■受閲部隊続々海を往く
本日は十二月八日で私の誕生日なのですが本日は観艦式を少々前回より間が空きましたが紹介しましょう。
くらま、へ敬礼する掃海艇あいしま。すがしま型はUSC京浜事業所鶴見工場で建造された木造掃海艇で、本型は1991年ペルシャ湾機雷戦という実戦を経て第二次大戦型磁気機雷との性能差を痛感、各国で導入実績あるフランス製PAP-104機雷処分具を初採用しました。
ペルシャ湾機雷戦は朝鮮戦争以来初の実戦経験となりましたが、40年の機雷技術発展は著しく、機雷処分器具の画像伝送と掃海艇からのソナー機雷探知では新鋭の低視認性機雷には発見が難しく、海底潮流や泥等視界悪環境下では当時日本製の装備は苦戦を強いられる。
あただ型掃海艇、たかみ型掃海艇、と自衛隊は長く掃海艇を建造し、また第二次大戦中の米軍遺棄機雷や日本軍遺棄機雷処理を通じ長く実戦を経験した自負がありましたが、湾岸戦争、実戦の洗礼を受けて以来、海外装備研究や共同訓練を重視するようになりました。
ましゅう。満載排水量25000tの総合補給艦で、艦長は品川隆1佐、元砕氷艦しらせ艦長で南極にも行きました。受閲艦艇部隊第6群として補給艦ましゅう(AOE-425護衛艦隊直轄-第1海上補給隊)と輸送艦おおすみ(LST-4001護衛艦隊直轄-第1輸送隊)等やってきました。
補給艦の任務は燃料や弾薬食料部品等を補給する。受閲艦艇部隊第6群は更にエアクッション艇1号(LCAC-2101護衛艦隊直轄-第1輸送隊-第1エアクッション艇隊)とエアクッション艇2号(LCAC-2102護衛艦隊直轄第1輸送隊-第1エアクッション艇隊)が続いて行く。
ましゅう、おうみ、と建造された本型は主燃料と航空燃料等燃料10000t、固形補給品は冷凍冷蔵倉庫や弾薬庫を有しており、艦内の補給倉庫群は左右両舷にフォークリフト用レールと大型ベルトコンベア通路を備えており、補給作業の迅速化と自動化に寄与しています。
いずも型ヘリコプター搭載護衛艦の満載排水量27000tが就役するまで、ましゅう型補給艦は海上自衛隊最大の自衛艦でした。つまり、この2009年の観艦式では本型が最大でした。ましゅう型就役までは砕氷艦しらせ、が最大。品川艦長が前に艦長を務めていた艦ですね。
おおすみ、艦長田邉明彦1佐が指揮します、田邉艦長は後に護衛艦ひゅうが二代目艦長へ。LST-4001おおすみ、現在は掃海隊群第1輸送隊に所属しています。外見から初見の方には何をするのか分り難い艦ですが、ドック型輸送艦、艦内に揚陸艇を収容するドックを持つ。
ましゅう基準排水量は13500tで満載排水量25000t、おおすみ型は基準排水量8900tで満載排水量14000t、先程の護衛艦ひゅうが、は基準排水量13500tで満載排水量19000tです。排水量というおのはその船を巨大な水槽に入れた際に押し出されて排水される水の重さ。
くらま、おおすみ。おおすみ型輸送艦は基準排水量2000t満載排水量4000tの輸送艦みうら型後継として建造されました、当初は海岸線に直接揚陸する方式の揚陸艦で基準排水量3000t程度を見込んでいましたが、この方式は古いとされ、ドック型揚陸艦を目指す事に。
おおすみ型、5500t程度を考えるも戦車が輸送出来ず、7500t型へ。そこでアメリカ製エアクッション揚陸艇を搭載する方式が示され、8900t型となりました。当初検討では15500t型も検討されたといわれるのですが、流石に2000t艦後継には大きすぎるとして、見送り。
連隊戦闘団90式戦車14両と人員2000名を、おおすみ型3隻で輸送する計画でした。海上自衛隊へは長年、連隊戦闘団同時輸送力の整備が求められている。ただ、普通科連隊の自動車化や小型化と一定せず、現在は増強普通科中隊戦闘群を輸送する、と説明できる。
