北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ウクライナ情勢-ロシア太平洋艦隊日本海及びオホーツク海にて演習開始,ロシアGPS電波妨害北大西洋上空旅客機航路にも

2024-06-24 07:00:17 | 国際・政治
■防衛情報-ウクライナ戦争
 政府は舞鶴地方隊と大湊地方隊の総監部廃止による海上自衛隊司令官ポスト新設を考えているようですが、この状況でそんなことやったら日本海をロシアの聖域にすることを容認しかねない。

 ロシア太平洋艦隊は日本海及びオホーツク海において演習を開始しました。これはロシア国防省が発表したもので、訓練は18日から今月28日まで、演習規模は潜水艦と水上戦闘艦や支援艦船をあわせて40隻と航空機が20機とのこと。演習海域は一部太平洋地域まで伸びるとの事で、対潜戦闘や無人機対処、またミサイル射撃訓練も行うとのこと。

 ロシア軍はバルト海などではスウェーデンとフィンランドのNATO加盟により演習を行えば対抗演習により封じ込められる懸念があり、北海での訓練は稼働艦艇の問題が、黒海艦隊はウクライナとの戦闘で壊滅状態にあり、この為にプーチン大統領北朝鮮訪問等に併せ太平洋方面において日米などに対して示威的な行動をとったとも解釈できます。
■ハリコフ州のフリボケを奪還
 弾薬供給再開による効果とも見て取れるのですが本邦の弾薬備蓄強化への予算措置も必要な手段であったと再認識する要素だ。

 ウクライナ軍はハリコフ州のフリボケを奪還した模様である、ISWアメリカ戦争研究所が6月18日に発表したところによればウクライナ軍は無人機を大量に歩兵支援に投入しリプティシ北方にあるフリボケのロシア軍陣地を制圧し奪還、フリボケにおいて戦闘が続いているとしています。一方、ハリコフ州以外ではロシア軍の前進が進んでいる。

 アウディイフカ周辺ではロシア軍が暫時前進を継続していて、ヴォフチャンスク中心部のアグリゲートプラント内まで浸透、ヤスノブロディフカ東方でも攻撃を継続いているとのこと。アウディイフカ周辺ではノヴォオレクサンドリウカ村を制圧したばかりであり、ロシア軍の攻撃軸はアウディイフカ周辺を中心に展開している事が読み取れます。
■ロシア軍のGPS電波妨害
 台湾有事の際などにはこうした状況もあるのだろうかと考えつつこれがかりに嫌がらせ的な行動であった場合には北海道周辺で明日にでも起こりうることなのか。

 ロシア軍のGPS電波妨害が北大西洋上空旅客機航路にも影響を及ぼし始めている、ISWアメリカ戦争研究所6月19日付ウクライナ戦況報告によれば、大西洋北東部のスコットランドからアイスランド南西までの国際空域を管轄するシャンウィック大洋管制が、ATC航空交通管制通信において、GPS電波妨害をはじめて観測したと発表しました。

 シャンウィック大洋管制が観測したGPS電波妨害は航空管制に影響するほどのものではないとのことですが、既にバルト海沿岸諸国ではロシアの沿バルト海地域におけるGPS電波妨害の影響が確認されるとのこと。ロシア軍はウクライナ軍無人機攻撃を警戒しGPS妨害を実施していますが、影響が周辺国を超えて北大西洋でも確認されたかたち。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【日曜特集】第1特科団創設62... | トップ | 【防衛情報】X-62A-VISTA無人... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (二読者)
2024-06-25 21:57:27
>政府は舞鶴地方隊と大湊地方隊の総監部廃止による海上自衛隊司令官ポスト新設を考えているようですが、この状況でそんなことやったら日本海をロシアの聖域にすることを容認しかねない。

更新お疲れ様です。
日々参考にさせていただいておりますが、今回のように時折冷静さを欠いてはいまいかと思わざるを得ないことがあります。
大湊と舞鶴の総監部の管理機能は確かに他総監部に統合されますが、実戦部隊の規模と基地支援機能はそのまま維持されると一般報道でも明らかにされてます。
したがって警戒監視その他の能力もそのまま維持されるので、日本海がロシアの聖域になることはあり得ないです。

別件のスタンドオフミサイル配備についても、事実上の本土決戦から相手国内陸都市への直接打撃への転換と評されていましたが、これも少々飛躍し過ぎであると思料します。
長々と駄弁失礼しましたが、一考していただければ幸いです。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

国際・政治」カテゴリの最新記事