北大路機関

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ウクライナ情勢-A50メインスティ早期警戒管制機相次ぐ撃墜とSu-34戦闘爆撃機など損耗増大

2024-03-05 07:01:41 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 早期警戒管制機、日本の場合は小回りが利くE-2CやE-2Dを前線航空作戦に展開させE-767は後方の全般防空を担うという運用ですがロシアの場合は。

 ロシア航空宇宙軍はA-50早期警戒管制機の実戦運用を停止している、イギリス国防省ウクライナ戦況報告3月2日付発表が状況を解説しました。これによれば2機の撃墜と先んじて発生している地上撃破、相次ぐA-50早期警戒管制機の喪失により、ウクライナ作戦への参加を一旦停止し、A-50早期警戒管制機を運用できる状況を精査するものと推測します。

 A-50早期警戒管制機の運用を再開するには、ウクライナ防空砲兵部隊による長距離地対空ミサイルへの対策や立て続けに喪失した事に対する運用上の問題点などの内部調査が完了するまで、再度ウクライナ作戦へは投入されないものとイギリス国防省は推測しています。しかし、現代航空作戦に必須の早期警戒管制機を欠く事は非常に大きな問題を突き付ける。

 早期警戒管制機は文字通り高高度から広範囲の航空情報を収集管理しまた防空作戦を指揮する事となりますが、同時に攻勢航空作戦における航空部隊指揮統制にも必要な航空機であり、A-50早期警戒管制機が進出しない事により、ウクライナ上空において作戦に当るロシア軍戦闘機などは周辺の状況認識能力をかなり制限されることは必至となるでしょう。
■防衛情報-ウクライナ戦争
 昨年航空自衛隊が中国とロシアの戦爆連合編隊に緊急発進したところアクロバット塗装の北が混じっており戦闘機不足を痛感させたことがありましたが。

 ロシア空軍機はこのところ相次ぐ戦闘機喪失にもさらされています。特に損害が拡大しているのはSu-34戦闘爆撃機で、2月17日にはSu-34戦闘爆撃機2機とSu-35戦闘機1機が喪失、2月18日にはSu-34戦闘爆撃機1機、2月19日にはSu-34戦闘爆撃機1機とSu-35戦闘機1機喪失、2月21日にSu-34戦闘爆撃機1機、と立て続けに喪失しています。

 ウクライナ国防省の発表では2月23日にはA-50早期警戒管制機が撃墜され一旦小康状態となりますが、2月27日にSu-34戦闘爆撃機2機喪失、2月29日にはSu-34戦闘爆撃機が3機が撃墜されました。これによりSu-34,Su-35だけで12機が二週間弱で喪失したこととなり、開戦以来温存されてきた第一線級戦闘機の喪失が急増している状況となりました。

 戦闘機多数損耗の背景にはウクライナ軍ペトリオットミサイルなどの防空砲兵の活躍と共に、ロシア軍は高高度を飛行する戦闘機からの滑空爆弾投下を劇的に強化しており、しかしその分は高高度を飛行する為に地対空ミサイルからの回避が低空飛行の場合と比較し格段に難しくなっており損耗が増大したという分析も。戦闘機の補填は容易ではありません。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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