北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

台風15号接近、愛知県への自衛隊災害派遣と和歌山県土砂ダム決壊へ警戒

2011-09-20 22:03:17 | 防災・災害派遣

◆台風12号痕残る地域へ東海豪雨以来の豪雨予報

台風15号が接近し、最新の予報では愛知などに2000年の東海豪雨に匹敵する豪雨の危険性が指摘されています。

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名古屋で天白川と庄内川の水が上昇し一時堤防を越水するという状況に際し、名古屋市では一時109万人に避難勧告を発令、本日1900時の時点でも89万人に避難勧告が出されています。愛知県は名古屋市守山区に司令部を置く第10師団の管区ですが、司令部からほど近い矢田川も水位上昇中で、伊勢湾台風以来災害派遣の多い管区という位置づけを思い出しました。

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 すでに本日1800時に春日井市長からの要請で愛知県の大村知事より自衛隊へ災害派遣の要請が出されています。春日井市には第10後方支援連隊、第10施設大隊、第10偵察隊が駐屯する春日井駐屯地がありますので、恐らく部隊は初動部隊の派遣を開始しており今後の状況によっては孤立家屋からの住民救出や障害除去など、必要とされる任務にあたるでしょう。

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 第10師団管区では先日の台風12号災害への災害派遣任務がひと段落したばかりではありますが、今回の台風15号も三重県を中心に500mm程度の激しい豪雨を伴うとみられ、現在の進路では今後紀伊半島に上陸し、東海地方から首都圏へ縦断するとの予報が出されていますので、三重県についても厳重な警戒が必要であることは言うまでもありません。

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 また愛知県東部でもすでに床上浸水などの被害が出始めていますので、今後の状況によっては豊川駐屯地より第10特科連隊、第49普通科連隊、第6施設群へも派遣要請が出される可能性があります。今後の状況に関心が高まるところでしょう。

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 和歌山県田辺市の台風12号による山岳の深層崩壊により生じたせき止め湖、いわゆる土砂ダムへの警戒も重要です。国土交通省近畿地方整備局では水位が超え始めている可能性があることを指摘、他方で国土交通省は航空機や遠隔監視装置による監視を試みているものの現状では把握出来ない、状況不明と発表しています。

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 奈良県内でのせき止め湖の土砂ダムはまた数メートルの余裕があるとの観測もありますが、早ければ21日未明にも決壊し土石流となる可能性がるとのことです。せき止め湖の土砂ダムは決壊すれば下流の広範囲が瞬間的な大規模土石流による洪水被害に見舞われるため、こちらも警戒が必要です。

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 台風12号災害派遣は三重県内では終了していますが、和歌山県と奈良県へは第3師団、第4施設団、中部方面隊隷下の部隊と航空自衛隊が派遣され、情報収集や行方不明者捜索、救援物資輸送と道路啓開任務を実施中で、ここに台風15号が接近という状況になっています。今年は津波や水害など災害の大きい一年、という印象を改めて感じずにはいられません。

北大路機関:はるな

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台風15号名古屋市豪雨情報:109万名に避難勧告、天白川・庄内川水位上昇

2011-09-20 16:17:35 | 防災・災害派遣

◆避難勧告・避難指示

名古屋市 109万人に避難勧告
9月20日15時4分
名古屋市では、天白川と庄内川で、氾濫の危険性が高まっているほか、各地で土砂災害のおそれがあるとして、これまでに12の区の合わせておよそ48万世帯109万人余りに避難勧告が出されています。このうち、中川区では9万3328世帯22万1826人、中村区で6万9262世帯13万6116人、西区で6万6646世帯14万5050人、港区で5万9486世帯14万8245人、北区で4万8196世帯11万1362人、天白区で4万1692世帯9万1231人、守山区で3万3262世帯8万6263人、南区で2万8355世帯6万5489人、熱田区で1万7137世帯3万7671人、緑区で1万1623世帯2万7492人、瑞穂区で9640世帯2万3099人、名東区で610世帯1360人となっています。名古屋市は災害の発生に備え、最寄りの避難所に避難するよう呼びかけています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110920/k10015712511000.html

名古屋 3万世帯余に避難指示
9月20日15時38分
名古屋市は、守山区と北区の一部、3万1672世帯、7万9605人に避難指示を出し、直ちに避難するよう呼びかけています。名古屋市は愛知県を通じ、自衛隊に対してこれらの地域への災害派遣要請を行いました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110920/k10015713151000.html
名古屋 庄内川の水が堤防越える
9月20日15時44分
国土交通省によりますと、名古屋市守山区で、庄内川の水が堤防を越えて、あふれ出しているということです。国土交通省の庄内川河川事務所によりますと、20日午後1時前に名古屋市守山区の下志段味地区で庄内川の水が左岸にある堤防を越えてあふれ出したということです。周辺には工場などが建ち並び、川の水は、近くを通る道路の交差点にも達しているとみられるということです。庄内川流域では、上流の愛知県春日井市と岐阜県多治見市で、堤防の内側から排水できない状態になっていて、住宅地が水浸しになっているということです。河川事務所によりますと、今後は川の下流にある名古屋市北区などで増水し、氾濫のおそれがあるということで厳重な警戒を呼びかけています

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110920/t10015713421000.html

   128万人余 避難指示・勧告 9月20日16時25分NHKが午後4時現在で各地の放送局を通じてまとめたところ、台風の影響で、名古屋市や兵庫県淡路島などで、およそ55万4000世帯128万4000人余りに避難の指示や勧告が出されています。愛知県では、名古屋市で、市内を流れる天白川や庄内川の水位が上がっているため、守山区と北区の一部、3万1672世帯7万9605人に避難指示を出し、直ちに避難するよう呼びかけるなど、12の区で合わせて47万9237世帯109万人余りに避難の指示や勧告が出されています。清須市でも2万6450世帯6万5907人に避難勧告が出されるなど、愛知県全体で52万6320世帯121万2049人に避難の指示や勧告が出ています。岐阜県では、白川町、多治見市、御嵩町など6つの市と町で、合わせて9662世帯2万6258人に避難の指示や勧告が出されています。また、兵庫県では、大雨で川の水があふれるおそれがあるなどとして、洲本市で4134世帯1万906人、南あわじ市で3266世帯9659人、淡路市で3510世帯8282人など、7つの市で1万1092世帯2万9386人に避難勧告が出されています。宮崎県では、霧島連山の新燃岳に近い都城市で、台風に伴う大雨で火山灰が多く降り積もった地域で土石流が発生するおそれがあるとして、市内の4155世帯9115人に避難勧告が出されるなど、2つの市で合わせて5306世帯1万2076人に避難勧告が出されています。大分県でも、住宅の裏山の土砂が崩れるなどしたため国東市と臼杵市、津久見市で171世帯446人に避難勧告が出されています。一方、せき止め湖に伴う土砂災害に備えるため、和歌山県田辺市や奈良県十津川村など、合わせて4つの市と村の一部が災害対策基本法に基づく警戒区域に設定され、立ち入りが禁止されています。また、和歌山県では田辺市と那智勝浦町の合わせて2026世帯4141人に避難の指示や勧告が出ているほか、奈良県でも4つの市町村で240世帯487人に避難の指示や勧告が出されています

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110920/k10015714601000.html

◆鉄道運行状況

名鉄電車運行情報9月20日 16時05分 現在
列車運行情報

9月20日 15時36分頃 愛知県地方における大雨による雨量規制(神宮前駅雨量計)のため、 名古屋本線 豊明駅~栄生駅間、常滑線 神宮前駅~大江駅間、築港線 大江駅~東名古屋港駅間の上下線において運転を見合わせております。
15時15分から、名古屋市交通局(地下鉄)上小田井駅・上飯田駅~名古屋駅・金山駅間、上小田井駅~上飯田駅間で振替輸送を実施しております。
16時05分から、名古屋市交通局(地下鉄)赤池駅~名古屋駅・金山駅間、赤池駅~上小田井駅・上飯田駅間で振替輸送を実施しております。
9月20日 14時58分頃 愛知県地方における大雨による雨量規制(小牧駅雨量計)のため、 小牧線 犬山駅~上飯田駅間の上下線において運転を見合わせております。
9月20日 14時18分頃 愛知県西部・岐阜県地方における大雨による雨量規制(新可児駅雨量計)のため、 広見線 犬山駅~御嵩駅間の上下線において運転を見合わせております。この影響により、名古屋本線・犬山線・常滑線を中心に遅延、および一部列車に運休が発生しております。
9月20日 11時01分頃 愛知県地方における大雨による雨量規制(尾張旭駅雨量計)のため、 瀬戸線 栄町駅~尾張瀬戸駅間の上下線において運転を見合わせております。お急ぎのところ大変ご迷惑をおかけいたしております。名鉄では台風15号接近に伴い、安全確保のため今後も各線で早めに列車の運転を見合わせる場合があります。 今後の台風情報に十分ご注意下さい

