北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【M-5撮影特報】今津駐屯地創設72周年記念行事,大雨特別警報と戦車なき湖北の駐屯地祭(2024-09-21)

2024-09-24 20:00:00 | 詳報 陸海空自衛隊関連行事
■今津祭二〇二四
 駐屯地祭の最中に石川県に大雨特別警報が発令されあんな大災害になるとは想像できませんでしたが湖北の駐屯地祭の様子を。

 駐屯地司令阪井邦丸2佐の巡閲、今年もやって参りました今津駐屯地創設記念行事、三月の部隊改編で長らく今津駐屯地にいました第10戦車大隊が廃止改編を迎え、その要員は豊川駐屯地に新編された第10偵察戦闘大隊に編合、駐屯地も寂しくなりました。

 中部方面移動監視隊の観閲行進、部隊は50名規模、このM5速報は撮って出しの写真ということで速報記事を掲載するG3Xほど望遠が利かないので、式典の先に観閲行進の様子を。近距離監視装置や高感度撮影装置と地上レーダ装置とともに観閲行進をすすむ。

 中部方面無人偵察機隊、FFRS無人偵察機システム、各国が開発した無人機の多くがGPSを活用するなかで有事の際の電波妨害を想定して完全自己完結式の無人機システムとしたために巨大化してしまったが、高度な電子戦環境でも運用が可能という点が特色だ。

 第3後方支援連隊第2整備大隊偵察戦闘直接支援隊の重装輪回収車が観閲行進ですすむ。19式装輪自走榴弾砲はこの車両がベースになるものだと思っていました。52口径といわず将来は射程100km狙う70口径の長砲身自走砲を、この車両をベースに開発してほしい。

 第3偵察戦闘大隊の観閲行進、写真撮影をEOSS-M5に15-45mmレンズを据え付けて撮影したものだから45mmでは限度がある、けれどもこちらはあくまで速報用の記録、詳報やしっかりとした速報はこのあとでお待ちください、ということで雰囲気だけでも伝われば。

 偵察中隊、もともとは千僧駐屯地の第3偵察隊でしたが、第3戦車大隊廃止とともに編合され第3偵察戦闘大隊偵察中隊となりました。87式偵察警戒車や82式指揮通信車と偵察オートバイを装備しています。遠くない将来に偵察戦闘車が配備されることとなろう。

 オートバイドリル、記念式典に参加した観閲部隊は107名と煩悩よりも少ない数字になっていたのだけれども、可能な範囲内で観閲行進や訓練展示を実施してくれました。訓練展示はG3Xのほうにまかせて、オートバイドリルのほうをM-5にて撮影してみた。

 パンサーズという名前で千僧駐屯地祭では人気投票が行われていた、パンパースと揶揄していたひとがいたがその後みたひとはいない。オートバイ斥候はヘリコプターに搭載したり自走したりで遮二無二敵を探すべく目だたなさを最大限活かし前進する部隊で。

 斥候と偵察の違いは、敵がいるかどうかを探すのが斥候で、敵がどの程度の戦闘能力を持っているのかを推し量るのが偵察という。五感を活かして探すのが斥候で、一発、いや一撃かまして反応を探るのが偵察というわけだ。現状で武装は若干心許ない。

 接敵したならば機動力を活かして一気に離脱するというのが斥候オートバイ、意外にオートバイを斥候に活用する事例は少ない、防弾は皆無だし監視機材も載せられる総量はしれている、けれども専守防衛の我が国は国土が戦場、ここにオートバイの利点が。

 オートバイは、専守防衛の我が国で運用するならば着上陸をうけた際に競合地帯は形成される前に防衛戦が始まる、すると防御力を考えて身重になるよりも軽快さと目立たないことが重要となります、自衛隊はいまでも専守防衛なのだなあと実感するのです。

