■遅すぎる施設科部隊装備
現代戦は速度であり地上戦も一時間の遅滞行動にはまれば敵は次の地雷原と陣地を構築し十時間の遅滞に繋がります。
105mm砲を搭載している16式機動戦闘車ならばL9破壊砲を搭載できます、特に昔ながらの防御陣地に対して重迫撃砲や155mm榴弾砲とさえ上回る、工兵用の装備、大きな威力を発揮するもの、L9破壊砲ならば射程から高度な火器管制装置は不要ですので砲塔上面の部分に余裕が生まれますから、ここに70式地雷原処理装置を搭載することは可能でしょう。
70式地雷原処理装置は人員用通過経路を啓開するための装備であり、車両用地雷原を無力化するには充分な装備ではありませんが、92式地雷原処理装置よりも取り回しが容易です。防御地雷原などはL9砲で防御陣地を破壊しつつ地雷処理を行えば、危険を最小限に押さえて攻撃前進が可能となります。なによりこのほうが上部に載せられるだけ機動力が高い。
施設作業車は車体部分が73式牽引車であり、92式地雷原処理車もまた車体部分は73式牽引車です。汎用性の高さから良い装備とは考えるのですが、最高速度50km/hと、96式装輪装甲車や16式機動戦闘車に随伴できる速度ではありません。もちろん90式戦車や10式戦車にも随伴は難しいでしょう。16式機動戦闘車の車体だから随伴する事が可能なのです。
A型フレームクレーンを、おそらく車体配置から搭載できるでしょう。そしてウインチも。これがあれば倒木や障害を除去する際に活用できますし、故障車両の牽引などにも使えるかもしれません。A型フレームクレーンは複雑な作業はできませんが、専用クレーンほど場所をとりません、使い難くともクレーン、工兵戦闘車に装備するだけで用途の幅は広がる。
16式機動戦闘車の車体を用いた場合、即応機動連隊にも随伴できますが、戦車連隊戦闘団のような北海道の総合近代化師団や旅団の機械化部隊にも随伴は可能です、不整地突破能力は戦車には後塵を拝することは確かですが、路上機動性が高いため、戦車に総合的に随伴できます、少なくとも45km/hの75式ドーザ装置よりは早く移動できるのは確かだ。
16式機動戦闘車、派生型の施設科装備としまして、もう一つ必要な装備は架橋装備です。ただ、90式戦車が通行可能という架橋装置を16式機動戦闘車の車体に搭載できるのかは、真剣に検討しなければなりません。現在陸上自衛隊では91式戦車橋を用いていますが、こちらも車体は74式戦車の車体であり、74式戦車の最高速度は53km/hでしかありません。
ボクサー装輪装甲車、ドイツ製のモジュール装輪装甲車で欧州での標準装輪装甲車となりつつあるほか、インド太平洋地域ではオーストラリア軍が採用し先日運用が開始されました。実は戦車橋というのは重い印象がありましたので、戦車の車体を転用するか、トラックに搭載するほかないと思っていたのですが、ドイツはこれをボクサーに積んでいました。
レグアル戦車橋というボクサー装輪装甲車の車体にレオパルド2A7戦車が通行可能という戦車橋を搭載したものです。ボクサー装輪装甲車はモジュール装甲車となっていますので、これも搭載できる余地はあったのかもしれませんが、重い車両か巨大なトラックに搭載するという印象のあった装備を装輪装甲車に搭載したのは、載せられるのかと驚きといえる。
16式機動戦闘車の車体に、こうした架橋装置は搭載できないものでしょうか。ボクサーと比べれば16式機動戦闘車の車体はそれほど大きくはない、こう思われるのかもしれない一方、日本でもっとも重量のある戦車は90式戦車の50tですので、ドイツのように70t近い戦車を通す必要はありません、すると橋梁装置についても若干は軽い、はずなのですよね。
装輪装甲車にこうしたものを搭載する必要性の根拠は、やはり速度が大きいという事です、そしてレグアル戦車橋がおもしろい発想で開発されていまして、40tまでの通過用橋梁と主力戦車を渡すことができる橋梁、一見非効率に思われるかもしれませんが、橋を二種類開発しているのですね、ただ肝心の搭載する車両そのものは同じなのです、互換性がある。
レグアル戦車橋は、戦車部隊かそれ以外の緊急展開部隊をわけたものといえまして、装輪装甲車を装備している部隊がすべて戦車を伴っているわけではない、こういう発想で区分したのでしょう。なお、装輪装甲車用のほうが、強度に余裕がある分だけ、全長が長くなっているという、陸上車輛にとり軽量とは戦略機動性という原則に不思議に重なるもの。
HMEE機動工兵車両、ここまで16式機動戦闘車の派生型が必要だ、とこう強調してきましたが、もう一つ自衛隊に必要な車両はイギリスのJCB社が開発しているHMEE機動工兵車両です、これは装甲化された道路障害作業車のような用途に当てられるもので、そしてここが重要なのですやキャビン部分へ装着する装甲化キットがあり、防御力が多少高い。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