http://www.meitetsu.co.jp/em/ryokaku/format3.html

東海道本線(豊橋~米原) 16時00分現在大雨の影響により、名古屋駅~枇杷島駅間の上下線で運転を見合わせています。そのため、上下線の一部列車に運転休止及び遅れが発生しています。 【運休列車】 (下り)サンライズ瀬戸号・出雲号 東京駅~高松駅・出雲市駅間 (上り)サンライズ瀬戸号・出雲号 高松駅・出雲市駅~東京駅間 
中央本線(名古屋~塩尻) 16時00分現在大雨の影響により、大曽根駅~瑞浪駅間の上下線で運転を見合わせています。そのため、特急ワイドビューしなの号とセントラルライナー号及び普通列車の一部列車に運転休止及び遅れが発生しています。 ○特急列車の運休について 【全区間運休列車】 (下り) ・特急ワイドビューしなの11号・13号・15号・17号 名古屋駅~長野駅間 (上り) ・特急ワイドビューしなの14号・18号・20号 長野駅~名古屋駅間 ・特急ワイドビューしなの16号 長野駅~大阪駅間 ○セントラルライナー号の運休について 【部分運休列車】 ・セントラルライナー5号 神領駅~中津川駅間 【全区間運休列車】 (下り) ・セントラルライナー9号・11号・15号 名古屋駅~中津川駅間 (上り) ・セントラルライナー8号・10号・12号・14号 中津川駅~名古屋駅間
高山本線(岐阜~猪谷) 16時00分現在14時30分頃より、大雨の影響で、坂祝駅~焼石駅間において、上下線で運転を見合わせています。そのため一部の列車に部分運休や遅れが発生しています。 ○特急列車の運休について 【部分運休列車】 特急ワイドビューひだ11号 高山駅~富山駅間 特急ワイドビューひだ18号 富山駅~高山駅間
関西本線(名古屋~亀山) 16時00分現在台風12号の影響に伴う運行計画については、次のとおりです。 ○特急ワイドビュー南紀号 名古屋駅~熊野市駅間で以下の4本を運転します。 特急ワイドビュー南紀1号  (名古屋駅8時08分発~熊野市駅11時01分着) 特急ワイドビュー南紀5号  (名古屋駅12時58分発~熊野市駅16時03分着) 特急ワイドビュー南紀6号  (熊野市駅13時06分発~名古屋駅16時06分着) 特急ワイドビュー南紀8号  (熊野市駅17時48分発~名古屋駅20時44分着) ※熊野市駅~紀伊勝浦駅間では、特急ワイドビュー南紀号に接続する代行バスを運転します(熊野市駅⇔新宮駅⇔紀伊勝浦駅間の途中駅には停車いたしません)。 特急ワイドビュー南紀 下りは3号、7号、上りは2号、4号は全区間で運休します。 また、臨時特急ワイドビュー南紀 81号、82号、83号、84号についても、全区間で当分の間運休します。
太多線 16時00分現在14時50分頃より、大雨の影響で、多治見駅~美濃太田駅間の上下線で運転を見合わせています。そのため、一部の列車に遅れが発生しています。紀勢本線
16時00分現在○多気駅~熊野市駅間 以下の普通列車は一部で運休または時刻変更があります。 (一部区間運休) 下り 紀伊長島駅20時49分発 新宮駅22時34分着 当分の間 運休 上り 新宮駅15時11分発 多気駅18時23分着 当分の間 運休

http://shinkansen.jr-central.co.jp/sep/pc/senku13/P02.html

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三菱重工がサイバー攻撃被害、本社・研究開発部門・製造拠点のサーバー約80台が被害

2011-09-19 23:33:22 | 防衛・安全保障

◆イージス艦情報漏えい事件以来の大事件、F-X選定への影響は必至

 三菱重工の研究開発部門を含むサーバーがサイバー攻撃を受け、防衛技術情報を含め漏えいした可能性があると報道がありました。2007年のイージス艦情報漏えい事件以来の重大事案で、F-X次期戦闘機選定を含め今後の防衛装備品ライセンス生産にも影響が及ぶ大事件の発生です。

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三菱重にサイバー攻撃、80台感染…防衛関連も ・・・ 日本を代表する総合機械メーカー「三菱重工業」(東京都)が第三者からサイバー攻撃を受け、最新鋭の潜水艦やミサイル、原子力プラントを製造している工場などで、少なくとも約80台のサーバーやパソコンがコンピューターウイルスに感染していたことが18日、関係者の証言で明らかになった。
 外部からサーバーなどに侵入され、情報を抜き取られていた痕跡も見つかり、同社は標的型攻撃によるスパイ行為の可能性が高いとして警察当局に届け出た。日本の防衛産業を狙ったサイバー攻撃の一端が明らかになるのは初めて。

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 関係者によると、これまでに感染が確認されたのは、「神戸造船所」(神戸市)、「長崎造船所」(長崎市)、「名古屋誘導推進システム製作所」(愛知県小牧市)などの製造・研究拠点8か所に、本社を加えた計9か所の約80台のサーバーなど。 (2011年9月19日03時15分 読売新聞
) ttp://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110918-OYT1T00734.htm

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非常に大きな問題です。安易な情報流出という意味ではSONYの史上最大の個人情報漏えいのほうが規模としては目を引きますが、事が防衛産業だけに恐らく東日本大震災発災後の安全保障にかかわる事件としては最大のものでしょう。航空管制官による米政府専用機情報漏えい事件もありましたが、波及する脅威としては比較になりません。情報流出としては2007年のイージス艦情報漏えい事件以来最大の不祥事です。三菱重工は日本の防衛産業としては最大手の存在であり、特に装備品開発では長い歴史とともに培われた技術陣と、装備開発費において国が負担するはずである基礎研究部分を防衛庁時代から負担することなくいわば自腹という形で担当していることから必然的に三菱重工でなければ日本国内で開発することができない分野、外国製装備の場合においてもライセンス生産には三菱重工で無ければ難しい分野、というところが存在します。加えて、日本の防衛費の水準からは高い水準の防衛力を維持することができているのは自衛隊の優秀な隊員とともに、場合によっては採算度外視で維持費や生産ライン整備に努力している防衛産業の存在も非常に大きいのでして、いわば国が負担を嫌い私企業に依存する体質を恒常化させてしまったわけですね。

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 今回の不正アクセスはPC本体に関するものではなく、サーバーが被害にあっており、加えて研究拠点という重要な個所が被害にあっている点が大きな問題です。もとろん、防衛産業以外の分野での被害も重大であることは間違いないことですが、事にミサイルや潜水艦、戦車、戦闘機といったデータにかかわる問題は一企業の問題を超えて国家の安全保障に直接かかわる問題でありますし、三菱重工からの基礎研究分野などでの負担はあったにせよ、装備品開発には税金が投じられていることは事実です。加えて、潜水艦などは基本的に艦内では一般の写真撮影はもちろん、見学さえも非常に制限される分野です。新型の戦車や戦闘機、国産の高性能な各種誘導弾など、技術情報がどの程度漏えいしたのか、特に誘導弾については回避などの情報を得る上で重要な情報が多すぎ、この対策を講じるだけでも正面装備にいったいどれだけの追加が必要なのか、考えるだけで直接の利害関係がない当方でも眩暈がします。

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 情報管理は企業の存続にかかわる問題、ということはSONYの個人情報漏えい事案で繰り返し提示されていた表現ですけれども、防衛分野の情報流出は、再発防止措置の検討も抜本的に行う必要があるでしょう。とはいえ、私企業である三菱重工のデータ安全管理について国、特に防衛省が直接サイバーテロ対処部隊を創設して専従で対策を行う、ということは現行法上で問題がありそうですし、一方で公務員守秘義務などはやはり私企業である以上適用はできません。しかし、防衛にかかわる重大な情報さえも管理できないとあっては、日本の防衛を根本的に左右する重大な事案となってしまいますので、異本企業の情報に関するモラルが問われる、なんていうお座なりの言葉でに以後すことは絶対に避け、私人の財産権にも踏み込みうる法整備を含め、何らかの措置が必要です、何とかせねばなりません。

Img_9000 一番影響があると考えるのはF-35の関係でしょうか。国家規模の問題、といいますと三菱重工は戦闘機生産を実施している防衛産業ですから、現在懸案となっている次期戦闘機選定において、日本側は国内での戦闘機運用基盤を維持する観点からライセンス生産を強く希望しています。最有力はステルス性能を有するF-35で、この開発遅延が実質的に選定の長期化に繋がっています。F-15をライセンス生産し、F-2を共同開発した三菱重工でなければライセンス生産は考えられず、防衛航空産業を担う川崎重工や富士重工、新明和工業では戦闘機のライセンス生産は相当な投資を行わなければ現状では不可能でしょう。最終組み立てのみであればF-35であっても日本で行うことは可能、という一部報道がありましたが、影響は必至でしょう。どのデータが流出したのかはこの際問題ではありません、可能性を放置していたことが問題なのです。思えば海上自衛隊におけるイージス艦情報漏えい事件が次期戦闘機選定の最有力候補であったF-22導入に重大な影響を及ぼしていましたので、国が現状では関与できない分野でも情報管理を行う場合には関与する枠組みが必要です。この点、自衛隊における情報保全の取り組みはここ数年間で特筆すべき全身があったのですが、今後は今回の経験の反映を強く望みます。現時点で失ったものは大きすぎますが、せめて将来に反映させねばなりません。

