■ヘリコプター搭載護衛艦くらま
祝賀飛行の特集までの幕間劇的に長くなってしまいましたが艦隊一斉回頭の写真と雑談を。
北大路機関創設当時でF-1支援戦闘機は、築城基地では運用されていましたし、F-4戦闘機からF-2支援戦闘機へ置き換わったばかりの時代、三沢基地は京都から更に遠く、観艦式以外には小牧基地航空祭や小松基地航空祭へ地上展示に飛来する機体以外には縁がなく、これはこれで貴重です。
F-2三機編隊は、試作機塗装ならば岐阜基地で見られるものですが、迷彩のF-2編隊飛行、当方が初めて見たのは霞目駐屯地の東北方面隊記念行事での松島基地第4航空団のF-2B戦闘機の編隊飛行で、要するに遥か遠い仙台市、それはそれは貴重な撮影の機会でした。
SH-60J,最新型のSH-60Kとこのころ漸くJ型とK型の世代交代が始まりまして、いや少し前にはHSS-2BとSH-60Jの歴史的な世代交代が終了しているのですが、こちらも時代の転換期といえます。HSS-2は人員輸送型で22名が搭乗できるといいますので、不思議に。
HSS-2の機内容積と比較しSH-60系統のS-70ヘリコプターは15名乗り、天井高さも限られていますのでHSS-2系統が運用終了へ向かうことはもったいなさを感じたものです。HSS-2は洋上にも着水可能で昔実際にHSS-2を飛行させていた方のお話を聞きますと。
HSS-2は操縦席足下の直ぐ近くに揺れる海面があるというものは思った以上に不思議なものとのことですが、運用の冗長性は確かにあった、わかりやすく言えばよい機体だ、ということでした。しかしSH-60については率直にパワーのある機体、という印象でして。
SH-60とHSS-2,操縦席からの操縦という意味ではSH-60系統のほうが出来ることが多い、という印象とも。SH-60Kは幾つかの革新的な技術を有しているとのことですが、AGM運用能力、つまりヘルファイア空対艦ミサイルの運用能力を付与された点が大きいでしょう。
実はSH-60Jについてもノルウェー製ペンギン空対艦ミサイルであればプログラムの書き換えで、これは数時間で出来るという、その搭載も可能だというのですが、ペンギンミサイルの自衛隊配備は為されていません、航空自衛隊のASM-1と重なる部分も多い為なのか。
ヘルファイア空対艦ミサイルには海上自衛隊が必要としていた新しい脅威への対処能力が持ち込まれています、それはミサイル艇対処という。ミサイル艇は元々その発達が5インチ砲を搭載できない小型舟艇に駆逐艦相応の打撃力を付与する、そんな水準のものでした。
5インチ砲の代用からはじまったミサイル艇、もしくは魚雷艇の運用から延長線上に考えたものですが、大型水上戦闘艦艇にたいして行動を制約させるという意味で重大な影響を及ぼします。しかしミサイル艇にはほぼ自衛用高射火器を除いて防空能力がありません。
ミサイル艇の弱点はここで、高度な火器管制装置と対空レーダ装置を搭載しますと、コルベットになり費用面でも運用面でも負担となり、大きくなればそのぶんだけ速力が落ちてゆく。SH-60K哨戒ヘリコプターはそうした目標をレーダーで50km以遠で捕捉できる。
SH-60K哨戒ヘリコプターは捕捉した目標に対し相手の防護手段の無い十数kmを隔てて一気にヘルファイアミサイルによる攻撃を加え複数を無力化する、という運用で機能します。観艦式というものはこうした航空機を一挙に見る事が出来る、貴重な機会でもある。
こうしたかたちで、艦艇の一斉回頭は終わり訓練展示となります。ただ、本特集としましてはEOS-40DとEOS-50Dの二台のカメラに18-200mmと120-400mmのレンズを使い分けていた時代、次回の掲載では少しだけもう一方の器材の写真を紹介する事となります。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
