■臨時情報-ウクライナ情勢
ウクライナ上空に飛行制限空域設定を求める声が在りNATOはこの声に対しロシアとの開戦を意味する為に反対ではありましたが、現実は厳しいもよう。日本は此処から何を学ぶべきか。
制空権無き戦いに苦悩する各国義勇兵、ウクライナではこうした厳しい現状があるようです。ウクライナには正確な人数は発表されていませんが、非常に多くの義勇兵がアメリカやヨーロッパ、旧ソ連構成国や中央アジアや東南アジアに東アジアからも参加していると報じられています、そして多くの場合はアフガニスタンやイラクでの実戦経験がある。
しかし、実戦経験豊富と考えられた欧米からの義勇兵が、ウクライナ戦争という経験したイラクやアフガニスタンとは全く異なる戦争に苦戦しており、特に苦戦しているのは制空権が完全に掌握されている状況での戦闘経験が多くの場合に無いという点です。この為に開けた地形、ゲリラに攻撃されにくい立地が逆に航空攻撃に対し脆弱性があるということ。
イラク戦争ではイラク軍が航空機を温存した為に全く飛行せずアメリカを中心とした有志連合は航空攻撃を受ける事は無く、その後の武装勢力との治安作戦も相手に航空戦力は保有していません。アフガニスタンにおいても武装勢力タリバーンは航空部隊を有さない為、義勇兵の多くは実戦経験として、航空優勢の無い戦場への認識が無かったともいえます。
義勇兵部隊がロシア空爆により大打撃を受けたという話を側聞し、非常に残念な気持ちとなりました。詳細は戦後の検証を待つべきでしょうが、欧州とアメリカでは地上戦において航空優勢が既にない状況という認識で訓練を行っていた国は北欧の一部だけであり、北欧一部の義勇兵は航空攻撃を警戒し宿営地は対空疎開を考えるべきと主張したようです。
対空疎開というのは、要するに開けた地域にテントを並べる、アフガンやイラクでの宿営地方式とするのではなく、森林の中に塹壕、フィンランドの1930年代ソフィン戦争のマンネルハイムラインのような、空から木々に遮蔽された地域に塹壕を掘る方式です。時間と器材が有れば各種兵器をトンネル方式の掩砲所に退避させるという選択肢もあるのですが。
義勇兵宿営地は程せずしてロシア軍航空部隊の絨毯爆撃を受け壊滅的な被害を受けたとのこと。この真偽は繰り返しますが戦後の検証を待つべきです、しかし、開けた地形にテントを並べる、制空権の無い戦場では、ゲリラの近接攻撃を想定した宿営地は非常に脆弱性が高い事を示してしまい、大打撃を受け生存者の多くは帰国してしまった、とのことです。
航空優勢無き戦場、陸上自衛隊が普通科部隊の機械化を断念して地対空ミサイルに膨大な費用を注ぎ込む背景、なにしろ地対空ミサイル一個群の近代化費用で3個普通科連隊に73式装甲車を完全充足させられる費用、こうした背景には第二次世界大戦中に徹底した航空攻撃で損害を被り、空に対する防衛の重要性を痛感した事が編成に反映されているため。
アメリカでの日米合同演習でも、陸上自衛隊部隊が陣地で仮設敵より航空攻撃を受けた際に、陣地を固守して対空戦闘を実施した際に演習後の講評としてアメリカ側より、航空攻撃の最中に陣地を出て陣地変換し反撃すべきとの指摘があったようですが、捕捉された地上部隊が航空攻撃に独力反撃する事は現実的ではないとの自衛隊の認識があるのでしょう。
自衛隊の認識としては航空優勢が在るうちは着上陸は考えられず、地上戦を開始する時点では航空優勢が喪失しているという認識で、高射特科部隊に重点が置かれています。ウクライナ戦争での義勇兵部隊の犠牲という悲しい実情は、結果論ではあるのですが自衛隊の運用に関する認識が、戦訓としては実は正解であった事を示しているのかもしれません。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