北大路機関:はるな

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22DDH(平成22年度護衛艦)、全通飛行甲板型護衛艦その多機能運用についての一考察

2011-09-18 23:12:36 | 先端軍事テクノロジー

◆UAVの運用という視点も考えるべきか

海上自衛隊の新しい護衛艦について、ここ数日、関心が集まっているようで22DDHが予算承認された時期の記事へアクセスが多くなています。

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鳩山政権時代に出された概算要求に記された19500t型護衛艦は満載排水量24000t、これは現在護衛艦隊に配備されている、ひゅうが型護衛艦ひゅうが、いせ、の満載排水量19000tを上回るものでして、戦後に建造された水上戦闘艦としては最大の規模となる護衛艦です。

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全通飛行甲板を有する護衛艦は、ひゅうが、いせ、そして22DDHとその同型艦で現在の、しらね型を置き換えますので、四隻が日本周辺における防衛警備及び災害派遣を担うこととなります。22DDHが鳩山政権下において予算認可となった背景に社民党の福島代表が東海地震をはじめとした大規模災害への対応能力を認めた、ともいわれていますので、日本の存亡にかかわる大災害にも期待されるといえましょう。

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その有力な水上戦闘艦、22DDHですけれども全通飛行甲板を有していることから、ヘリコプター搭載護衛艦としてのヘリコプター運用を超えて、更に何か有力な航空機を搭載できれば、と思うのは多くの方が思うことではないでしょうか。尤も元来がヘリコプターの運用を念頭に設計されているものなのですから当たり前の結論としてカタパルトを搭載していませんし甲板長や強度から現実問題としてF/A-18EやF/A-18Cのような固定翼艦載機を搭載することはできないのですけれども。

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 理想としてはAV-8Bを搭載できれば、AV-8BはAPG-65レーダーを装備していてAMRAAMを搭載できますので例えばインド洋シーレーン防衛などに一定の能力を発揮でするでしょうけれども、肝心のAV-8Bが生産終了になっており、イギリス軍の中古機で比較的新しいGR-7などが残っているようですけれども、AMRAAM運用能力からイギリスの一存で取得することはできません。・・・、いや何とかなりそうな気がしなくもないですけれども。

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 F-35Bが実用化されれば、採用の可能性は出てくるかもしれません。非常に高価な航空機ではありますが、必要性が取得費用を上回れば可能性を高めることになります。F-35Bそのものの開発が遅延に遅延を重ねているのですが、海兵隊のAV-8B後継機や40000tを超えるアメリカ級強襲揚陸艦の艦載機としての必要性が高いですから、開発は恐らく進められるでしょう。しかし、実用化されたとしても海上自衛隊が導入を検討するのはさらに先、独自の教育体系を構築するのはさらに先、それまでヘリコプター一択なのか、ということに。

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 この視点から考えられるのは無人航空機UAVの運用でしょう。UAVには短距離空対空ミサイルの運用能力を有する航空機も技術的には多数が完成しており、対艦ミサイルの運用に必要な情報優位獲得、潜水艦の行動や通信を阻害する哨戒機の駆逐、敵無人機への対処や戦闘機の行動妨害などの運用を行うことができるでしょう。また、冒頭に記した大規模災害への対処ですけれども、無人機は無人偵察機として情報収集に充てることができます。ヘリコプター搭載護衛艦は指揮通信能力も高いですから、無人機運用能力と取得した情報の解析にも高い能力を発揮するでしょう。

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 無人機の海上での運用ですが、現在スペインで建造中であるオーストラリア海軍の強襲揚陸艦キャンベラ級などはAV-8BのようなVSTOL機を現時点で搭載しないという運用計画の上で、VSTOL機の発進を効率的に行うスキージャンプ台を艦首付近に設置しています。スキージャンプ台とはイギリス海軍がハリアーの艦上運用を開始した際に短距離を加速中の機体について一挙に押し上げ、そのまま発進した場合よりも搭載能力を高めるための装置として開発されたものです。

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 海上自衛隊でも、無人機の運用をヘリコプター搭載護衛艦上で実施する、ということは考えられないでしょうか。スキージャンプ台であれば後日追加も可能ですし、ヘリコプターの運用との両立も現実的に可能、22DDHはもちろん、既存の、ひゅうが、いせ、についても無人機の運用は検討の余地はあるのではないでしょうか。

Img_6920_1北大路機関では、現在の護衛艦隊が四個護衛隊群八個護衛隊から編成されていて、ヘリコプター搭載護衛艦による対潜掃討等を中心に考える護衛隊、イージス艦による弾道ミサイル防衛を念頭に置いている護衛隊、その二つから護衛隊群を編成していますが、対潜掃討部隊にもイージス艦もしくは艦隊防空を行うミサイル護衛艦を運用していますので、むしろ弾道ミサイル防衛を行う護衛隊にもヘリコプター搭載護衛艦を配置して、任務の能力水準を合致させるとともに、多任務対処能力を向上させてはどうか、と提案しているのですけれども、無人機の搭載でヘリコプター搭載護衛艦の任務対応能力が多様化すれば、この意味合いにも加えられるものが出てくるやもしれません。

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 22DDHは就役が2015年、目一杯運用されれば2040年代後半まで現役にとどまることとなるでしょう。その能力を最大限発揮するには、もちろん、F-35Bや可能ならば運用研究としてAV-8B中古機の取得という選択肢はあるでしょうけれども、同時に無人機UAVの導入と運用、という検討は為されて然るべきなのではないでしょうか。昨今、22DDHへの注目が集まっている中、そんなことを考えてみました次第。

北大路機関:はるな

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南スーダンPKOへ陸上自衛隊より施設科部隊300名派遣で具体化検討

2011-09-17 23:22:16 | 国際・政治

◆自衛隊の編成はアフリカ派遣を想定していない

 自衛隊はアフリカ地域での活動を念頭に置いた編成ではありませんし、東日本大震災で訓練体系が大きな影響を受けているのですが、当初本部要員数名の派遣となるはずの南スーダンPKOに300名の部隊を派遣することになったようです。

Img_3978_2南スーダンに陸自PKO…300人規模で・・・政府は、南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)に、陸上自衛隊の施設部隊を派遣する方針を固め、具体化の検討に入った。 今月中にも調査団を現地に派遣する。複数の政府筋が16日、明らかにした。20日から訪米する野田首相は、国連総会の一般討論演説と潘基文パンギムン国連事務総長との会談で、この方針を表明する方向で調整を進めている。 派遣部隊の規模は300人程度を想定している。現地の道路や橋の建設・修復などのインフラ整備などを行う方針だ。検討と準備が進めば、早ければ年内に派遣を実現したい考えだ。実現すれば、民主党政権下でのPKO新規参加は、2010年2月のハイチへの復興支援以来、2回目となる。

Img_0121_2 南スーダンは今年7月、スーダンから分離・独立を果たしたが、長い内戦による国土の荒廃が深刻な問題になっている。PKOをめぐっては、潘氏が先月8日、当時の菅首相と会談した際、陸自部隊の派遣を要請するなど、国連が日本政府に強く要請していた。 しかし、菅政権の基盤が不安定だったことに加え、陸自は東日本大震災への対応に追われていた。また、現地の治安情勢が不透明だったことから、防衛省内に慎重論が強く、司令部要員の派遣を前提とした調査団を9月初旬に派遣し、首都周辺の治安などを確認するにとどまっていた。(2011年9月17日03時04分  読売新聞)http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110916-OYT1T01227.htm

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自衛隊は現在ハイチPKOへ人員を派遣しています。日本政府は律儀なことに千年に一度の災害という東日本大震災へ自衛隊十万名派遣という東西冷戦時代の北海道直接侵攻でも想定しなかった規模、首都圏直下型地震への想定派遣規模五万名の二倍という規模の派遣を行い、自衛艦が一人でも必要で予備自衛官の招集を開始した時点でも配置地震への復興人道支援への自衛隊派遣を継続し、交代要員の準備を行いました。300名というとどうにかなりそうな規模ではあるように思われるかもしれませんが、派遣先がアフリカ大陸内陸部の南スーダン、内戦が長く継続した地域であり北部に有力なスーダン軍を想定したうえでの派遣となると意味が違ってきます。特に300名規模ではルワンダPKOの派遣k簿と同程度なのですが、あのとkは難民支援、今回は重装備が必要な施設部隊の派遣が求められているので、これはかなり難易度が高くなってきます。

Img_1714_2 自衛隊は元々アフリカ地域での活動を想定していなかったばかりか、つい二十年前までは専守防衛であり国際平和維持活動であっても自衛隊は派遣できないという制約がありました。装備面で自衛隊は限界を抱えているわけです。装甲車は冷戦時代に地形防御ばかりを考えていましたから装甲車は軽装甲車である軽装甲機動車がようやく普及したばかりで、こうした任務に必要な装甲戦闘車は四個中隊分のみ、当初計画されていた四個連t外聞さえも充足できませんでした。輸送機についても、航空自衛隊にある輸送機はC-130HとKC-767を加えて漸く約20機、海上自衛隊では外洋で航行可能な輸送艦は3隻です。東日本大震災を経験して国内での輸送能力でさえも不足する状況があったわけですから、アフリカの内陸部へ自衛隊を派遣する、というのは東アフリカ地域のジブチに自衛隊の航空拠点が完成しつつある状況ですけれども、やはり現状は不足の一言を欠かせないわけです。