祝賀飛行の特集までの幕間劇的に長くなってしまいましたが艦隊一斉回頭の写真と雑談を。
北大路機関創設当時でF-1支援戦闘機は、築城基地では運用されていましたし、F-4戦闘機からF-2支援戦闘機へ置き換わったばかりの時代、三沢基地は京都から更に遠く、観艦式以外には小牧基地航空祭や小松基地航空祭へ地上展示に飛来する機体以外には縁がなく、これはこれで貴重です。
F-2三機編隊は、試作機塗装ならば岐阜基地で見られるものですが、迷彩のF-2編隊飛行、当方が初めて見たのは霞目駐屯地の東北方面隊記念行事での松島基地第4航空団のF-2B戦闘機の編隊飛行で、要するに遥か遠い仙台市、それはそれは貴重な撮影の機会でした。
SH-60J,最新型のSH-60Kとこのころ漸くJ型とK型の世代交代が始まりまして、いや少し前にはHSS-2BとSH-60Jの歴史的な世代交代が終了しているのですが、こちらも時代の転換期といえます。HSS-2は人員輸送型で22名が搭乗できるといいますので、不思議に。
HSS-2の機内容積と比較しSH-60系統のS-70ヘリコプターは15名乗り、天井高さも限られていますのでHSS-2系統が運用終了へ向かうことはもったいなさを感じたものです。HSS-2は洋上にも着水可能で昔実際にHSS-2を飛行させていた方のお話を聞きますと。
HSS-2は操縦席足下の直ぐ近くに揺れる海面があるというものは思った以上に不思議なものとのことですが、運用の冗長性は確かにあった、わかりやすく言えばよい機体だ、ということでした。しかしSH-60については率直にパワーのある機体、という印象でして。
SH-60とHSS-2,操縦席からの操縦という意味ではSH-60系統のほうが出来ることが多い、という印象とも。SH-60Kは幾つかの革新的な技術を有しているとのことですが、AGM運用能力、つまりヘルファイア空対艦ミサイルの運用能力を付与された点が大きいでしょう。
実はSH-60Jについてもノルウェー製ペンギン空対艦ミサイルであればプログラムの書き換えで、これは数時間で出来るという、その搭載も可能だというのですが、ペンギンミサイルの自衛隊配備は為されていません、航空自衛隊のASM-1と重なる部分も多い為なのか。
ヘルファイア空対艦ミサイルには海上自衛隊が必要としていた新しい脅威への対処能力が持ち込まれています、それはミサイル艇対処という。ミサイル艇は元々その発達が5インチ砲を搭載できない小型舟艇に駆逐艦相応の打撃力を付与する、そんな水準のものでした。
5インチ砲の代用からはじまったミサイル艇、もしくは魚雷艇の運用から延長線上に考えたものですが、大型水上戦闘艦艇にたいして行動を制約させるという意味で重大な影響を及ぼします。しかしミサイル艇にはほぼ自衛用高射火器を除いて防空能力がありません。
ミサイル艇の弱点はここで、高度な火器管制装置と対空レーダ装置を搭載しますと、コルベットになり費用面でも運用面でも負担となり、大きくなればそのぶんだけ速力が落ちてゆく。SH-60K哨戒ヘリコプターはそうした目標をレーダーで50km以遠で捕捉できる。
SH-60K哨戒ヘリコプターは捕捉した目標に対し相手の防護手段の無い十数kmを隔てて一気にヘルファイアミサイルによる攻撃を加え複数を無力化する、という運用で機能します。観艦式というものはこうした航空機を一挙に見る事が出来る、貴重な機会でもある。
こうしたかたちで、艦艇の一斉回頭は終わり訓練展示となります。ただ、本特集としましてはEOS-40DとEOS-50Dの二台のカメラに18-200mmと120-400mmのレンズを使い分けていた時代、次回の掲載では少しだけもう一方の器材の写真を紹介する事となります。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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