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北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

令和四年度五月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2022.05.28-2022.05.29)

2022-05-26 20:17:26 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 畑岡がアツくなるこの日がやってきました、行事予定としまして令和4年度富士総合火力演習と海上自衛隊行事の幾つか紹介します。

 令和4年度富士総合火力演習が今週末土曜日に行われます、本番は28日土曜日、ただ、今年度の富士総合火力演習もCOVID-19新型コロナウィルス感染症感染対策の観点から一般公開は行わず、教育演習のWebライブ配信のみがおこなわれるとのこと。これはYOUTUBE陸上自衛隊広報チャンネルにおいて中継されますので、世界中で視聴可能です。

 公開実弾演習としては世界最大規模という富士総合火力演習は、非公開というのも不思議なものですが、陸上自衛隊富士学校の富士教導団が主催し実施する教育展示演習で、もともとは富士学校学生に現代戦闘の様相と自衛隊各種装備の性能などを展示する富士総合展示演習がそのはじまりでしたが、平成初期に一般公開が行われるようになり、今日に至る。

 島嶼部防衛を焦点として行う、島嶼部に展開した即応機動部隊が主役といいますので、さて前段演習と公団演習は随分と様変わりするのでしょうか。近年の富士総合火力演習は演習場に護衛艦や輸送艦に戦闘機を運びこめませんので、演習場の高台あたりにオーロラビジョンの大画面を設置して観艦式や日米合同演習の場面を映像として流していました。

 二次元統合防衛力、画面上でばかり華々しい護衛艦の映像を流していましたので防衛省が進める多次元統合防衛力整備にかけて、これでは二次元だよ、と嘆息していたものですが、Web配信ですと、まあ、演習場でアナウンスの、それでは画面をご覧ください、ほどの残念感はないのが幸いかも。せめて護衛艦映像もライブ配信で沼津沖を中継してほしい。

 富士総合火力演習といえば8月末、例年真夏の風物詩となっていましたが、年々増大する来場者を前に東富士演習場は標高が高いとは言っても猛暑であり、シャトルバス待ちは往復で3時間や4時間、つまり往復で各々2時間待ちがということなのですが、なかなかに真夏の実施は厳しく、そして富士の天候は変り易く時折とんでもないゲリラ豪雨が来まして。

 戦車射撃はアツいのですが演習場も暑く、救急車搬送も日常と云う程です。この為にここ数年は5月下旬に改めて実施しているかたち。ただ、その上で更にここ数年は、つまり2020年と2021年に続いて2022年もCOVID-19感染対策により一般公開は見送りとなっています、今年は師団祭が第1師団祭は招待者のみ、第3師団祭は完全開放で行ったのですが。

 東富士演習場は屋外ですが、少なくとも見学者は三万、この大人数が確実に密閉空間であるシャトルバスを主たる移動手段として御殿場駅などから延々30分以上東富士演習場へ移動するのですし、もう一つはシート席の人口密度はなかなかに凄いもので60cm間隔で一人一人詰め込みますので、感染対策といいますと、屋外であっても厳しいのかもしれません。

 熱中症対策も開門0900時の第3師団祭よりは厳しく0700時の開門から1300時まで屋外とはいえ暑い場所でマスクを着けたまま、自衛官の方は仕事ですし大丈夫でしょうが、一般見学者の方には、晩春ではなく初夏の直射日光とともに六時間日よけ無でマスク装着の感染対策と数時間のバス待ち行列、総合的に評価した上での一般公開見送りなのでしょう。

 海軍記念日が明日5月27日であり、慰霊祭も行われる。海上自衛隊では海軍記念日に合わせてという事ではないのかもしれませんが、艦艇一般公開が行われます。自衛隊行事、こうしたかたちで公開されるものが順次増えているのですが、北大路機関の情報収集能力にも限界があり、見落としがあるでしょうからお気づきの方はお知らせいただければ幸い。

 なおしま一般公開。さて、富士総合火力演習は非公開ですが岡山県倉敷市では玉島ハーバーフェスティバルが行われ掃海艇なおしま一般公開が当日抽選400名に行われます、なおしま、は掃海艇すがしま型の一隻でして土曜日に200名と日曜日に200名で1000時から1530時まで抽選は開始30分前で見学時間は30分間、抽選は複数回実施されるもよう。

 玉島ハーバーフェスティバルではこのほか、巡視船りゅおう消防放水展示が行われ、また防衛防災装備展示としてして警察や海上保安庁に消防と共に自衛隊装備品展示を実施し、96式装輪装甲車や81式短距離地対空誘導弾システムにFH-70榴弾砲も展示、場所は水島港玉島地区玉島外貿1号埠頭に特設会場を設置するとのことで、お近くの方は是非どうぞ。

 水中処分母船5号YDT-5松浦市一般公開、佐世保地方隊は長崎県松浦市の調川港岸壁において28日の1300時から1500時まで一般公開を行います。水中処分母船とは機雷掃海にあたる水中処分員の支援母船です、ちょっと今日明日に向かうには遠い場所ではあるも、お近くの方は是非、近い場所から自衛隊行事は巡るのが感染対策との両立といえますね。