Img_4119_2これだけではなく、本年は東日本大震災により訓練体系が大きく影響を受けてしまっています。具体的には協同転地演習や総合防災訓練に影響が出ているわけでして、南九州の第八師団のように口蹄疫災害派遣、霧島火山災害派遣、東日本大震災災害派遣と続いている部隊もあります。300名といえば、交代要員と待機要員、訓練要員の確保に加えて会空自永代による輸送支援を行わなければなりません。日本の輸送機だけでは不足している状況ですので、厳しい防衛費から費用を捻出しなければなりません。

Img_6747_2 海外派遣、特にアフリカ地域での任務を考えるのでしたら、例えば方面隊規模で装甲戦闘車を運用する連隊を確保するとか、輸送機定数の大幅な増強、輸送艦の充実などの施策を行い、人員規模についても削減ありきの体制からの脱却が必要です。東日本大震災を契機に、国内だけでも動的防衛力が不足していることが判明しました。欧州のようにアフリカが地中海の向こうにある訳でもありませんし、日本はNATOに加盟していませんのでロジスティクス面での相互支援体制にも恩恵を受けられません。自衛隊は無理を無理やり通す玉手箱ではありませんので、この点政治はしっかりとした責任を持つことが重要です。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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平成二十三年度九月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2011.09.17-18)

2011-09-16 22:58:17 | 北大路機関 広報

◆自衛隊関連行事

東日本大震災の災害派遣規模は170名まで縮小されましたが、紀伊半島の台風12号災害派遣へ1190名が派遣されています。


Img_8874
こうした中、今週末は被災地岩手県の岩手駐屯地祭、群馬県の新町駐屯地祭、神奈川県ではキャンプ座間フレンドシップデイ、長崎港では砕氷艦しらせ一般公開が行われます。特に岩手駐屯地祭は5月に予定されていたものが震災派遣で延期され、うようやく実施を迎えることができたとのことです。

Img_8533 岩手駐屯地、駐屯地祭は1000から1115まで式典と観閲行進、1130から1200まで訓練展示が行われ、訓練展示では模擬戦を予定しているとのこと。例年通りの規模で、ということに東日本大震災からの一定の復興という意味がありますね。

Img_0435_2
岩手駐屯地はFH-70榴弾砲を運用する第9特科連隊、74式戦車を運用する第9戦車大隊と93式近距離地対空誘導弾、81式短距離地対空誘導弾を運用する第9高射特科大隊、方面隊直轄の第387施設中隊などが駐屯、重装備部隊の駐屯地です。

Img_5876
 新町駐屯地創設60周年記念行事、第12旅団隷下の第12後方支援連隊、第12施設中隊などが駐屯していて、旅団司令部の置かれる相馬原駐屯地にほど近い駐屯地です。ただ、部隊規模の関係上装備品展示が中心で模擬戦などは予定されていないようですね。

Img_6109
 第12旅団は北関東信越地方を警備管区に受け持つ空中機動重視の旅団ですが、東日本大震災では東北南部を受け持つ第6師団の能力が限界となっており、管区に隣接する福島県での災害派遣に重要な責務を負い大任を果たした部隊です。 

Img_7675
 キャンプ座間フレンドシップフェスティバル2011、土曜日と日曜日に行われるこの行事、写真は海兵隊のキャンプ富士から滝ヶ原駐屯地に来て居た部隊なのですけれども、キャンプ座間は陸軍の拠点です。陸軍第一軍団前方司令部が置かれており、かつては第9戦域軍団司令部が置かれていた重要な拠点の一つ。

Img_9617_1
 キャンプ座間にはUH-60A多用途ヘリコプターが配備されていまして、模擬戦や観閲行進などは行われないのですけれども、ガンハンドリングの展示なども行われているようですし、通信システムの紹介や後方支援など自衛隊では秘密区分されているようなものが展示されることも。なお、足を運ばれる方は本籍地明記の免許証か旅券などを持っていくことを勧めます。

Img_2706
 長崎では砕氷艦しらせ、が一般公開されます。出島岸壁で明日土曜日の0900から1600と日曜日の0900から1500まで一般公開、受け付けは終了時刻一時間前までとなっています。長崎港行けば護衛艦てるづき、護衛艦あきづき、建造中の様子が多分見られます。

◆駐屯地祭・基地祭・航空祭

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

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東北地方太平洋沖地震/東日本大震災 防衛省災害派遣情報 定期掲載:2011年9月16日 台風12号災

2011-09-16 22:06:49 | 防災・災害派遣

◆防衛省発表

平成23年台風第12号に係る災害派遣について(18時00分現在)

平成23年9月15日
防衛省

※数値等は速報値であり、今後変わることがある。
※下線部は、前回報告からの変更箇所

1.災害派遣の概要

要請日時

要請元

要請先

要請の概要

撤収要請日時

9月3日(土)
23時39分

和歌山県知事

陸上自衛隊
第37普通科連隊長(信太山)

孤立者の救助
行方不明者の捜索

継続中

9月4日(日)
04時00分

三重県知事

陸上自衛隊
第33普通科連隊長(久居)

人命の救助

9月14日(水)
10時45分

9月4日(日)
04時20分

奈良県知事

陸上自衛隊
第4施設団長(大久保)

人命の救助

継続中

○ 防衛省の対応
【4日】
11時00分 災害発生に際し、防衛省災害対策連絡室を設置(室長:事態対処課長)
20時00分 災害の発生状況に鑑み、防衛省災害対策室を設置(室長:運用企画局長)

2.防衛省・自衛隊の対応

(1)派遣部隊

○ 陸上自衛隊

第36普通科連隊(伊丹)、第37普通科連隊(信太山)、第3後方支援連隊(千 僧)、第304水際障害中隊(和歌山)、第3特科隊(姫路)、第7普通科連隊(福知山)、第3戦車大隊(今津)、第3高射特科大隊(姫路)、第3施設大隊(大久保)、第3通信大隊(千僧)、第3偵察隊(千僧)、第3飛行隊(八尾)、第3特殊武器防護隊(千僧)、第33普通科連隊(久居)、第10施設大隊(春日井)、第10偵察隊(春日井)、第10飛行隊(明野)、第4施設団(大久保)、中部方面航空隊(八尾)、第14飛行隊(北徳島)、教育支援飛行隊(明野)、第5対戦車ヘリコプター隊(明野)

○ 航空自衛隊

幹部候補生学校(奈良)

(2)派遣規模 

○ 人員

約1,190名(延べ約14,870名)

○ 車両

約310両(延べ約3,680両)

○ 航空機

3機(延べ約160機)

(3)主な対応状況

和歌山県

【4日~14日】

 和歌山県では、第3師団の第37普通科連隊、第304水際障害中隊及び第3師団隷下の部隊等をもって、行方不明者の捜索、孤立者の救助、情報収集活動、救援物資輸送、道路啓開、給水支援等を実施。


三重県

【4日~14日】

 三重県では、第10師団の第33普通科連隊が、人命の救助、救援物資輸送及び給水支援等を実施。

奈良県

【4日~14日】

 奈良県では、第4施設団、第36普通科連隊及び幹部候補生学校が、人命の救助、行方不明者の捜索、情報収集活動、救援物資輸送及び道路啓開を実施。

9月15日の活動状況

① 行方不明者の捜索

地域

和歌山県
(新宮市、那智勝浦町、日高川町)

奈良県
(五條市、十津川村)

部隊

第37普通科連隊等、第7普通科連隊

第4施設団、第36普通科連隊


② 給水活動

 和歌山県新宮市及び那智勝浦町において第36普通科連隊及び第37普通科連隊等が活動を実施。
 奈良県五條市において第4施設団が活動を実施。

③ 道路啓開

 奈良県十津川村において第4施設団が活動を実施。

航空機の運用状況

○ 中部方面航空隊(OH-6×1機、UH-1×2機)により情報収集等を実施。

※ 明日も引き続き活動予定。

平成23年台風第12号に係る災害派遣について(18時00分現在)

平成23年9月15日
防衛省

※数値等は速報値であり、今後変わることがある。
※下線部は、前回報告からの変更箇所

1.災害派遣の概要

要請日時

要請元

要請先

要請の概要

撤収要請日時

9月3日(土)
23時39分

和歌山県知事

陸上自衛隊
第37普通科連隊長(信太山)

孤立者の救助
行方不明者の捜索

継続中

9月4日(日)
04時00分

三重県知事

陸上自衛隊
第33普通科連隊長(久居)

人命の救助

9月14日(水)
10時45分

9月4日(日)
04時20分

奈良県知事

陸上自衛隊
第4施設団長(大久保)

人命の救助

継続中

○ 防衛省の対応
【4日】
11時00分 災害発生に際し、防衛省災害対策連絡室を設置(室長:事態対処課長)
20時00分 災害の発生状況に鑑み、防衛省災害対策室を設置(室長:運用企画局長)

