■臨時情報-北朝鮮核関連
ロシア軍ウクライナ侵攻に世界の耳目が集まる中で北朝鮮による弾道ミサイル実験が再開しICBM大陸間弾道弾級の試験も行われています、しかし続いて気に成る動きが。ミサイル防衛は大丈夫か。
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北朝鮮が2018年に爆破解体した北東部豊渓里の地下核実験場を再掘削している、アメリカの研究グループ”38ノース”による3月31日の衛星画像解析によりその兆候が判明しました。核実験の準備を行っているのか。3月24日にはアメリカ本土へ到達する大陸間弾道弾実験が再開され、緊張が高まっています。この問題は日本にとっても余所事でありません。
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日本上空を飛翔する弾道ミサイル実験の再開もそう遠くない事となるでしょう。具体的には北朝鮮が期しているミサイル開発はアメリカ本土への到達する射程が必要であり、三陸沖と云うよりはアリューシャン沖といえる距離へのミサイル発射実験が行われる可能性は否定できません、ただ、北朝鮮の核開発に際して大きな課題があります、それは弾頭です。
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弾頭の小型化に成功した、こうミサイル弾頭部分を報道公開し誇示する可能性はありますが、実際に搭載した小型化されている弾頭が核爆発を起こす事が可能なのかは、実際に実験しなければ証明できませんが、しかし、部分的核実験禁止条約等が締結される前の1960年代ならばともかく、2020年代には大気圏内での核実験を行う事は事実上不可能といえる。
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核爆発を太平洋上で引き起こす場合は、航行中の船舶被害や放射性降下物による広域汚染が不可避であり、アメリカなどに開戦の口実を与える事になります。ただ、核弾頭が確実にアメリカへ到達させ核爆発を引き起こす能力を誇示するには、現在の核不拡散条約下の核兵器国が部分的核実験禁止条約前に実施した試験を行えない現状は、隔靴掻痒でしょう、しかし。
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ロフテッド軌道。北朝鮮は当面は試験弾頭を搭載し、通常よりも高い高度まで上昇させ大陸間弾道軌道を再現する試験を行う事となるのでしょうが、同時にこのロフテッド軌道については幾つかの厳しい視点で視なければなりません、こう言いますのも昨今ロフテッド軌道により飛翔する弾道ミサイルに、世論として“またか”という慣れが在る為なのです。
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高高度核爆発。現実問題としまして、ロフテッド軌道という長い飛翔時間のミサイル実験は、ミサイルが落下する前に防衛省や海上保安庁が警戒情報を発令し、ニュース速報が入ります。仮に地上に落下する可能性がある場合や日本本土上空を飛翔する経路をとる場合にはJアラートがミサイル攻撃警報を発令します、しかし目的が高高度核爆発の可能性が。
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EMP核電磁パルス、落雷の数百分の一で過電流を半導体等に通電させ永久破壊するものですが、核攻撃に際して先行しミサイル防衛システムや民間データ通信網を破壊する為に、極めて高高度での大型核弾頭を爆発させる手順があります、日本のレーダーシステムやアメリカが日本国内へ展開させる警戒システム、その支援システムを狙う可能性があります。
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防衛用システムは、冷戦時代にはNATO規格として耐EMP規格があり、これも導線を金属被膜し半導体そのものを金属で覆う事でかなり防護する事が可能なのですが、民間システムにはここまでの配慮がありません、人工衛星とミサイルの再突入体では保護板の分離など飛行特性が違うのですが、ミサイル実験の場合は核弾頭か実験弾頭か判別出来ません。
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北朝鮮が奇襲的に日本をミサイル攻撃する事は、可能性としては低く、またEMP攻撃も続いて実施されるアメリカ本土への核攻撃へのかく乱が目的ですので可能性としてはさらに低くなります。しかし、ロフテッド軌道により日本を狙うよりも高い高度で日本付近の上空を飛翔する北朝鮮弾道弾は、こうした攻撃の第一段階という可能性が、常にあるのです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
ロシア軍ウクライナ侵攻に世界の耳目が集まる中で北朝鮮による弾道ミサイル実験が再開しICBM大陸間弾道弾級の試験も行われています、しかし続いて気に成る動きが。ミサイル防衛は大丈夫か。
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北朝鮮が2018年に爆破解体した北東部豊渓里の地下核実験場を再掘削している、アメリカの研究グループ”38ノース”による3月31日の衛星画像解析によりその兆候が判明しました。核実験の準備を行っているのか。3月24日にはアメリカ本土へ到達する大陸間弾道弾実験が再開され、緊張が高まっています。この問題は日本にとっても余所事でありません。
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日本上空を飛翔する弾道ミサイル実験の再開もそう遠くない事となるでしょう。具体的には北朝鮮が期しているミサイル開発はアメリカ本土への到達する射程が必要であり、三陸沖と云うよりはアリューシャン沖といえる距離へのミサイル発射実験が行われる可能性は否定できません、ただ、北朝鮮の核開発に際して大きな課題があります、それは弾頭です。
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核爆発を太平洋上で引き起こす場合は、航行中の船舶被害や放射性降下物による広域汚染が不可避であり、アメリカなどに開戦の口実を与える事になります。ただ、核弾頭が確実にアメリカへ到達させ核爆発を引き起こす能力を誇示するには、現在の核不拡散条約下の核兵器国が部分的核実験禁止条約前に実施した試験を行えない現状は、隔靴掻痒でしょう、しかし。
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ロフテッド軌道。北朝鮮は当面は試験弾頭を搭載し、通常よりも高い高度まで上昇させ大陸間弾道軌道を再現する試験を行う事となるのでしょうが、同時にこのロフテッド軌道については幾つかの厳しい視点で視なければなりません、こう言いますのも昨今ロフテッド軌道により飛翔する弾道ミサイルに、世論として“またか”という慣れが在る為なのです。
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高高度核爆発。現実問題としまして、ロフテッド軌道という長い飛翔時間のミサイル実験は、ミサイルが落下する前に防衛省や海上保安庁が警戒情報を発令し、ニュース速報が入ります。仮に地上に落下する可能性がある場合や日本本土上空を飛翔する経路をとる場合にはJアラートがミサイル攻撃警報を発令します、しかし目的が高高度核爆発の可能性が。
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EMP核電磁パルス、落雷の数百分の一で過電流を半導体等に通電させ永久破壊するものですが、核攻撃に際して先行しミサイル防衛システムや民間データ通信網を破壊する為に、極めて高高度での大型核弾頭を爆発させる手順があります、日本のレーダーシステムやアメリカが日本国内へ展開させる警戒システム、その支援システムを狙う可能性があります。
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防衛用システムは、冷戦時代にはNATO規格として耐EMP規格があり、これも導線を金属被膜し半導体そのものを金属で覆う事でかなり防護する事が可能なのですが、民間システムにはここまでの配慮がありません、人工衛星とミサイルの再突入体では保護板の分離など飛行特性が違うのですが、ミサイル実験の場合は核弾頭か実験弾頭か判別出来ません。
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北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)