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臨時情報-ミサイル防衛,イランの4月14日イスラエル攻撃は中距離弾道弾110発など多数

2024-04-19 07:01:26 | 先端軍事テクノロジー
■史上最大のミサイル防衛
 4月14日のミサイル攻撃は史上最大のミサイル防衛戦でありイスラエル軍の防空と共にアメリカ軍による史上初の大気圏外ミサイル迎撃成功など注目すべき点がありました。

 イランによるイスラエル攻撃は、弾道ミサイル110発、185機の自爆用無人機、巡航ミサイル36発という、かなり大規模な攻撃である事が判明しています。イスラエルはアメリカ軍などと共に迎撃に当り、イスラエルはアイアンドームやダビデスリング等を用い、巡航ミサイルは103発を撃墜、自爆用無人機と巡航ミサイルは全て迎撃に成功したとのこと。

 史上最大のミサイル防衛戦となった今回、アメリカ海軍はミサイル駆逐艦カーニーがイスラエル南部へ向かう弾道ミサイルを迎撃、6発に対してスタンダードSM-3ミサイルを発射し全て迎撃成功しました、スタンダードSM-3の実戦使用は今回が初めてであり、また大気圏外を飛翔する弾道ミサイルを実戦において迎撃成功した事も今回が初めてとなりました。

 自衛隊のミサイル防衛についても大きな前進といえるのかもしれません、それは今回使用されたミサイルは中距離弾道弾、迎撃が困難である弾道弾であった点です。テヘランからテルアビブの距離は1900km、弾道弾は射程500km以上のものを准中距離弾道弾となり、4500km以上のものが長距離弾道弾となります、弾道ミサイルは弾道を描き飛翔します。

 迎撃の難しさというのは、弾道をえがくゆえ上昇高度が高くなれば高くなるほど落下速度が増大する為に迎撃が難しくなるのですが、ミサイル防衛の技術開発により、開発当時には弾丸を弾丸で撃ち落とすような困難さ、と表現されたものなのですが、100発の中距離弾道弾同時攻撃に対して、飽和状態とならないことを実証できたのは大きな前進でしょう。

 日本の武器輸出について見直しの一歩となるのかもしれません、今回迎撃に用いられたのはスタンダードSM-3ミサイル、1998年のテポドンショックを受け日米共同開発が行われたもので、開発当時の武器輸出三原則による厳格な規制の中例外的に対外供与が許可されているものでした。それが今回のミサイル迎撃に用いられたわけです。

 一部政党では、日本の武器輸出と紛争地で日本の兵器が使われる事へ反発する声をポスターとして載せていますが、今回使用された100発以上の弾道ミサイルが市街地に命中した場合には甚大な被害となり、これは巨大な報復の連鎖を必至とさせるものです。人命を救い限定攻撃が全面戦争に拡大する事を阻止した、これを反発するのは理解が出来ません。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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