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【京都幕間旅情】水火天満宮,醍醐天皇勅願の社殿は日本最初天満宮-堀川通沿道を静かに飾る春色の枝垂桜

2023-05-10 20:00:24 | 写真
■静かに咲く枝垂桜を見上げ
 青空というものは色々なものを鮮やかに引き立てるものですが目の前に在るのが咲き誇る枝垂桜となりますとまた格別ではないか。

 水火天満宮、此処は枝垂桜が美しい。上京区堀川通上御霊前上ル扇町の堀川通は天神公園前バス停にほぼ隣接している社殿です。水火の天神さんと親しまれている公園に隣接しました神社、主祭神には菅原道真を祀りまして、菅公の御髭が奉納されている神社という。

 枝垂桜とともに、ほのかな甘みを暖かさと共に愉しめます飴湯でもこう一杯湯呑みで欲しいものだなあと少し思うのですが手元には御茶があるので良しとしましょう。この桜の季節には落ち着いて観桜できるよう整備されていて、丁度お天気も良く寒さも和らいでいる。

 上京区、若いちからは凄いなあと実感するのは、この数年間に上京区には観光地は無いけれども歴史は溢れている、ということで学生と町内会が力を合わせて上京区の魅力は深夜ライトアップなども熱心に行っている、嵐山や東山で花灯路が終わったのとは大違いです。

 醍醐天皇の勅願にて延長元年こと西暦923年創建されたという神社の歴史は、かの昌泰4年即ち西暦901年に起きました昌泰の変、つまり菅原道真の大宰府左遷から22年後の事となります。その創建も延暦寺は尊意僧正へ勅命を以て執り行うという大規模なものでした。

 日本最初の天満宮とも言われまして、かの北野天満宮よりも歴史は連綿と続いています。しかしその歴史の入り口、創建からわずか七年後、延長8年こと西暦930年に有名な清涼殿落雷事件が起きる事となります。醍醐天皇の心痛は大きく、三カ月後に崩御してしまう。

 天満宮は、しかし残りました。菅公は学問の神様となり、孝学堂という寺子屋が江戸時代にはここ水火天満宮の宮司自ら営まれまして、全国高校生駅伝がこの直ぐ北側を走る様子も、菅公は見守られているのでしょうか。なお創建当初は上京区上天神町あたりに在った。

 上御霊前上ル扇町、当地に遷座したのは意外と新しく昭和時代は1952年、堀川通りの拡幅工事の際に遷座されたとのこと。戦災に在った訳でもないのに安直に移動してしまうのか、と少し不思議に思うのですが戦後、二条城前の堀川通は米軍の簡易飛行場であったという歴史も。

 香る梅花ではなく枝垂桜なのか、天満宮と云えば梅と云う印象がありますのでふとそんな事も思うのですが、しかし存在感ある枝垂桜と透けて見上げる花々に青空という情景に感じ入ってみますと、春が来たのだなあと実感します。堀川通の多い交通量も適度な音響だ。

 桜花というものは不思議な空間を醸成します、それは実際に歩み進めれば毎年でも一年前の記憶を呼び覚ますようにこうであったねえと思い返すのですが、それでも不思議というものは毎年のように新鮮さを失いません。まず大路に面していても何故か静かなのですね。

 不思議な静寂、勝手に理解しているのですが、恐らく満々と広がる花々が左右前後上下、散りました花々の花弁さえも音を吸収しているのではないでしょうか、自動車の音も聞こえてこないのです。もっとも所謂花見の宴の場となりますと別の雑音が加わるのだけれど。

 妙醸す音、これは梅花でも当てはまるのですが無数の蜜蜂の羽音で満ちているのですね。蜂と云いますと刺してくる印象があるのかもしれませんが、それは巣を攻撃された際の行動でして、満開花々を巡る蜜蜂はまさに書き入れ時、見上げるわたしたちには構いません。

 梅花と桜花は、学術的には云々と比較するまえに、梅花の場合は独特の果実香が漂うところが、特に花梨のような林檎のような、風情がありまして、桜花か梅花か、休みの中心をどの季節にとり花見を嗜むのかというところで、また価値観が分れるのかもしれませんね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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