 追記2231時:京都府の大久保駐屯地も29日日曜日に一般公開を行うとのことで、お教えいただきました。記念式典から観閲行進に訓練展示まで一通りを実施するとのことです。大久保駐屯地は京都府宇治市、中部方面隊隷下の第4施設団と第3師団隷下の第3施設大隊等が駐屯しています。ダンプ中隊の行進が何故か迫力があってわたしは好きです。

 第4施設団創設61周年・大久保駐屯地創設65周年記念行事、第4施設団は創設当時に建設工兵という位置づけでしたが75式装甲ドーザや92式地雷原処理車などを一括装備し、戦闘工兵部隊としての運用もなされています。また宇治市は自衛隊創設当時、第三管区隊総監部として第3師団や中部方面総監部の前身となる部隊が置かれた事もあり駐屯地は広い。

 追記2241時:京都府京丹後市では京丹後市八丁浜シーサイドパークにおいて京丹後エアーフェスタが実施されるとのこと。これは経ヶ岬分屯基地が実施するものですが、分屯基地にはアメリカ陸軍防空砲兵部隊のTHAADミサイルTRY-2レーダー部隊が前方展開している為に基地を一般公開する事が難しいとされ、飛行展示や地上装備品展示が行われるようです。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・5月28日:令和4年度富士総合火力演習…https://www.mod.go.jp/gsdf/
・5月29日:経ヶ岬エアーフェスタ…https://www.mod.go.jp/asdf/kyouga/
・5月29日:第4施設団創設61周年・大久保駐屯地創設65周年記念行事…https://www.mod.go.jp/gsdf/mae/3d/
・5月28日-29日:玉島ハーバーフェスティバルなおしま一般公開…https://www.mod.go.jp/pco/okayama/
・5月28日:水中処分母船5号YDT-5松浦市一般公開…https://www.mod.go.jp/msdf/sasebo/

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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北朝鮮ICBM大陸間弾道弾火星17型等弾道ミサイル3発発射実施と中国ロシア爆撃機H-6/Tu-95の編隊飛行

2022-05-26 07:02:04 | 防衛・安全保障
■臨時情報-日本海緊張
 北朝鮮が弾道ミサイル3発を連続発射、同じく核実験準備の進展が伝えられる中での久々のICBM実験が行われたもよう。

 北朝鮮は5月25日早朝、ICBMを含む複数の弾道ミサイルを日本海に向け発射しました、我が国への被害は出ていません。弾道ミサイルは日本時間0559時と0642時に発射され、この他に発射直後に分解し失敗したと考えられる0637時の発射が、韓国国防省により確認されています。韓国は北朝鮮に隣接し、レーダーによる確認が容易となっているようです。

 0559時に発射されたものは飛翔距離が300kmで最高到達高度は550kmであり、韓国国防省は大陸間弾道弾ICBMの火星17型であると分析、0637時に発射されたものは短距離弾道弾と考えられるようですが発射直後に分解しており失敗したと考えられています。続いて0642時に発射されたものは短距離弾道弾で高度60kmを760km飛翔したとのこと。

 ミサイル発射は朝鮮半島西部の順安飛行場付近とみられ、朝鮮半島上空を飛翔したのちに日本海の我が国EEZ排他的経済水域外側に着弾したとのこと。日本列島に到達する可能性は無かった為に破壊措置命令などは発令されていません。0637時と0642時に発射されたものは同型と思われ、発射失敗を受けての連続発射か同時弾着を期した失敗かは不明です。

 中国爆撃機とロシア爆撃機が日本周辺上空を飛行する特異な事例が在ったと防衛省が発表しました。これは24日、東京にて日本とアメリカにインドとオーストラリア首脳が一堂に会してQUAD首脳会談が行われている最中であり、ここに焦点を当てたものと考えられています。中国爆撃機はH-6爆撃機が4機とロシア爆撃機はTu-95戦略爆撃機が2機です。

 爆撃機の飛行経路は、沖縄本島先島諸島の中間部分から北上し南西諸島沖に沿って変針、九州本島と壱岐対馬間を飛行し日本海へ進入し島根県隠岐の島沖から島根県竹島方面を一周する経路を執り、同じ経路で沖縄方面へ飛び去りました。またロシア沿海州からIl-20情報収集機1機が能登半島沖まで南下、爆撃機は中ロ機で編隊飛行を行っていたとのこと。

 H-6爆撃機とTu-95戦略爆撃機は共に1950年代の設計ですが、H-6爆撃機については改良型の開発が継続されており射程2000kmクラスの巡航ミサイルを搭載するミサイル爆撃機としても運用されます、航空自衛隊は対領空侵犯措置任務に基づく緊急発進を実施し対応しました。翌日にはこの海域で北朝鮮がミサイル実験を実施、日本海は緊張下にあります。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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