 オートバイの有用性は認めるのですがカワサキKLX250よりももっとホンダゴールドウイングのような大型車に携帯無人機や2000mm級光学監視装置、手榴弾を運搬できる程度の小型無人機を搭載して接敵を避けて斥候を行えるような車両を配備しては、とおもうのだ。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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ロシア機北海道連続領空侵犯事件発生,航空自衛隊戦闘機-対領空侵犯措置任務でIRフレアー初使用

2024-09-24 07:00:37 | 国際・政治
■緊迫の北海道
 ロシア中国艦隊の遊弋や航空機接近の増大などの緊張が高まっていた北海道へ昨日サンドに渡る領空侵犯事案が発生しました。

 ロシア軍機が北海道離島を三度にわたり領空侵犯、航空自衛隊はIRフレアーを使用し警告しました。事件は昨日23日、最初の領空侵犯は北海道礼文島沖で23日1303時から1304時にかけ一分間にわたり領空侵犯したということです。この際、航空自衛隊は領空侵犯以前に戦闘機を緊急発進させ対領空侵犯措置任務を実施、領空接近を警告していたとのこと。

 領空侵犯二度目は同一の航空機が旋回を続け1531時頃に約30秒間、再度礼文島へ領空侵犯を行った。そして、更に三度目の領空侵犯を1542時から礼文島で発生したため、航空自衛隊は戦闘機からIRフレアーを使用し警告しました。これをうけロシア機は防空識別圏を退去、四度目の領空侵犯は発生せず、戦闘機による警告射撃には至りませんでした。

 Il-38哨戒機、今回繰り返し領空侵犯を行ったのはロシア軍の哨戒機で、これは旧ソ連が冷戦時代、アメリカのロッキード社製P-3哨戒機に対抗し開発したもの。P-3は不発に終わったエレクトラ旅客機に最新のコンピュータを搭載し哨戒機としたもので、ソ連も同じく四発旅客機を哨戒機に改造して投入したもの。対潜哨戒のほか情報収集にも用いられる。

 防衛省の発表した写真を見ますと、Il-38哨戒機は兵倉扉を開くなど示威的な飛行を行っていて、魚雷のほか対潜爆弾を搭載できることから礼文島へ爆撃を行いかねない状況でもあったことがわかります。IRフレアーを用いた警告は防衛省によれば三沢基地の北部航空方面隊司令部の判断で実施したとのこと。対領空侵犯でIRフレアーを用いたのは初だ。

 IRフレアーは、自衛隊観艦式や地方隊展示訓練において使用する様子をみることができますが、本来は赤外線誘導方式空対空ミサイルによる攻撃を受けた際に強い熱源を発するこのIRフレアーを使用することでミサイルの照準を機体から背けさせることが目的の装備で、武器ではありません。ただ、緊急発進にあたる機体は実弾も装備しています。

 警告射撃にはIRフレアーは当たりませんが、過去には警告射撃を実施したことがあります、1987年にTu-16爆撃機を転用した偵察機が沖縄本島上空、嘉手納基地の上空を飛行したため、那覇基地を発進したF-4EJ戦闘機は20mm機関砲を用いた史上初めての警告射撃を実施しています。外務省は正式に抗議し、ソ連政府は後日、制式に謝罪していました。

 今回の事件は繰り返し領空侵犯しており、航法ミスというには無理があることから明らかに示威的な領空侵犯といえるでしょう。なお、木原防衛大臣は今回の事件について、IRフレアーや信号弾は武器に当たらないとしています。現在20mm機関砲用に信号弾が開発されており、今後こうしたものの使用を迫られる状況も起こりうるのかもしれません。

 防空識別圏に侵入すること、これは飛行情報区という民間航空機の安全管理上、飛行計画を提出していない航空機が侵入することは衝突の懸念が生じ、これは無害通行権が認められる艦船とは別の問題があり、危険な行為です。しかしそれを超えて領空侵犯することは国際法上問題のある行為です。毅然とした対応を続けるべきだ、こうした挑発行為を看過することは、戦争に繋がるのだ。

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