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【防衛情報】国際航空宇宙展2024,川崎重工国産巡航ミサイル開発状況と全通飛行甲板型護衛艦用カタパルト

2024-11-11 20:23:33 | 先端軍事テクノロジー
■防衛フォーラム
 国際航空宇宙展2024の話題です。

 川崎重工は国産巡航ミサイルの開発状況を公開しました。東京ビッグサイトにて開催された国際航空宇宙展2024において川崎重工ブースでは、巡航ミサイルの模型が展示、このミサイルは12式地対艦誘導弾システムの延長線上として開発されているものですが、射程は極めて大幅に延伸し、2500km、射程では中国内陸部へ届くものとなる計画です。

 島嶼部防衛用新対艦誘導弾、開発名称はこのようになっており海上目標を狙うものである展が示唆されていますが、日本版トマホークという位置づけの装備でもあり、特に自衛隊は暫定的な装備としてアメリカより導入するトマホーク400発に続いて本格的なミサイルとして量産を開始するもよう。トマホーク導入は予定より前倒しされているところ。

 川崎重工はこのミサイルへ独自開発したKJ-300エンジンを搭載しています。KJ-300といいますと中国の装備品を思わせる名称ですが、川崎重工が独自開発したターボファンエンジンで重量90kgで水力は365kgf、亜音速により巡航するものとしています。防衛省は2024年度予算にこのミサイルの開発費としまして新たに323億円を計上しています。■

 川崎重工の巡航ミサイルについて、川崎重工はこのミサイルは超音速巡航は行わない亜音速型のミサイルであるとしながら、従来の国産ミサイルと比較し、低RCS構造、つまりステルス性を有する構造であるとしました。また同時に、搭載するKJ-300エンジンは二軸推進法式を採用しており、高い機動性を持つものであるとも説明しています。

 三菱重工は現在12式地対艦誘導弾の改良型を開発していますが、興味深いのは防衛省が12式地対艦誘導弾の改良型を当面の装備として射程を900kmに延伸したものを開発し早期に装備化を目指すとともに、さらに1500kmに延伸するものを開発するほうしんですが、これらは三菱重工が開発するもので、川崎重工はまた別枠で開発しているということ。

 2024年度から施策を研究開発段階に進め2027年度から量産配備に移行する計画ですが、三菱重工の開発するものと川崎重工が開発するものは同時期に開発計画が進められており、このために射程が1500kmであるのか2500kmであるのかの情報が錯綜していましたが、二つの装備を並行して開発しているということが改めて展示でしめされた構図です。■

 川崎重工は護衛艦に搭載可能となるカタパルト方式を発表しました。東京ビッグサイトにて執り行われました国際航空宇宙展において川崎重工はGIGA-CELLバッテリーを用いた電磁カタパルトによる全通飛行甲板型護衛艦からの固定翼機発進を提案、その概念図としてはヘリコプター搭載護衛艦いずも型とおもわれる艦と戦闘機がえがかれていました。

 GIGA-CELLバッテリーはニッケル金属ハイブリッド方式のバッテリーとして提案され得ていて、36Vと150Ah、最大出力は108kwという数字が示されていました。特筆すべき点はこの重量が240kgという点で、イメージ図では艦内に大量のバッテリーユニットを収容する区画を提案、数十個単位を積むことで大電力を発揮する方式とのこと。

 カタパルトはイメージ図では発艦のようすが示されていますが、カタパルト部分からは白煙が描かれ、蒸気カタパルトであるのか電磁カタパルトであるのか、前者をおもわせる構図となっています。描かれている戦闘機はステルス機ですが、全幅からF-35Bとは異なる機種が描かれていて、VTOL機能をもたない艦載機の運用を想定してるもよう。■

 アメリカのゼネラルアトミクス社は護衛艦搭載無人機を提案しました。これは東京ビッグサイトにて開催された国際航空宇宙展2024でのゼネラルアトミクス社ブースでの展示となっていまして、イメージ図には183、と艦番号を記した護衛艦、いずも艦番号が183ですが艦首形状が若干改造され肉厚となっている構造の護衛艦が描かれていました。

 ゼネラルアトミクス社では、いずも艦上に二本のラインが描かれたCGに、滞空型ではなく主翼の全幅を狭めた無人航空機2機を並べた構造を提案し、これはF-35B戦闘機よりも小型の無人航空機を2機同時に運用する能力を示しているものと思われます。甲板上にはこのほか、E-2D早期警戒機やF-35B戦闘機が描かれ、E-2Dを描いた意図は不明です。

 MQ-9リーパー無人航空機を開発したゼネラルアトミクス社では、トルコのバイラクタル社がTB-2無人機の艦載型を開発したことを受け、MQ-9無人機の艦載機型を開発する方針を示しており、航空母艦では無く強襲揚陸艦などからの運用を提案していますが具体的配備計画には結びついておらず、今回新型機を日本へ売り込むこととしたもようです。

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