2.防衛省・自衛隊の対応

(1)派遣部隊

○ 陸上自衛隊

第36普通科連隊(伊丹)、第37普通科連隊(信太山)、第3後方支援連隊(千 僧)、第304水際障害中隊(和歌山)、第3特科隊(姫路)、第7普通科連隊(福知山)、第3戦車大隊(今津)、第3高射特科大隊(姫路)、第3施設大隊(大久保)、第3通信大隊(千僧)、第3偵察隊(千僧)、第3飛行隊(八尾)、第3特殊武器防護隊(千僧)、第33普通科連隊(久居)、第10施設大隊(春日井)、第10偵察隊(春日井)、第10飛行隊(明野)、第4施設団(大久保)、中部方面航空隊(八尾)、第14飛行隊(北徳島)、教育支援飛行隊(明野)、第5対戦車ヘリコプター隊(明野)

○ 航空自衛隊

幹部候補生学校(奈良)

(2)派遣規模 

○ 人員

約1,190名(延べ約14,870名)

○ 車両

約310両(延べ約3,680両)

○ 航空機

3機(延べ約160機)

(3)主な対応状況

和歌山県

【4日~14日】

 和歌山県では、第3師団の第37普通科連隊、第304水際障害中隊及び第3師団隷下の部隊等をもって、行方不明者の捜索、孤立者の救助、情報収集活動、救援物資輸送、道路啓開、給水支援等を実施。


三重県

【4日~14日】

 三重県では、第10師団の第33普通科連隊が、人命の救助、救援物資輸送及び給水支援等を実施。

奈良県

【4日~14日】

 奈良県では、第4施設団、第36普通科連隊及び幹部候補生学校が、人命の救助、行方不明者の捜索、情報収集活動、救援物資輸送及び道路啓開を実施。

9月15日の活動状況

① 行方不明者の捜索

地域

和歌山県
(新宮市、那智勝浦町、日高川町)

奈良県
(五條市、十津川村)

部隊

第37普通科連隊等、第7普通科連隊

第4施設団、第36普通科連隊


② 給水活動

 和歌山県新宮市及び那智勝浦町において第36普通科連隊及び第37普通科連隊等が活動を実施。
 奈良県五條市において第4施設団が活動を実施。

③ 道路啓開

 奈良県十津川村において第4施設団が活動を実施。

航空機の運用状況

○ 中部方面航空隊(OH-6×1機、UH-1×2機)により情報収集等を実施。

※ 明日も引き続き活動予定。

平成23年台風第12号に係る災害派遣について(19時00分現在)

平成23年9月14日
防衛省

※数値等は速報値であり、今後変わることがある。
※下線部は、前回報告からの変更箇所

1.災害派遣の概要

要請日時

要請元

要請先

要請の概要

撤収要請日時

9月3日(土)
23時39分

和歌山県知事

陸上自衛隊
第37普通科連隊長(信太山)

孤立者の救助
行方不明者の捜索

継続中

9月4日(日)
04時00分

三重県知事

陸上自衛隊
第33普通科連隊長(久居)

人命の救助

9月14日(水)
10時45分

9月4日(日)
04時20分

奈良県知事

陸上自衛隊
第4施設団長(大久保)

人命の救助

継続中

○ 防衛省の対応
【4日】
11時00分 災害発生に際し、防衛省災害対策連絡室を設置(室長:事態対処課長)
20時00分 災害の発生状況に鑑み、防衛省災害対策室を設置(室長:運用企画局長)

2.防衛省・自衛隊の対応

(1)派遣部隊

○ 陸上自衛隊

第36普通科連隊(伊丹)、第37普通科連隊(信太山)、第3後方支援連隊(千僧)、第304水際障害中隊(和歌山)、第3特科隊(姫路)、第7普通科連隊(福知山)、第3戦車大隊(今津)、第3高射特科大隊(姫路)、第3施設大隊(大久保)、第3通信大隊(千僧)、第3偵察隊(千僧)、第3飛行隊(八尾)、第3特殊武器防護隊(千僧)、第33普通科連隊(久居)、第10施設大隊(春日井)、第10偵察隊(春日井)、第10飛行隊(明野)、第4施設団(大久保)、中部方面航空隊(八尾)、第14飛行隊(北徳島)、教育支援飛行隊(明野)、第5対戦車ヘリコプター隊(明野)

○ 航空自衛隊

幹部候補生学校(奈良)

(2)派遣規模 

○ 人員

約1,230名(延べ約13,580名)

○ 車両

約270両(延べ約 3,370両)

○ 航空機

3機(延べ約160機)

(3)主な対応状況

和歌山県

【4日~13日】

 和歌山県では、第3師団の第37普通科連隊、第304水際障害中隊及び第3師団隷下の部隊等をもって、行方不明者の捜索、孤立者の救助、情報収集活動、救援物資輸送、道路啓開、給水支援等を実施。


三重県

【4日~13日】

 三重県では、第10師団の第33普通科連隊が、人命の救助、救援物資輸送及び給水支援等を実施。

奈良県

【4日~13日】

 奈良県では、第4施設団、第36普通科連隊及び幹部候補生学校が、人命の救助、行方不明者の捜索、情報収集活動、救援物資輸送及び道路啓開を実施。

9月14日の活動状況

① 行方不明者の捜索

地域

和歌山県
(新宮市、那智勝浦町、日高川町)

奈良県
(五條市、十津川村)

部隊

第37普通科連隊等、第7普通科連隊

第4施設団、第36普通科連隊


② 給水活動

 和歌山県新宮市、那智勝浦町において第36普通科連隊及び第37普通科連隊等が活動を実施。
 奈良県十津川村において第4施設団が活動を実施。

③ 道路啓開

 和歌山県那智勝浦町において第3施設大隊及び第304水際障害中隊が道路等の瓦礫除去活動を実施。
 奈良県十津川村において第4施設団が活動を実施。

航空機の運用状況

○ 中部方面航空隊(OH-6×1機、UH-1×2機)により情報収集等を実施。

※ 明日も引き続き活動予定。

平成23年台風第12号に係る災害派遣について(21時00分現在)

平成23年9月13日
防衛省

※数値等は速報値であり、今後変わることがある。
※下線部は、前回報告からの変更箇所

1.災害派遣の概要

要請日時

要請元

要請先

要請の概要

発生場所

9月3日(土)
23時39分

和歌山県知事

陸上自衛隊
第37普通科連隊長(信太山)

孤立者の救助
行方不明者の捜索

和歌山県
新宮市熊野川町

9月4日(日)
04時00分

三重県知事

陸上自衛隊
第33普通科連隊長(久居)

人命の救助

三重県
南牟婁(みなみむろ)郡紀宝町

9月4日(日)
04時20分

奈良県知事

陸上自衛隊
第4施設団長(大久保)

人命の救助

奈良県
吉野郡十津川村

○ 防衛省の対応
【4日】
11時00分 災害発生に際し、防衛省災害対策連絡室を設置(室長:事態対処課長)
20時00分 災害の発生状況に鑑み、防衛省災害対策室を設置(室長:運用企画局長)

2.防衛省・自衛隊の対応

(1)派遣部隊

○ 陸上自衛隊

第36普通科連隊(伊丹)、第37普通科連隊(信太山)、第3後方支援連隊(千僧)、第304水際障害中隊(和歌山)、第3特科隊(姫路)、第7普通科連隊(福知山)、第3戦車大隊(今津)、第3高射特科大隊(姫路)、第3施設大隊(大久保)、第3通信大隊(千僧)、第3偵察隊(千僧)、第3飛行隊(八尾)、第3特殊武器防護隊(千僧)、第33普通科連隊(久居)、第10施設大隊(春日井)、第10偵察隊(春日井)、第10飛行隊(明野)、第4施設団(大久保)、中部方面航空隊(八尾)、第14飛行隊(北徳島)、教育支援飛行隊(明野)、第5対戦車ヘリコプター隊(明野)

○ 航空自衛隊

幹部候補生学校(奈良)

(2)派遣規模 

○ 人員

約1,100名(延べ約12,200名)

○ 車両

約320両(延べ約3,100両)

○ 航空機

4機(延べ約170機)

(3)主な対応状況

和歌山県

【4日~12日】

 和歌山県では、第3師団の第37普通科連隊、第304水際障害中隊及び第3師団隷下の部隊等をもって情報収集活動、孤立者の救助、行方不明者の捜索、救援物資輸送、道路啓開、給水支援等を実施。

三重県

【4日~12日】

 三重県では、第10師団の第33普通科連隊が、人命の救助、救援物資輸送及び給水支援等を実施。

奈良県

【4日~12日】

 奈良県では、第4施設団、第36普通科連隊及び幹部候補生学校が、人命の救助、情報収集活動、行方不明者の捜索、救援物資輸送及び道路啓開を実施。

9月13日の活動状況

① 行方不明者の捜索

地域

和歌山県
(新宮市、那智勝浦町、日高川町)

奈良県
(五條市、十津川村)

