿事があったりしました。
かとり、海上自衛隊の艦艇としてはヘリコプター甲板を有する設計で、続き建造される初のヘリコプター搭載護衛艦はるな、に繋がる、なにか初のミサイル護衛艦あまつかぜ、ミサイル護衛艦たちかぜ、のような外見上の連続性を思わせる艦容の練習艦だったのですが。
小城尚徳艦長が操艦する練習艦かしま、小城尚徳1佐は2020年7月まで舞鶴にてイージス艦あたご艦長を務めていましたが、護衛艦隊司令部幕僚を短期間経て現職に。先代艦長はイージス艦みょうこう艦長、最近は練習艦艦長にイージス艦艦長が充てられる事がおおい。
かしま、この名前は旧海軍の六六艦隊計画時代に戦艦鹿島として建造された名前の継承、更に太平洋戦争直前に建造された練習巡洋艦鹿島の名前を継ぐ三代目の艦艇でもあります。練習巡洋艦鹿島は戦時中対潜巡洋艦に転用され船団護衛任務を経て終戦時にも健在でした。
うらが。掃海隊群に配備される海上自衛隊の掃海母艦です。掃海艇への支援や掃海ヘリコプターの運用支援、また機雷敷設艦としての任務を担う母艦で基準排水量5650tで満載排水量6850t、1997年に就役しました、うらが型一番艦で二番艦掃海母艦ぶんご、がいます。
杉山重一艦長以下粛々と出航する掃海母艦うらが、昨年の近海練習航海では本艦が練習艦かしま代任となっていて、なにかあったのかなとCOVID-19感染拡大下では考えさせられたもの。近海練習航海部隊旗艦は、くらま等ヘリコプター搭載護衛艦が充てられたことも。
艦隊が急制動を掛けて停止しました、なにしろ撮影位置から遠くはなれたこの撮影位置からも急制動を掛けているのだと即座に分かる程ですので、艦内でも動揺を感じた程ではないでしょうか。しかし、動いている艦船は惰性が働きますので、急制動は危険でもある。
単縦陣を組んで出航する晴れの舞台なのですが、急制動を掛けますので続行する、うらが、制動を掛けると共に逆進を掛けているのか、推進器付近に大きな渦が確認できます、そして当方の撮影位置付近では、やりやがった、やってやがるあの阿呆、と声が上がりました。
急制動に阿呆とは酷いなあ、と思っていますとあの馬鹿もの等々声は大きくなるようでして、どうしたのか、この撮影位置からは手前が木々の小枝が茂りよく確認できません、ただ、艦隊の進路に何かあったのは警戒船にあたる交通船の急な動きから察せられるところ。
乗艦、幹部候補生学校から続々と候補生改め新任三尉が練習艦や掃海母艦や護衛艦に訓練支援艦へ乗艦する当たりの頃から小型船が数隻、かなり練習艦などに近い位置まで寄っている様子がここからも眺められましたが、どうやら、数隻の内一隻が進路を塞いだらしい。
進路妨害、海上から撮影した方が良い位置で撮影できるのは知っています、実際わたしもこの江田島で近海練習航海部隊出航を海上から撮影した事があります、あきづき型護衛艦ふゆづき出航と併走するかたちで江田島と広島を結ぶ定期航路の旅客船から撮影しました。
しかし、海上衝突防止法に在る通り進路を塞いではいけません、特にチャーター船は航路を提示に航行するのではなく、自由に航行できるだけに自船が進路妨害しているのではないかということには特に傭船する利用者側が注意しなければならないのは当然といえます。
てんりゅう艦尾付近にも制動の様子が。制動を掛けますと、要するに逆進で推進装置を逆回転させ惰性で進むのを防止するのですから、艦尾付近に航跡ではなく撹拌した海水が海面上に盛上ります、しかし急制動掛けても単縦陣を崩さない、海上自衛隊の練度は、高い。
牡蠣筏の作業船ではなく、なんとなくヲタ船だ、とは周りの方からの声、実際そう見える。牡蠣筏であれば、なにしろ正業で生業、進路を塞いでいても、何しろ速力は潮流次第で1ノットさえ出ませんので致し方ないと思う事はありますが、ヲタ船、こちらはなあ、と。
進路を塞いでない、と思われるかもしれませんが、小型船は小回りが利きますし速度も速い、ここからそう遠くない、数浬のところで遊漁船が輸送艦おおすみ進路上を無理に追い越そうとして激突し沈没、遊漁船の定員越えの乗客が死亡する事故が在ったのを思い出す。
大袈裟ではなく、江田内の水深を考えますと練習艦の航行できる範囲は広くありません、回避しようにも回避出来ない事がる。かつて観艦式の帰路、関門海峡で韓国貨物船が航路帯を超えて対向してきた際、護衛艦くらま、が隣が浅瀬で回避出来なかったこともあった。
今回は艦隊も無事停止する事が出来ましたし、警戒の交通船からこってり油を搾られていたようで、笑い話という所でしたけれども、さてこうしたかたちでちょっと出来事はあったのですが艦隊は無事出航してゆきます。今回は4隻のみ参加という部分も幸いしたのか。
