北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

掃海艇うくしま-火災事故により沈没,事故現場は福岡県宗像市沖2km-高速13号艇以来の艦艇損失事故

2024-11-12 07:00:53 | 防災・災害派遣
■うくしま沈没!
 非常に残念な事故です。

 海上自衛隊の掃海艇うくしま、が11月11日、火災事故により沈没しました。うくしま、火災事故は11月10日0940時ころ、福岡県宗像市沖2kmを航行中、エンジン部分から出火、海上保安庁へ火災発生を通報するとともに消火に努め、また同じ第43掃海隊所属の掃海艇とよしま、うくしま船体に接舷し、消火支援や負傷者救助等を実施しています。  

 負傷者1名と行方不明者1名、負傷者については海上保安庁巡視船により宗像市の漁港へ搬送され救急車により病院へ搬送されたものの、生命に別条はないとの事です。ただ、行方不明者は火元とされるエンジンルームにいたと見られ、現在も発見されていません。火災は1400時ころ、一時鎮火したものの1450時頃、再度延焼し消火不能となりました。

 総員離艦命令が艇長より発生られたのは1545時、離艦に際しては走錨防止のために投錨などの措置が取られ、行方不明者を除く全員が僚艦とよしま移乗、こののちも海上保安庁巡視船による消火作業が試みられましたが、2200時頃には特徴的な二本の煙突が焼損、明けて11日0050時頃、転覆しました。転覆により鎮火したものの0834時、遂に沈没する。

 事故原因は調査委員会発足間もない為不明ですが、掃海艇という特性上、磁気機雷などの探知を避けるため船体は木造、ベイマツが船体構造物として用いられたため、浮力があり松脂による密閉性は高いものの、木材の弱点として焼損するという特性は避けられず、結果的に沈没という事となりました。艦艇沈没事故は1966年の高速13号艇爆発事故以来だ。

 高速13号爆発事故は、航空機救難に当る高速艇という特性上、ガソリンエンジンを搭載しており、これが爆発の原因となりましたが、この事故では死者は出ていません。ベイマツは油脂を含み燃えやすく、一方、すがしま型掃海艇エンジンルームは当直員が配置されない設計であり、今回の事故の際には非常に残念な事ですが、ここに隊員がいた可能性が。

 うくしま。すがしま型掃海艇の6番艇で、すがしま型はペルシャ湾機雷掃海任務派遣等を受け最新の機雷に対し戦後海上自衛隊が戦時中戦後の遺棄機雷を相手とした実任務用の装備が必ずしも有効では無い事が判明、イギリス製機雷戦装置やフランス製機雷掃討機具を導入するなど新機軸の艦艇として12隻が建造、うち3隻が老朽化を受け除籍されています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【防衛情報】国際航空宇宙展2... | トップ | 【M-5撮影特報】岐阜基地航空... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

防災・災害派遣」カテゴリの最新記事