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北朝鮮弾道ミサイル演習-6月5日発射ミサイルは過去発射の短距離弾道弾と超大型ロケット弾か,防衛省発表

2022-06-08 07:00:36 | 防衛・安全保障
■臨時情報-北朝鮮ミサイル
 日曜日の朝に速報がありました北朝鮮ミサイル演習にはひやりとさせられたものですが、この程防衛省はそのミサイル演習の分析結果を公表しました。

 防衛省は北朝鮮が6月5日に発射した弾道ミサイルについて、過去に発射した短距離弾道弾や超大型ロケット砲と呼ばれる短距離弾道ミサイルと同型であるとの見方を示しました。超大型ロケット砲は北朝鮮ではKN-25シリーズなど600mmクラスのロケット弾と自走式発射装置を複数開発していて、これらを大口径操縦放射砲として北朝鮮は命名しています。

 KN-25ロケット弾は弾頭付近に小翼が確認されており、安定翼というよりは誘導型と考えられるものです、過去の実験では400km近く飛翔したものもあれば200km程度の射程に抑えられた実験があり、クラスター弾頭型や単一弾頭型など弾頭威力と推進薬の比重を変えた幾つかの派生型があると思われます。敢えて日本に届かないミサイルを選んだのか。

 岸防衛大臣は、今回のミサイル発射について、少なくとも三か所から極めて短時間に多数が発射された事は過去に例が無く容認できない、と発言した。一方、このミサイル発射に対して米韓はATACMS陸軍戦術ミサイルを8発発射し、所謂、対抗演習を実施しました。これは言い換えればKN-25とATACMSが南北で同程度装備と考えられているともいえる。

 ミサイルならばすべて禁止だ、という発想は行き過ぎのようにも思えまして、例えば過去には北朝鮮軍がシルクワーム地対艦ミサイル、第一世代の中国製地対艦ミサイルを発射した時代にも、当時は金正日政権時代でしたが、北朝鮮のミサイル実験として日本国内では報道も政治も否定的に報じた事がありました。すると北朝鮮はどこまで兵器を持てるのか。

 日本を射程に収める准中距離弾道弾以上の兵器となりますと、日本にも脅威が及びますが、今回試験されたもので超大型ロケット弾に当るものといえば、韓国もATACMS陸軍戦術ミサイルをアメリカから導入していますし、自衛隊のMLRSもATACMSさえ購入するならばそのまま射撃可能です、すると自衛の目的を超える水準ではないとも云えるのでは、と。

 自衛隊の導入計画があるスタンドオフミサイルは射程は1000kmに迫り、島嶼部防衛用極超音速滑空弾も射程は2000km前後となる想定、すると日本は保有できるが貴国は認めない、という不合理ではなく、弾道ミサイルの定義に含めるかが難しい大型ロケット弾などについては、国連制裁の定義に含まれるのか定義外か、そろそろ明確とするべきでしょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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