あけぼの、護衛艦あけぼの、が揃いました。江田島の撮影に毎回工夫を要するのは全ての艦艇をどのようにして構図に収められるのかという撮影位置の配慮、2021年は岩風呂山山頂あたりに陣取るという撮影位置で、例年よりも標高が高く俯瞰風景を広く採れさいわい。
てんりゅう、そして続行する護衛艦あけぼの。やはり一回急制動を行った影響はこの若干の単縦陣のみだれに影響しているといえるのかも。標高の高い位置で凪いだ海面上を往く情景は一方、あたかも大洋海上を進むような情景を、望遠で拡大すると醸し出してくれる。
古鷹山と練習艦かしま、かしま艦齢も竣工が1995年ですのでそろそろ古くなっていまして、まだまだじゃ偉丈夫ですがあと数年の後には後継艦を考えるか延命改修を更に進めねばなりません。先代“かしま”は香取型練習巡洋艦、すると練習艦かとり、かしま、その次は。
かとり型練習巡洋艦は三隻が建造されていまして、それは香取、鹿島、そして香椎でした。すると次の練習艦は海上自衛隊でも練習艦かしい、となるのでしょうか、それともまたは掃海母艦や輸送艦と設計を共通化させる、そんな後継艦計画が立ち上がる可能性もあるか。
江田島の艦隊出航の一つの名物としまして個の情景が在ります、いや若干距離が遠いものですから判別が難しいのですが、かしま隣のあたりに幹部候補生学校の教官たちが自衛艦旗等を振って大声で応援しているのですね、対岸のあたりまで聞こえるほどの大声で叫ぶ。
幹部候補生学校のしつけといいますかシーマンシップを含めた幹部自衛官の素養養成への厳しい教育を終えた、候補生改め新任幹部へのエールというものなのでしょう。もっとも、この話に感動した旨を現職の方に伝えますと、地獄はこれからなのにね、と微笑まれたが。
艦隊出航、快晴は嬉しい。いや実は曇天予報や悪天候の長期予報もあったのです。過去には集中豪雨というかゲリラ豪雨の最中に出航時間となり、粛々と出航する様子もありまして、あれは新任幹部にはかわいそうだよなあ、と話し合った事も。その航路に、幸あれ。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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練習艦隊は江田島を出航、曇天は一時的で進む艦隊出航を前に太陽が戻り青空と海は群青の輝きへ向かいます。
かしま江田島を背に出航。1995年に竣工した練習艦で、防衛予算の関係上、先代の練習艦かとり除籍に竣工が間に合わなかった為に練習艦隊は一年間だけ護衛艦転用の護衛艦だけで近海練習航海と外洋練習航海と遠洋航海を担った、という椿事があったりしました。
かとり、海上自衛隊の艦艇としてはヘリコプター甲板を有する設計で、続き建造される初のヘリコプター搭載護衛艦はるな、に繋がる、なにか初のミサイル護衛艦あまつかぜ、ミサイル護衛艦たちかぜ、のような外見上の連続性を思わせる艦容の練習艦だったのですが。
小城尚徳艦長が操艦する練習艦かしま、小城尚徳1佐は2020年7月まで舞鶴にてイージス艦あたご艦長を務めていましたが、護衛艦隊司令部幕僚を短期間経て現職に。先代艦長はイージス艦みょうこう艦長、最近は練習艦艦長にイージス艦艦長が充てられる事がおおい。
かしま、この名前は旧海軍の六六艦隊計画時代に戦艦鹿島として建造された名前の継承、更に太平洋戦争直前に建造された練習巡洋艦鹿島の名前を継ぐ三代目の艦艇でもあります。練習巡洋艦鹿島は戦時中対潜巡洋艦に転用され船団護衛任務を経て終戦時にも健在でした。
うらが。掃海隊群に配備される海上自衛隊の掃海母艦です。掃海艇への支援や掃海ヘリコプターの運用支援、また機雷敷設艦としての任務を担う母艦で基準排水量5650tで満載排水量6850t、1997年に就役しました、うらが型一番艦で二番艦掃海母艦ぶんご、がいます。
杉山重一艦長以下粛々と出航する掃海母艦うらが、昨年の近海練習航海では本艦が練習艦かしま代任となっていて、なにかあったのかなとCOVID-19感染拡大下では考えさせられたもの。近海練習航海部隊旗艦は、くらま等ヘリコプター搭載護衛艦が充てられたことも。
艦隊が急制動を掛けて停止しました、なにしろ撮影位置から遠くはなれたこの撮影位置からも急制動を掛けているのだと即座に分かる程ですので、艦内でも動揺を感じた程ではないでしょうか。しかし、動いている艦船は惰性が働きますので、急制動は危険でもある。
単縦陣を組んで出航する晴れの舞台なのですが、急制動を掛けますので続行する、うらが、制動を掛けると共に逆進を掛けているのか、推進器付近に大きな渦が確認できます、そして当方の撮影位置付近では、やりやがった、やってやがるあの阿呆、と声が上がりました。