部隊

第37普通科連隊等、第7普通科連隊

第4施設団、第36普通科連隊


② 給水活動

 和歌山県新宮市、那智勝浦町において第36普通科連隊、第7普通科連隊及び第3特科隊が活動を実施。
 奈良県十津川村において第4施設団が活動を実施。
 三重県紀宝町において第33普通科連隊が活動を実施。

③ 道路啓開

 和歌山県那智勝浦町において第3施設大隊及び第304水際障害中隊が道路等の瓦礫除去活動を実施。
 奈良県十津川村において第4施設団が活動を実施。

航空機の運用状況

○ 中部方面航空隊(OH-6×1機)、第3飛行隊(OH-6×2機、UH-1×1機)により情報収集等を実施。

※ 明日も引き続き活動予定。

平成23年台風第12号に係る災害派遣について(19時00分現在)

平成23年9月12日
防衛省

※数値等は速報値であり、今後変わることがある。
※下線部は、前回報告からの変更箇所

1.災害派遣の概要

要請日時

要請元

要請先

要請の概要

発生場所

9月3日(土)
23時39分

和歌山県知事

陸上自衛隊
第37普通科連隊長(信太山)

孤立者の救助
行方不明者の捜索

和歌山県
新宮市熊野川町

9月4日(日)
04時00分

三重県知事

陸上自衛隊
第33普通科連隊長(久居)

人命の救助

三重県
南牟婁(みなみむろ)郡紀宝町

9月4日(日)
04時20分

奈良県知事

陸上自衛隊
第4施設団長(大久保)

人命の救助

奈良県
吉野郡十津川村

○ 防衛省の対応
【4日】
11時00分 災害発生に際し、防衛省災害対策連絡室を設置(室長:事態対処課長)
20時00分 災害の発生状況に鑑み、防衛省災害対策室を設置(室長:運用企画局長)

2.防衛省・自衛隊の対応

(1)派遣部隊

○ 陸上自衛隊

第36普通科連隊(伊丹)、第37普通科連隊(信太山)、第3後方支援連隊(千僧)、第304水際障害中隊(和歌山)、第3特科隊(姫路)、第7普通科連隊(福知山)、第3戦車大隊(今津)、第3高射特科大隊(姫路)、第3施設大隊(大久保)、第3通信大隊(千僧)、第3偵察隊(千僧)、第3飛行隊(八尾)、第3特殊武器防護隊(千僧)、第33普通科連隊(久居)、第3後方支援連隊(千僧)、第10施設大隊(春日井)、第10偵察隊(春日井)、第10飛行隊(明野)、第4施設団(大久保)、中部方面航空隊(八尾)、第14飛行隊(北徳島)、教育支援飛行隊(明野)、第5対戦車ヘリコプター隊(明野)

○ 航空自衛隊

幹部候補生学校(奈良)

(2)派遣規模 

○ 人員

約1,130名(延べ約9,020名)

○ 車両

約340両(延べ約2,550両)

○ 航空機

8機(延べ約140機)

(3)主な対応状況

和歌山県

【4日~11日】

 和歌山県では、第3師団の第37普通科連隊、第304水際障害中隊及び第3師団隷下の部隊等をもって情報収集活動、孤立者の救助、行方不明者の捜索、救援物資輸送、道路啓開、給水支援等を実施。


三重県

【4日~11日】

 三重県では、第10師団の第33普通科連隊が、人命の救助、救援物資輸送及び給水支援等を実施。

奈良県

【4日~11日】

 奈良県では、第4施設団、第36普通科連隊及び幹部候補生学校が、人命の救助、情報収集活動、行方不明者の捜索、救援物資輸送及び道路啓開を実施。

9月12日の活動状況

① 行方不明者の捜索

地域

和歌山県
(新宮市、那智勝浦町、田辺市、日高川町)

奈良県
(五條市、十津川村)

部隊

第33普通科連隊、第36普通科連隊、
第37普通科連隊等

第4施設団、第36普通科連隊


② 給水活動

 和歌山県新宮市、那智勝浦町において第37普通科連隊、第7普通科連隊及び第3特科隊が活動を実施。
 奈良県十津川村において第4施設団が活動を実施。
 三重県紀宝町において第33普通科連隊が活動を実施。

③ 道路啓開

 和歌山県那智勝浦町において第3施設大隊及び第304水際障害中隊が活動を実施。
 奈良県十津川村において第4施設団が活動を実施。

④ 物資輸送

 奈良県五條市、十津川村において第4施設団、第36普通科連隊及び幹部候補生学校が活動を実施。

航空機の運用状況

○ 中部方面航空隊(OH-6×1機、UH-1×2機)、第3飛行隊(OH-6×2機、UH-1×2機)及び第5対戦車ヘリコプター隊(OH-1×1機)により情報収集及び物資輸送活動等を実施。

※ 明日も引き続き活動予定。
平成23年台風第12号に係る災害派遣について(19時00分現在)

平成23年9月11日
防衛省

※数値等は速報値であり、今後変わることがある。
※下線部は、前回報告からの変更箇所

1.災害派遣の概要

要請日時

要請元

要請先

要請の概要

発生場所

9月3日(土)
23時39分

和歌山県知事

陸上自衛隊
第37普通科連隊長(信太山)

孤立者の救助
行方不明者の捜索

和歌山県
新宮市熊野川町

9月4日(日)
04時00分

三重県知事

陸上自衛隊
第33普通科連隊長(久居)

人命の救助

三重県
南牟婁(みなみむろ)郡紀宝町

9月4日(日)
04時20分

奈良県知事

陸上自衛隊
第4施設団長(大久保)

人命の救助

奈良県
吉野郡十津川村

○ 防衛省の対応
【4日】
11時00分 災害発生に際し、防衛省災害対策連絡室を設置(室長:事態対処課長)
20時00分 災害の発生状況に鑑み、防衛省災害対策室を設置(室長:運用企画局長)

2.防衛省・自衛隊の対応

(1)派遣部隊

○ 陸上自衛隊

第36普通科連隊(伊丹)、第37普通科連隊(信太山)、第3後方支援連隊(千僧)、第304水際障害中隊(和歌山)、第3特科隊(姫路)、第7普通科連隊(福知山)、第3戦車大隊(今津)、第3高射特科大隊(姫路)、第3施設大隊(大久保)、第3通信大隊(千僧)、第3偵察隊(千僧)、第3飛行隊(八尾)、第3特殊武器防護隊(千僧)、第33普通科連隊(久居)、第3後方支援連隊(千僧)、第10施設大隊(春日井)、第10偵察隊(春日井)、第10飛行隊(明野)、第4施設団(大久保)、中部方面航空隊(八尾)、第14飛行隊(北徳島)、教育支援飛行隊(明野)

○ 航空自衛隊

幹部候補生学校(奈良)

(2)派遣規模 

○ 人員

約1050名(延べ約7980名)

○ 車両

約310両(延べ約2200両)

○ 航空機

約9機(延べ約130機)

(3)主な対応状況

和歌山県

【4日~10日】

 和歌山県では、第3師団の第37普通科連隊、第304水際障害中隊及び第3師団隷下の部隊等をもって情報収集活動、孤立者の救助、行方不明者の捜索、救援物資輸送、道路啓開、給水支援等を実施。

三重県

【4日~10日】

 三重県では、第10師団の第33普通科連隊が、人命の救助、物資輸送及び給水支援等を実施。

奈良県

【4日~10日】

 奈良県では、第4施設団、第36普通科連隊及び幹部候補生学校が、人命の救助、情報収集活動、行方不明者の捜索、救援物資輸送及び道路啓開を実施。

9月11日の活動状況

① 行方不明者の捜索

地域

和歌山県
(新宮市、那智勝浦町、田辺市、日高川町)

奈良県
(五條市、十津川村)

部隊

第33普通科連隊、第36普通科連隊、
第37普通科連隊等

第4施設団、第36普通科連隊


② 給水活動

 和歌山県新宮市、那智勝浦町において第36普通科連隊、第7普通科連隊及び第3特科隊等が活動を実施。
 奈良県十津川村において第4施設団が活動を実施。
 三重県紀宝町において第33普通科連隊が活動を実施。

③ 道路啓開

 和歌山県那智勝浦町、田辺市において第3施設大隊及び第304水際障害中隊が活動を実施。
 奈良県五條市、十津川村において第4施設団が活動を実施。

④ 物資輸送

 和歌山県日高川町において第37普通科連隊が活動を実施。
 奈良県五條市、十津川村において第4施設団、第36普通科連隊及び幹部候補生 学校が活動を実施。

航空機の運用状況

○ 中部方面航空隊(OH-6×1機、UH-1×3機)及び第3飛行隊(OH-6×2機、UH-1×3機)により情報収集及び物資輸送活動等を実施。

※ 明日も引き続き活動予定。

平成23年台風第12号に係る災害派遣について(18時00分現在)

平成23年9月10日
防衛省

※数値等は速報値であり、今後変わることがある。
※下線部は、前回報告からの変更箇所

1.災害派遣の概要

要請日時

要請元

要請先

要請の概要

発生場所

9月3日(土)
23時39分

和歌山県知事

陸上自衛隊
第37普通科連隊長(信太山)

孤立者の救助
行方不明者の捜索

和歌山県
新宮市熊野川町

9月4日(日)
04時00分

三重県知事

陸上自衛隊
第33普通科連隊長(久居)