ウクライナ上空に飛行制限空域設定を求める声が在りNATOはこの声に対しロシアとの開戦を意味する為に反対ではありましたが、現実は厳しいもよう。日本は此処から何を学ぶべきか。
制空権無き戦いに苦悩する各国義勇兵、ウクライナではこうした厳しい現状があるようです。ウクライナには正確な人数は発表されていませんが、非常に多くの義勇兵がアメリカやヨーロッパ、旧ソ連構成国や中央アジアや東南アジアに東アジアからも参加していると報じられています、そして多くの場合はアフガニスタンやイラクでの実戦経験がある。
しかし、実戦経験豊富と考えられた欧米からの義勇兵が、ウクライナ戦争という経験したイラクやアフガニスタンとは全く異なる戦争に苦戦しており、特に苦戦しているのは制空権が完全に掌握されている状況での戦闘経験が多くの場合に無いという点です。この為に開けた地形、ゲリラに攻撃されにくい立地が逆に航空攻撃に対し脆弱性があるということ。
イラク戦争ではイラク軍が航空機を温存した為に全く飛行せずアメリカを中心とした有志連合は航空攻撃を受ける事は無く、その後の武装勢力との治安作戦も相手に航空戦力は保有していません。アフガニスタンにおいても武装勢力タリバーンは航空部隊を有さない為、義勇兵の多くは実戦経験として、航空優勢の無い戦場への認識が無かったともいえます。
義勇兵部隊がロシア空爆により大打撃を受けたという話を側聞し、非常に残念な気持ちとなりました。詳細は戦後の検証を待つべきでしょうが、欧州とアメリカでは地上戦において航空優勢が既にない状況という認識で訓練を行っていた国は北欧の一部だけであり、北欧一部の義勇兵は航空攻撃を警戒し宿営地は対空疎開を考えるべきと主張したようです。
対空疎開というのは、要するに開けた地域にテントを並べる、アフガンやイラクでの宿営地方式とするのではなく、森林の中に塹壕、フィンランドの1930年代ソフィン戦争のマンネルハイムラインのような、空から木々に遮蔽された地域に塹壕を掘る方式です。時間と器材が有れば各種兵器をトンネル方式の掩砲所に退避させるという選択肢もあるのですが。
義勇兵宿営地は程せずしてロシア軍航空部隊の絨毯爆撃を受け壊滅的な被害を受けたとのこと。この真偽は繰り返しますが戦後の検証を待つべきです、しかし、開けた地形にテントを並べる、制空権の無い戦場では、ゲリラの近接攻撃を想定した宿営地は非常に脆弱性が高い事を示してしまい、大打撃を受け生存者の多くは帰国してしまった、とのことです。
航空優勢無き戦場、陸上自衛隊が普通科部隊の機械化を断念して地対空ミサイルに膨大な費用を注ぎ込む背景、なにしろ地対空ミサイル一個群の近代化費用で3個普通科連隊に73式装甲車を完全充足させられる費用、こうした背景には第二次世界大戦中に徹底した航空攻撃で損害を被り、空に対する防衛の重要性を痛感した事が編成に反映されているため。
アメリカでの日米合同演習でも、陸上自衛隊部隊が陣地で仮設敵より航空攻撃を受けた際に、陣地を固守して対空戦闘を実施した際に演習後の講評としてアメリカ側より、航空攻撃の最中に陣地を出て陣地変換し反撃すべきとの指摘があったようですが、捕捉された地上部隊が航空攻撃に独力反撃する事は現実的ではないとの自衛隊の認識があるのでしょう。
自衛隊の認識としては航空優勢が在るうちは着上陸は考えられず、地上戦を開始する時点では航空優勢が喪失しているという認識で、高射特科部隊に重点が置かれています。ウクライナ戦争での義勇兵部隊の犠牲という悲しい実情は、結果論ではあるのですが自衛隊の運用に関する認識が、戦訓としては実は正解であった事を示しているのかもしれません。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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