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ウクライナ情勢-ロシア軍のFAB-3000-M-54滑空爆弾とクリミア半島のロシア防空能力低下

2024-06-26 07:00:44 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 ウクライナ情勢に関する話題を三つ。

 ロシア軍のFAB-3000-M-54滑空爆弾について。ISWアメリカ戦争研究所6月20日付戦況報告によれば、ロシア国防省はFAB-3000-M-54滑空爆弾の使用状況を大々的に報道公開しました。FAB-3000-M-54滑空爆弾の映像は目標から10m離れたところに着弾したが、大威力により標的を破壊する様子を映したものとしています。

 FAB-3000-M-54滑空爆弾はロシア軍が最近ウクライナ軍前線基地に投入し、本来精密誘導爆弾は威力を祖敢えて不随被害を抑えることが目的の装備ですが、ロシア軍は遠距離からの適当な投下であっても目標を破壊させるために大威力のものを誘導しているもよう。前線基地のほか、前線付近のインフラ破壊にも多用され壊滅的威力とのこと。■

 ロシア空軍はミサイル攻撃の標的をウクライナ空軍基地に切り替えた、6月20日付イギリス国防省ウクライナ戦況報告に記されたところによれば、6月12日から18日にかけ戦略爆撃機からの長距離巡航ミサイル攻撃をウクライナの都市部への無差別攻撃や発電所などのインフラ攻撃には用いず、ウクライナ空軍の基地へ転換したもよう。

 F-16戦闘機のウクライナ供与が近いと考えられる現在にロシア空軍は、先ず飛行場だけでも叩いておきたいという認識の表れと解釈できるとともに、もう一つはウクライナ空軍によるロシア空軍基地攻撃が立て続けに成功していることから、ロシア軍もウクライナ空軍企図を叩かなければ面子が立たないためと解釈できる可能性もあります。■

 クリミア半島のロシア防空能力低下がさらに進んでいる、6月20日付イギリス国防省ウクライナ戦況報告によれば、ウクライナ軍はクリミア半島のロシア軍S-300地対空ミサイルとさらに高性能というS-400地対空ミサイルをATACMS戦術ミサイルにより破壊した事で、ロシア軍のクリミア防空を一層窮地に追い込んでいると分析できる。

 S-300地対空ミサイル、S-400地対空ミサイルについては全損ではなく修理可能と考えられるものの、修理までの期間は見通せず、現状のままであれば防空は劣勢のまま、ほかの地域から地対空ミサイルを転用するにも引き抜ける地域が無く、航空部隊を置く事ができずクリミア半島駐留部隊の空からの攻撃に対する無防備が続く可能性がたかい。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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