くらま、LCAC。輸送艦おおすみ(LST-4001護衛艦隊直轄-第1輸送隊)に続き、エアクッション艇1号(LCAC-2101護衛艦隊直轄-第1輸送隊-第1エアクッション艇隊)エアクッション艇2号(LCAC-2102護衛艦隊直轄第1輸送隊-第1エアクッション艇隊)が観閲に臨む。
エアクッション艇1号型は輸送艦おおすみ型搭載艇として6隻が整備されましたアメリカ製の揚陸艇です。当初は搭載艇扱いですが、現在は独立した輸送艇という扱いであり、自衛艦籍にある数少ない輸入艦艇、といえるかもしれません。一隻当たり90億円というもの。
LCACは標準54t、最大68tの装備を揚陸させるもので、アメリカ陸軍のM-1A2戦車が68t、我が国10式戦車が44tで、96式装輪装甲車は4両載る。速力は回航時70kt、54t搭載時40ktと68t搭載時30kt、航続距離は54t搭載時に35ktで300浬、40ktで200浬という。
ホバークラフト方式であり荒天時でも航行が可能であるほか、全世界の80%の海岸線に揚陸できるといい、基本的に沖合96kmという地対艦ミサイルの視程外から発進し、上陸します。アメリカ海兵隊はLAV-25軽装甲車3輌とハンヴィー高機動車6両をこれに詰め込む。
二年後の東日本大震災、LCACと哨戒ヘリコプター搭載艦が無ければ、犠牲者は枚以上になっていた、と当時の吉川横須賀地方総監が回顧するほどに重要な役割を有しており、津波被災地へ巨大な輸送力を発揮し、孤立被災者救助と救援物資沿岸部輸送に活躍している。
くらま、くまたか。受閲艦艇部隊第7群は哨戒艦艇部隊です、ミサイル艇くまたか(PG-827余市防備隊-第1ミサイル艇隊)とミサイル艇おおたか(PG-826佐世保警備隊-第3ミサイル艇隊)の2隻が展開して参りました。いろいろ言われるミサイル艇ですが、在って良かった。
おおたか。はやぶさ型ミサイル艇は満載排水量240t、射程180kmのSSM-1対艦ミサイルを搭載し航空機等の情報に連接し一撃離脱を図る。76mm艦砲を搭載し哨戒任務にも当れ、昨今は遥かに巨大なロシア軍ミサイル巡洋艦等周辺海域出現へも監視任務へ当っています。
くまたか、あたご。大きさは二桁違う。一番艇はやぶさ配備当時、京都新聞は三面に大きな記事を掲載したのを覚えています、あの頃は北朝鮮工作船が跋扈し、対戦車ロケットや対空ミサイルを搭載、海上保安庁巡視船では対処に限界を感じていました、心強かった。
能登半島不審船事件、1998年に北朝鮮からの国籍不明線2隻が海上保安庁の追尾を振りきり、初の海上警備行動命令が下令、ヘリコプター搭載護衛艦はるな、ミサイル護衛艦みょうこう、護衛艦あぶくま、が追尾し緊張が。ミサイル艇は小型で用途は限定、でも必要だ。
あぶくま、おおたか。ミサイル艇は用途が限られるとの批判、速力44ktと高速ですが、レーダー等は最小限で単体での用途は限定されます、防空装備は艦砲だけで対艦ミサイルを搭載するヘリコプターからは陸上の地対空ミサイル部隊支援下へ逃げ込むしかありません。
軍艦とは時代の要請が反映されるもの。ミサイル艇に代わり北朝鮮武装工作船へは管制式40mm機関砲を備えた海上保安庁高速巡視船とAGM-114ミサイルを搭載するSH-60K哨戒ヘリコプターが現代は対応し、はやぶさ型ミサイル艇後継には大型の哨戒艦が当ります。
P-3C哨戒機2機編隊が飛来、閲艦艇部隊第1群として護衛艦部隊、第2群として護衛艦部隊、第3群として護衛艦部隊、第4群として潜水艦部隊、隊第5群として掃海艇部隊、第6群として支援部隊、第7群として哨戒部隊、その式が完了し、いよいよ祝賀飛行が始まる。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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本日は十二月八日で私の誕生日なのですが本日は観艦式を少々前回より間が空きましたが紹介しましょう。
