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【京都幕間旅情】祇園祭二〇二二,月鉾と函谷鉾と長刀鉾に四条通と三連休そして油断と感染者数全国十五万名

2022-07-20 20:00:29 | 写真
■不思議な日常を愉しむ
 COVID-19は第七の波を迎えているところですが今はもう不便さの中に愉しみを見い出すしかないようにも思うのですね。

 祇園祭、山鉾巡行を無事みることが出来ました、KBSで。NHKでごらんになったかたも多いでしょう。NHKの俯瞰風景などはなかなかの立地でして、四条通りもあの角度から眺めますと、なにか特別な印象を受けますね。KBSはBS211でも全国に放映されていた。

 月鉾と函谷鉾と四条通と。四条通は歩道拡張工事を行った後故に山鉾が更に交通というものの前に存在感を増している印象ですが、京都という街の中心部に当る四条通界隈が一ヶ月間、祇園祭というものを基調として営みを広げている事を際立てている一幕といえます。

 函谷鉾も長刀鉾も、しかし、今回はCOVID-19下でちょっとさわりだけ祇園祭を感じた、という次第です。12系統バスの車上から眺めるというのも考えたのですが、今の季節は12系統バスも混雑していますからね。咳き込む音に、まだまだ慎重になってしまうこのごろ。

 疾病祓いの伝統行事ですので縁起物といいますか、一つの定番ということもありましたので、最後の最後まで、いや中継が始まった後からも、二条城あたりから600mm望遠で撮影という、考えた範囲内で安全かな、という選択肢も検討はしたのですが、検討のみ。

 コレラで何度も中断を余儀なくされた明治以降の祇園祭、こうした実状を考えますと、ちょっと宵山や山鉾巡行の撮影というのは、時期尚早かな、こう考えた次第でして。しかし驚いたのは曳き手も含め全員がPCR検査を済ませてこの祭事に挑んだ、ということ。

 感染対策や距離を十分にとって観覧を、祇園会からもこう呼びかけられていましたので、絶対に日曜日の山鉾巡行など社会的距離などどこ吹く風、と考えたのですが、14万の観覧者に見守られた祭事、一方で疾病祓いを実現できたのか、といいますと、それは。

 2万2000名規模の感染、これは毎日新聞が報じた大阪府の本日感染者数の速報値ですが、三連休の自由自在な散策は相応の結果を招いた、といえるのかもしれません。いっそ感染症対策法2類指定を5類指定へ、という声も政治からも一部聞こえてはくるのですが。

 インフルエンザとちがい予防接種が十分に効果を発揮できないほど、短期間で変異するCOVID-19,みなさんが2021年に二度相次いで接種したころにはまだオミクロン株はなく、B.A.2やB.A.5とオミクロン株さえ変異を続けている、これでは5類指定は現実的でない。

 コロナウィルスは風邪という指摘もありますが、新型と旧型では意味が違うところを曖昧にして風邪云々を論じるのはナンセンスでして、しかも治療薬もあるにはあるが重症化予防でも十分普及していない、インフルエンザのタミフルにあたる治療薬はまだありません。

 日本の場合は、高齢者の定年後再雇用がかなり多く、感染対策で高齢者が重症化しやすいというリスクは、感染してでも社会を回すという前提が成り立たないものですし、なにより欧州や北米と南米はじめすでに人口一億あたり数十万亡くなった国とは違う価値観です。

 亡くなってしまっては祇園祭を楽しめない、誰かにうつしてその先の不幸に繋がってしまえば生涯にわたり祇園祭を楽しめなくなり、楽しさよりも悔いが残りかねません、そして五山送り火の大文字を複雑な思いで見上げることとなるのは、避けたいものですからね。

 山鉾、それでも久しぶりに見上げますと、やはり良いものです、ちょっとだけでも祇園祭を感じる事ができた、オミクロン株さえ出なければ今年は普通に愉しめたかもしれない。不思議な日常は続きます、そして慎重さを忘れなければ、愉しめる領域は実は広いのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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