急制動に阿呆とは酷いなあ、と思っていますとあの馬鹿もの等々声は大きくなるようでして、どうしたのか、この撮影位置からは手前が木々の小枝が茂りよく確認できません、ただ、艦隊の進路に何かあったのは警戒船にあたる交通船の急な動きから察せられるところ。
乗艦、幹部候補生学校から続々と候補生改め新任三尉が練習艦や掃海母艦や護衛艦に訓練支援艦へ乗艦する当たりの頃から小型船が数隻、かなり練習艦などに近い位置まで寄っている様子がここからも眺められましたが、どうやら、数隻の内一隻が進路を塞いだらしい。
進路妨害、海上から撮影した方が良い位置で撮影できるのは知っています、実際わたしもこの江田島で近海練習航海部隊出航を海上から撮影した事があります、あきづき型護衛艦ふゆづき出航と併走するかたちで江田島と広島を結ぶ定期航路の旅客船から撮影しました。
しかし、海上衝突防止法に在る通り進路を塞いではいけません、特にチャーター船は航路を提示に航行するのではなく、自由に航行できるだけに自船が進路妨害しているのではないかということには特に傭船する利用者側が注意しなければならないのは当然といえます。
てんりゅう艦尾付近にも制動の様子が。制動を掛けますと、要するに逆進で推進装置を逆回転させ惰性で進むのを防止するのですから、艦尾付近に航跡ではなく撹拌した海水が海面上に盛上ります、しかし急制動掛けても単縦陣を崩さない、海上自衛隊の練度は、高い。
牡蠣筏の作業船ではなく、なんとなくヲタ船だ、とは周りの方からの声、実際そう見える。牡蠣筏であれば、なにしろ正業で生業、進路を塞いでいても、何しろ速力は潮流次第で1ノットさえ出ませんので致し方ないと思う事はありますが、ヲタ船、こちらはなあ、と。
進路を塞いでない、と思われるかもしれませんが、小型船は小回りが利きますし速度も速い、ここからそう遠くない、数浬のところで遊漁船が輸送艦おおすみ進路上を無理に追い越そうとして激突し沈没、遊漁船の定員越えの乗客が死亡する事故が在ったのを思い出す。
大袈裟ではなく、江田内の水深を考えますと練習艦の航行できる範囲は広くありません、回避しようにも回避出来ない事がる。かつて観艦式の帰路、関門海峡で韓国貨物船が航路帯を超えて対向してきた際、護衛艦くらま、が隣が浅瀬で回避出来なかったこともあった。
今回は艦隊も無事停止する事が出来ましたし、警戒の交通船からこってり油を搾られていたようで、笑い話という所でしたけれども、さてこうしたかたちでちょっと出来事はあったのですが艦隊は無事出航してゆきます。今回は4隻のみ参加という部分も幸いしたのか。
あけぼの、護衛艦あけぼの、が揃いました。江田島の撮影に毎回工夫を要するのは全ての艦艇をどのようにして構図に収められるのかという撮影位置の配慮、2021年は岩風呂山山頂あたりに陣取るという撮影位置で、例年よりも標高が高く俯瞰風景を広く採れさいわい。
てんりゅう、そして続行する護衛艦あけぼの。やはり一回急制動を行った影響はこの若干の単縦陣のみだれに影響しているといえるのかも。標高の高い位置で凪いだ海面上を往く情景は一方、あたかも大洋海上を進むような情景を、望遠で拡大すると醸し出してくれる。
古鷹山と練習艦かしま、かしま艦齢も竣工が1995年ですのでそろそろ古くなっていまして、まだまだじゃ偉丈夫ですがあと数年の後には後継艦を考えるか延命改修を更に進めねばなりません。先代“かしま”は香取型練習巡洋艦、すると練習艦かとり、かしま、その次は。
かとり型練習巡洋艦は三隻が建造されていまして、それは香取、鹿島、そして香椎でした。すると次の練習艦は海上自衛隊でも練習艦かしい、となるのでしょうか、それともまたは掃海母艦や輸送艦と設計を共通化させる、そんな後継艦計画が立ち上がる可能性もあるか。
江田島の艦隊出航の一つの名物としまして個の情景が在ります、いや若干距離が遠いものですから判別が難しいのですが、かしま隣のあたりに幹部候補生学校の教官たちが自衛艦旗等を振って大声で応援しているのですね、対岸のあたりまで聞こえるほどの大声で叫ぶ。
幹部候補生学校のしつけといいますかシーマンシップを含めた幹部自衛官の素養養成への厳しい教育を終えた、候補生改め新任幹部へのエールというものなのでしょう。もっとも、この話に感動した旨を現職の方に伝えますと、地獄はこれからなのにね、と微笑まれたが。
艦隊出航、快晴は嬉しい。いや実は曇天予報や悪天候の長期予報もあったのです。過去には集中豪雨というかゲリラ豪雨の最中に出航時間となり、粛々と出航する様子もありまして、あれは新任幹部にはかわいそうだよなあ、と話し合った事も。その航路に、幸あれ。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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