くらま、へ敬礼する掃海艇あいしま。すがしま型はUSC京浜事業所鶴見工場で建造された木造掃海艇で、本型は1991年ペルシャ湾機雷戦という実戦を経て第二次大戦型磁気機雷との性能差を痛感、各国で導入実績あるフランス製PAP-104機雷処分具を初採用しました。
ペルシャ湾機雷戦は朝鮮戦争以来初の実戦経験となりましたが、40年の機雷技術発展は著しく、機雷処分器具の画像伝送と掃海艇からのソナー機雷探知では新鋭の低視認性機雷には発見が難しく、海底潮流や泥等視界悪環境下では当時日本製の装備は苦戦を強いられる。
あただ型掃海艇、たかみ型掃海艇、と自衛隊は長く掃海艇を建造し、また第二次大戦中の米軍遺棄機雷や日本軍遺棄機雷処理を通じ長く実戦を経験した自負がありましたが、湾岸戦争、実戦の洗礼を受けて以来、海外装備研究や共同訓練を重視するようになりました。
ましゅう。満載排水量25000tの総合補給艦で、艦長は品川隆1佐、元砕氷艦しらせ艦長で南極にも行きました。受閲艦艇部隊第6群として補給艦ましゅう(AOE-425護衛艦隊直轄-第1海上補給隊)と輸送艦おおすみ(LST-4001護衛艦隊直轄-第1輸送隊)等やってきました。
補給艦の任務は燃料や弾薬食料部品等を補給する。受閲艦艇部隊第6群は更にエアクッション艇1号(LCAC-2101護衛艦隊直轄-第1輸送隊-第1エアクッション艇隊)とエアクッション艇2号(LCAC-2102護衛艦隊直轄第1輸送隊-第1エアクッション艇隊)が続いて行く。
ましゅう、おうみ、と建造された本型は主燃料と航空燃料等燃料10000t、固形補給品は冷凍冷蔵倉庫や弾薬庫を有しており、艦内の補給倉庫群は左右両舷にフォークリフト用レールと大型ベルトコンベア通路を備えており、補給作業の迅速化と自動化に寄与しています。
いずも型ヘリコプター搭載護衛艦の満載排水量27000tが就役するまで、ましゅう型補給艦は海上自衛隊最大の自衛艦でした。つまり、この2009年の観艦式では本型が最大でした。ましゅう型就役までは砕氷艦しらせ、が最大。品川艦長が前に艦長を務めていた艦ですね。
おおすみ、艦長田邉明彦1佐が指揮します、田邉艦長は後に護衛艦ひゅうが二代目艦長へ。LST-4001おおすみ、現在は掃海隊群第1輸送隊に所属しています。外見から初見の方には何をするのか分り難い艦ですが、ドック型輸送艦、艦内に揚陸艇を収容するドックを持つ。
ましゅう基準排水量は13500tで満載排水量25000t、おおすみ型は基準排水量8900tで満載排水量14000t、先程の護衛艦ひゅうが、は基準排水量13500tで満載排水量19000tです。排水量というおのはその船を巨大な水槽に入れた際に押し出されて排水される水の重さ。
くらま、おおすみ。おおすみ型輸送艦は基準排水量2000t満載排水量4000tの輸送艦みうら型後継として建造されました、当初は海岸線に直接揚陸する方式の揚陸艦で基準排水量3000t程度を見込んでいましたが、この方式は古いとされ、ドック型揚陸艦を目指す事に。
おおすみ型、5500t程度を考えるも戦車が輸送出来ず、7500t型へ。そこでアメリカ製エアクッション揚陸艇を搭載する方式が示され、8900t型となりました。当初検討では15500t型も検討されたといわれるのですが、流石に2000t艦後継には大きすぎるとして、見送り。
連隊戦闘団90式戦車14両と人員2000名を、おおすみ型3隻で輸送する計画でした。海上自衛隊へは長年、連隊戦闘団同時輸送力の整備が求められている。ただ、普通科連隊の自動車化や小型化と一定せず、現在は増強普通科中隊戦闘群を輸送する、と説明できる。