現代戦は速度であり地上戦も一時間の遅滞行動にはまれば敵は次の地雷原と陣地を構築し十時間の遅滞に繋がります。
105mm砲を搭載している16式機動戦闘車ならばL9破壊砲を搭載できます、特に昔ながらの防御陣地に対して重迫撃砲や155mm榴弾砲とさえ上回る、工兵用の装備、大きな威力を発揮するもの、L9破壊砲ならば射程から高度な火器管制装置は不要ですので砲塔上面の部分に余裕が生まれますから、ここに70式地雷原処理装置を搭載することは可能でしょう。
70式地雷原処理装置は人員用通過経路を啓開するための装備であり、車両用地雷原を無力化するには充分な装備ではありませんが、92式地雷原処理装置よりも取り回しが容易です。防御地雷原などはL9砲で防御陣地を破壊しつつ地雷処理を行えば、危険を最小限に押さえて攻撃前進が可能となります。なによりこのほうが上部に載せられるだけ機動力が高い。
施設作業車は車体部分が73式牽引車であり、92式地雷原処理車もまた車体部分は73式牽引車です。汎用性の高さから良い装備とは考えるのですが、最高速度50km/hと、96式装輪装甲車や16式機動戦闘車に随伴できる速度ではありません。もちろん90式戦車や10式戦車にも随伴は難しいでしょう。16式機動戦闘車の車体だから随伴する事が可能なのです。
A型フレームクレーンを、おそらく車体配置から搭載できるでしょう。そしてウインチも。これがあれば倒木や障害を除去する際に活用できますし、故障車両の牽引などにも使えるかもしれません。A型フレームクレーンは複雑な作業はできませんが、専用クレーンほど場所をとりません、使い難くともクレーン、工兵戦闘車に装備するだけで用途の幅は広がる。
16式機動戦闘車の車体を用いた場合、即応機動連隊にも随伴できますが、戦車連隊戦闘団のような北海道の総合近代化師団や旅団の機械化部隊にも随伴は可能です、不整地突破能力は戦車には後塵を拝することは確かですが、路上機動性が高いため、戦車に総合的に随伴できます、少なくとも45km/hの75式ドーザ装置よりは早く移動できるのは確かだ。
16式機動戦闘車、派生型の施設科装備としまして、もう一つ必要な装備は架橋装備です。ただ、90式戦車が通行可能という架橋装置を16式機動戦闘車の車体に搭載できるのかは、真剣に検討しなければなりません。現在陸上自衛隊では91式戦車橋を用いていますが、こちらも車体は74式戦車の車体であり、74式戦車の最高速度は53km/hでしかありません。
ボクサー装輪装甲車、ドイツ製のモジュール装輪装甲車で欧州での標準装輪装甲車となりつつあるほか、インド太平洋地域ではオーストラリア軍が採用し先日運用が開始されました。実は戦車橋というのは重い印象がありましたので、戦車の車体を転用するか、トラックに搭載するほかないと思っていたのですが、ドイツはこれをボクサーに積んでいました。
レグアル戦車橋というボクサー装輪装甲車の車体にレオパルド2A7戦車が通行可能という戦車橋を搭載したものです。ボクサー装輪装甲車はモジュール装甲車となっていますので、これも搭載できる余地はあったのかもしれませんが、重い車両か巨大なトラックに搭載するという印象のあった装備を装輪装甲車に搭載したのは、載せられるのかと驚きといえる。
16式機動戦闘車の車体に、こうした架橋装置は搭載できないものでしょうか。ボクサーと比べれば16式機動戦闘車の車体はそれほど大きくはない、こう思われるのかもしれない一方、日本でもっとも重量のある戦車は90式戦車の50tですので、ドイツのように70t近い戦車を通す必要はありません、すると橋梁装置についても若干は軽い、はずなのですよね。
装輪装甲車にこうしたものを搭載する必要性の根拠は、やはり速度が大きいという事です、そしてレグアル戦車橋がおもしろい発想で開発されていまして、40tまでの通過用橋梁と主力戦車を渡すことができる橋梁、一見非効率に思われるかもしれませんが、橋を二種類開発しているのですね、ただ肝心の搭載する車両そのものは同じなのです、互換性がある。
レグアル戦車橋は、戦車部隊かそれ以外の緊急展開部隊をわけたものといえまして、装輪装甲車を装備している部隊がすべて戦車を伴っているわけではない、こういう発想で区分したのでしょう。なお、装輪装甲車用のほうが、強度に余裕がある分だけ、全長が長くなっているという、陸上車輛にとり軽量とは戦略機動性という原則に不思議に重なるもの。
HMEE機動工兵車両、ここまで16式機動戦闘車の派生型が必要だ、とこう強調してきましたが、もう一つ自衛隊に必要な車両はイギリスのJCB社が開発しているHMEE機動工兵車両です、これは装甲化された道路障害作業車のような用途に当てられるもので、そしてここが重要なのですやキャビン部分へ装着する装甲化キットがあり、防御力が多少高い。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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