人命の救助

三重県
南牟婁(みなみむろ)郡紀宝町

9月4日(日)
04時20分

奈良県知事

陸上自衛隊
第4施設団長(大久保)

人命の救助

奈良県
吉野郡十津川村

○ 防衛省の対応
【4日】
11時00分 災害発生に際し、防衛省災害対策連絡室を設置(室長:事態対処課長)
20時00分 災害の発生状況に鑑み、防衛省災害対策室を設置(室長:運用企画局長)

2.防衛省・自衛隊の対応

(1)派遣部隊

○ 陸上自衛隊

第36普通科連隊(伊丹)、第37普通科連隊(信太山)、第3後方支援連隊(千僧)、第304水際障害中隊(和歌山)、第3特科隊(姫路)、第7普通科連隊(福知山)、第3戦車大隊(今津)、第3高射特科大隊(姫路)、第3施設大隊(大久保)、第3通信大隊(千僧)、第3偵察隊(千僧)、第3飛行隊(八尾)、第3特殊武器防護隊(千僧)、第33普通科連隊(久居)、第3後方支援連隊(千僧)、第10施設大隊(春日井)、第10偵察隊(春日井)、第10飛行隊(明野)、第4施設団(大久保)、中部方面航空隊(八尾)、第14飛行隊(北徳島)、教育支援飛行隊(明野)

○ 航空自衛隊

幹部候補生学校(奈良)

(2)派遣規模 

○ 人員

約1180名(延べ約7070名)

○ 車両

約340両(延べ約1920両)

○ 航空機

約13機(延べ約120機)

(3)主な対応状況

和歌山県

【4日~9日】


 和歌山県では、第3師団の第37普通科連隊、第304水際障害中隊及び第3師団隷下の部隊等をもって情報収集活動、孤立者の救助、行方不明者の捜索、救援物資輸送、道路啓開、給水支援等を実施。

三重県

【4日~9日】

 三重県では、第10師団の第33普通科連隊が、人命の救助、物資輸送及び給水支援等を実施。

奈良県

【4日~9日】

 奈良県では、第4施設団、第36普通科連隊及び幹部候補生学校が、人命の救助、情報収集活動、行方不明者の捜索、救援物資輸送及び道路啓開を実施。

9月10日の活動状況

① 行方不明者の捜索

地域

和歌山県
(新宮市、那智勝浦町、田辺市、日高川町)

奈良県
(五條市、十津川村)

部隊

第33普通科連隊、第36普通科連隊、
第37普通科連隊等

第4施設団、第36普通科連隊


② 給水活動

 和歌山県新宮市、那智勝浦町において第37普通科連隊及び第3特科隊等が活動を実施。
 三重県紀宝町において第33普通科連隊が活動を実施。
 奈良県十津川村において第4施設団が活動を実施。

③ 道路啓開

 和歌山県那智勝浦町、田辺市において第3施設大隊及び第304水際障害中隊が活動を実施。
 奈良県十津川村において第4施設団が活動を実施。

④ 物資輸送

 奈良県五條市、十津川村において第4施設団、第36普通科連隊及び幹部候補生学校が活動を実施。

航空機の運用状況

○ 中部方面航空隊(OH-6×3機、UH-1×7機)、第10飛行隊(UH-1×1機)及び第3飛行隊(UH-1×2機)により情報収集及び物資輸送活動等を実施。

※ 明日も引き続き活動予定。

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に対する自衛隊の活動状況(07時00分現在)

平成23年9月16日
防衛省

※数値等は速報値であり、今後変わることがある。
※下線部は、前回からの変更箇所

1 災害派遣要請の概要等

要請者

要請日時

撤収要請日時

岩手県知事

3月11日(金)14時52分

7月26日(火)09時30分

宮城県知事

3月11日(金)15時02分

8月1日(月)10時00分

茨城県知事

3月11日(金)16時20分

4月27日(水)16時30分

福島県知事

3月11日(金)16時47分

継続中

青森県知事

3月11日(金)16時54分

4月18日(月)17時00分

北海道知事

3月11日(金)18時50分

3月13日(日)15時00分

千葉県知事

3月12日(土)01時00分

4月5日(火)8時30分

2 防衛省・自衛隊の対応

(1) 派遣規模

人員:

陸自部隊 約170名

航空機:

1機

※3月14日、東北方面総監を指揮官とする統合任務部隊を編成

※7月 1日、統合任務部隊の編成を解除

※8月31日、大規模震災災害派遣の終結

※9月 9日、行動命令による災害派遣の終結

(2) 主な対応状況

ア 大規模震災災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日14時50分 防衛省災害対策本部設置(本部長:防衛大臣)
 3月11日18時00分 大規模震災災害派遣命令
 3月16日11時58分 予備自衛官及び即応予備自衛官の災害等招集命令
 3月17日22時00分 大規模震災災害派遣命令の一部変更命令
 7月 1日14時15分 大規模震災災害派遣命令の一部変更命令
 8月31日09時00分 大規模震災災害派遣終結命令

(イ)活動内容
 航空機による情報収集、被災者の救助(19,247名)、人員及び物資輸送、給食支援、給水支援、入浴支援、医療支援、道路啓開、瓦礫除去、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、自衛隊施設(防衛大学校)における避難民受け入れ、慰問演奏

イ 原子力災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日19時30分 原子力災害派遣命令(12日09時20分廃止)
 3月12日09時20分 原子力災害派遣命令
 3月17日03時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 3月19日01時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 4月15日18時25分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 7月 1日14時15分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 8月31日09時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 避難支援、給水支援、人員及び物資輸送、原子炉冷却のための放水、モニタリング支援、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、上空からの撮像、集じん飛行支援

ウ 現地調査団等の輸送支援

 ・ 政府調査団(第1陣:宮城県)の現地派遣
 ・ 経済産業副大臣及び原子力安全・保安院職員等の現地派遣
 ・ 総理大臣の現地視察(福島第1原発及び宮城県被災地上空等)
 ・ 政府調査団(第2陣:岩手県及び福島県)の現地派遣
 ・ DMAT(災害派遣医療チーム)の輸送支援
 ・ 防衛大臣現地視察(統合任務部隊編成)
 ・ 防災担当大臣現地視察
 ・ 防衛大臣現地視察(原子力災害派遣部隊現地調整所)
 ・ 防衛大臣現地視察(海災任務部隊、被災地、松島航空基地)
 ・ 総理大臣の現地視察(宮城県石巻市、東北方面総監部、松島航空基地)

エ その他

 3月18日(金)東北地方太平洋沖地震による被災地域において、自衛隊の部隊が実施する救援活動等に係る予備費の使用を閣議決定(約54億円)

(3) 自衛隊の活動

○原子力災害派遣による活動

(9月15日)

化学防護隊等により、福島県内において除染支援を実施。

報道資料記者会見お知らせ参考資料:報告書等参考資料:人事発令参考資料:叙勲者等受章者外平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に対する自衛隊の活動状況(07時00分現在)

平成23年9月15日
防衛省

※数値等は速報値であり、今後変わることがある。
※下線部は、前回からの変更箇所

1 災害派遣要請の概要等

要請者

要請日時

撤収要請日時

岩手県知事

3月11日(金)14時52分

7月26日(火)09時30分

宮城県知事

3月11日(金)15時02分

8月1日(月)10時00分

茨城県知事

3月11日(金)16時20分

4月27日(水)16時30分

福島県知事

3月11日(金)16時47分

継続中

青森県知事

3月11日(金)16時54分

4月18日(月)17時00分

北海道知事

3月11日(金)18時50分

3月13日(日)15時00分

千葉県知事

3月12日(土)01時00分

4月5日(火)8時30分

2 防衛省・自衛隊の対応

(1) 派遣規模

人員:

陸自部隊 約170名

航空機:

1機

※3月14日、東北方面総監を指揮官とする統合任務部隊を編成

※7月 1日、統合任務部隊の編成を解除

※8月31日、大規模震災災害派遣の終結

※9月 9日、行動命令による災害派遣の終結

(2) 主な対応状況

ア 大規模震災災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日14時50分 防衛省災害対策本部設置(本部長:防衛大臣)
 3月11日18時00分 大規模震災災害派遣命令
 3月16日11時58分 予備自衛官及び即応予備自衛官の災害等招集命令
 3月17日22時00分 大規模震災災害派遣命令の一部変更命令
 7月 1日14時15分 大規模震災災害派遣命令の一部変更命令
 8月31日09時00分 大規模震災災害派遣終結命令

(イ)活動内容
 航空機による情報収集、被災者の救助(19,247名)、人員及び物資輸送、給食支援、給水支援、入浴支援、医療支援、道路啓開、瓦礫除去、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、自衛隊施設(防衛大学校)における避難民受け入れ、慰問演奏

イ 原子力災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日19時30分 原子力災害派遣命令(12日09時20分廃止)
 3月12日09時20分 原子力災害派遣命令
 3月17日03時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 3月19日01時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 4月15日18時25分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 7月 1日14時15分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 8月31日09時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 避難支援、給水支援、人員及び物資輸送、原子炉冷却のための放水、モニタリング支援、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、上空からの撮像、集じん飛行支援