くらま、LCAC。輸送艦おおすみ(LST-4001護衛艦隊直轄-第1輸送隊)に続き、エアクッション艇1号(LCAC-2101護衛艦隊直轄-第1輸送隊-第1エアクッション艇隊)エアクッション艇2号(LCAC-2102護衛艦隊直轄第1輸送隊-第1エアクッション艇隊)が観閲に臨む。
エアクッション艇1号型は輸送艦おおすみ型搭載艇として6隻が整備されましたアメリカ製の揚陸艇です。当初は搭載艇扱いですが、現在は独立した輸送艇という扱いであり、自衛艦籍にある数少ない輸入艦艇、といえるかもしれません。一隻当たり90億円というもの。
LCACは標準54t、最大68tの装備を揚陸させるもので、アメリカ陸軍のM-1A2戦車が68t、我が国10式戦車が44tで、96式装輪装甲車は4両載る。速力は回航時70kt、54t搭載時40ktと68t搭載時30kt、航続距離は54t搭載時に35ktで300浬、40ktで200浬という。
ホバークラフト方式であり荒天時でも航行が可能であるほか、全世界の80%の海岸線に揚陸できるといい、基本的に沖合96kmという地対艦ミサイルの視程外から発進し、上陸します。アメリカ海兵隊はLAV-25軽装甲車3輌とハンヴィー高機動車6両をこれに詰め込む。
二年後の東日本大震災、LCACと哨戒ヘリコプター搭載艦が無ければ、犠牲者は枚以上になっていた、と当時の吉川横須賀地方総監が回顧するほどに重要な役割を有しており、津波被災地へ巨大な輸送力を発揮し、孤立被災者救助と救援物資沿岸部輸送に活躍している。
くらま、くまたか。受閲艦艇部隊第7群は哨戒艦艇部隊です、ミサイル艇くまたか(PG-827余市防備隊-第1ミサイル艇隊)とミサイル艇おおたか(PG-826佐世保警備隊-第3ミサイル艇隊)の2隻が展開して参りました。いろいろ言われるミサイル艇ですが、在って良かった。
おおたか。はやぶさ型ミサイル艇は満載排水量240t、射程180kmのSSM-1対艦ミサイルを搭載し航空機等の情報に連接し一撃離脱を図る。76mm艦砲を搭載し哨戒任務にも当れ、昨今は遥かに巨大なロシア軍ミサイル巡洋艦等周辺海域出現へも監視任務へ当っています。
くまたか、あたご。大きさは二桁違う。一番艇はやぶさ配備当時、京都新聞は三面に大きな記事を掲載したのを覚えています、あの頃は北朝鮮工作船が跋扈し、対戦車ロケットや対空ミサイルを搭載、海上保安庁巡視船では対処に限界を感じていました、心強かった。
能登半島不審船事件、1998年に北朝鮮からの国籍不明線2隻が海上保安庁の追尾を振りきり、初の海上警備行動命令が下令、ヘリコプター搭載護衛艦はるな、ミサイル護衛艦みょうこう、護衛艦あぶくま、が追尾し緊張が。ミサイル艇は小型で用途は限定、でも必要だ。
あぶくま、おおたか。ミサイル艇は用途が限られるとの批判、速力44ktと高速ですが、レーダー等は最小限で単体での用途は限定されます、防空装備は艦砲だけで対艦ミサイルを搭載するヘリコプターからは陸上の地対空ミサイル部隊支援下へ逃げ込むしかありません。
軍艦とは時代の要請が反映されるもの。ミサイル艇に代わり北朝鮮武装工作船へは管制式40mm機関砲を備えた海上保安庁高速巡視船とAGM-114ミサイルを搭載するSH-60K哨戒ヘリコプターが現代は対応し、はやぶさ型ミサイル艇後継には大型の哨戒艦が当ります。
P-3C哨戒機2機編隊が飛来、閲艦艇部隊第1群として護衛艦部隊、第2群として護衛艦部隊、第3群として護衛艦部隊、第4群として潜水艦部隊、隊第5群として掃海艇部隊、第6群として支援部隊、第7群として哨戒部隊、その式が完了し、いよいよ祝賀飛行が始まる。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)