ウ 現地調査団等の輸送支援

 ・ 政府調査団(第1陣:宮城県)の現地派遣
 ・ 経済産業副大臣及び原子力安全・保安院職員等の現地派遣
 ・ 総理大臣の現地視察(福島第1原発及び宮城県被災地上空等)
 ・ 政府調査団(第2陣:岩手県及び福島県)の現地派遣
 ・ DMAT(災害派遣医療チーム)の輸送支援
 ・ 防衛

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護衛艦てるづき(DD-116 Teruzuki) 三菱重工長崎造船所にて進水式・命名式

2011-09-15 23:20:14 | 海上自衛隊 催事

◆あきづき型護衛艦二番艦の誕生

 東日本大震災の直後、Weblog北大路機関では震災情報のみを掲載していましたが、最初の希望を持てる記事としてお伝えできたのは16日の護衛艦いせ就役でした。

Img_1111
新しいフネが大海原に乗り出してゆくことは人類の英知と大自然への一歩を刻むというもので、何ともことばでゃ表現出来ない感動があります。さて、写真は先月に長崎で撮影しました最新鋭護衛艦あきづき、建造中の模様です。既に公試を開始していまして、来年には自衛艦旗を授与され就役する見通しです。この護衛艦あきづき、と並んで三菱重工長崎造船所において建造されていました。その、あきづき方護衛艦二番艦が本日、進水式、命名式を、迎えたとのことです。

Img_105823.9.15 海上幕僚監部
(お知らせ) 平成20年度護衛艦の命名・進水式について
次のとおり、平成20年度護衛艦の命名・進水式が実施されます。
1 日 時 平成23年9月15日(木)10:37~10:50
2 場 所 三菱重工業株式会社 長崎造船所
3 執行者 佐世保地方総監 海 将 加藤 耕司(かとう こうじ)
4 艦 名 「てるづき」
5 平成20年度護衛艦の概要 基準排水量:約5,000トン 全 長:150.5m 幅:18.3m 深さ:10.85m 主機関:ガスタービン4基(2軸) 馬 力:64,000PS 最大速力:30ノット

Img_1039
写真は先月に撮影した様子。あきづき型護衛艦は、国産多機能レーダーである射撃指揮装置三型FCS-3の改良型を搭載していまして、同時多目標対処能力があり、射程60kmのESSM艦対空ミサイルを最大64発搭載することでイージス艦による艦隊防空を補完することが可能となっている期待の新型艦です。基準排水量は5000㌧ですが、燃料や水に生活物資と武装を加えた満載排水量は7000㌧に達し、幅広い方面での活躍が期待されています。その一つには艦隊防空とはいかないものの僚艦防空任務として弾道ミサイル防衛にあたるイージス艦の航空脅威からの護衛という任務も挙げられており、これからの日本には欠かせない一隻といえるでしょう。

Img_1180
 てるづき、という艦名は海上自衛隊では二代目にあたりまして、海上自衛隊での初代護衛艦てるづき、も、あきづき型護衛艦の二番艦として建造、1960年に就役し護衛艦、特務艦、練習艦、特務艦と変遷を遂げ1992年に除籍されています。初代てるづき、は基準排水量2350㌧、満載排水量2800㌧でしたので、半世紀を経て倍以上の大きさになったことになります。元々は帝国海軍ぼ防空駆逐艦秋月型の名前を継ぐ艦で、海上自衛隊初代あきづき型護衛艦も艦対空ミサイル普及以前には有力な防空手段だった5インチ単装砲を前甲板に1門、後部甲板に2門搭載していましたが、今度はFCS-3を搭載、海上自衛隊の本型への期待の表れといえるかもしれません。

Img_1038
 あきづき、と、建造中の、てるづき、マスト部分。あきづき型は、特にその大きさで、はたかぜ型ミサイル護衛艦や、しらね型ヘリコプター搭載護衛艦とも並ぶ大きさとなっていますが、同時に建造費用も決して安くはなく、厳しい財政状況下では十分な数を確保できなお、という実情があります。この点は昨日の記事に掲載した通り、旧式化した護衛艦あさぎり型について、練習艦隊から護衛艦への再整備や老朽化した部分の延命改修を行わなければならない状況となっているのはご承知の通りです。防衛計画の大綱では護衛艦は48隻が必要とされ、通常の護衛艦は24年、延命改修や近代化改修を行ったとしても護衛艦の寿命は32年といわれていますので、五年間の中期防衛力整備計画あたりで最低でも7~8隻の建造が求められます。新しい護衛艦の進水式を祝うとともに、もう少し多数を建造できないものか、という気もしないではありません。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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やまぎり、練習艦から護衛艦へ復帰!練習艦隊から護衛艦隊第11護衛隊へ編入

2011-09-14 23:34:43 | 海上自衛隊 催事

◆予算不足の新造制限で深刻な護衛艦不足

 今年3月16日、横浜で護衛艦いせ、が自衛艦旗を授与され就役したその日、練習艦の一隻が護衛艦へ種別変更を受けました。

Img_7334
 護衛艦やまぎり、先日横須賀基地に停泊中の様子を撮影したものです。・・・、正確には8月21日に横須賀線から眺めた中で一瞬後ろ姿が見えたのですけれども、まあしっかり撮れたのは今回が初めてということで。今回、護衛艦隊復帰後初めて撮影することができました。護衛艦やまぎり、は冒頭に記した練習艦から護衛艦へ種別変更を受けた一隻で、元々あさぎり型護衛艦の二番艦として1989年に就役し護衛艦隊へ配備されましたが、むらさめ型護衛艦や、たかなみ型護衛艦の配備に伴い2004年に護衛艦から練習艦へ種別変更、弾庫やヘリコプター格納庫内に講堂などを追加し練習艦隊へ配備されました。

Img_7331
 あさぎり型護衛艦の練習艦への種別変更は、本艦より開始されましたので、ネームシップとなり、続いて種別変更された練習艦あさぎり、とともに練習艦やまぎり型を構成していました。しかし、あさぎり型以前の12隻が建造された、はつゆき型の除籍が進む一方でその除籍に並行して建造される最新鋭の、あきづき型護衛艦が高い調達価格により数を揃えることができず、防衛計画の大綱に定められた護衛艦定数を下回る可能性が出てきました。このため、護衛艦から練習艦へ種別変更された、やまぎり、を再度護衛艦へ戻すという海上自衛隊始まって以来の異例措置が取られたのです。

Img_7347
 所属するのは護衛艦隊第11護衛隊、これは護衛隊群に所属するのではなく護衛艦隊司令部からの直轄運用を行う二ケタ護衛隊、もともと地方隊に沿岸警備用に配備されていた護衛隊を護衛艦隊に編入して創設された護衛隊で、ヘリコプター搭載護衛艦やミサイル護衛艦との共同運用ではなく、護衛艦としての汎用的な運用を想定している部隊で、沿岸警備はもちろん、必要とあれば近海練習航海や外洋練習航海などにも参加することがあり、護衛隊群の支援にも対応する部隊となっています。

Img_9743_2
 練習艦時代に名古屋港へ寄港した際の、やまぎり。元々、あさぎり型は護衛艦隊用の対空対水上対潜各種誘導弾と哨戒ヘリコプターを搭載するガスタービン推進艦として導入され、比較的早い時期に練習艦隊へ編入されたのは練習艦隊へ新しい護衛艦を配備することで練習艦隊における教育環境を康応させ、海上自衛隊として高度な教育を行うことが目的でした。しかし、あきづき型護衛艦の配備が進まず、はつゆき型護衛艦の除籍が進む、という中で苦肉の策として講じられたのが護衛艦復帰です。同時に、あさぎり型護衛艦の延命改修予算が盛り込まれ、中国海軍の活動活性化やロシア海軍の復興とともに護衛艦の数が必要な状況下で厳しい現実が見えてくるようですね。

Img_9717_1
 護衛艦やまぎり、艦番号は護衛艦時代の152を再度冠せられることとなったようですね。満載排水量4900㌧、76㍉砲とアスロック対潜ロケット、ハープーン艦対艦誘導弾、シースパロー艦対空誘導弾、20㍉CIWS,短魚雷発射管を搭載し、ヘリコプター一機に加え緊急時は更にもう一機を搭載可能、ガスタービン四基により54000馬力を発揮し最高速力は30ノット。必要があれば既存装備に延命改修を施し、練習所要も第一線に戻す海上自衛隊の柔軟性を示しているとともに、しかし、状況が状況なのだから周辺情勢に応じて何とか新造予算を確保できないものか、と思ったりもしました。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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自衛隊災害派遣に支障来す深刻な航空機定数割れ、定数20/実数8機

2011-09-13 23:46:04 | 防衛・安全保障

◆次の大災害に備え定数確保は政治の責任

 東日本大震災に際し、自衛隊は即座に情報収集を行いその初動の立ち上がりの早さは、日本の軍事組織の即応性の高さを世界に誇示しました。

Img_6244
 しかし、自衛隊による大津波が仙台市沿岸部へ殺到する映像、気仙沼市の夜間大火災の様子を記録したうえで、続く被災地への物資輸送の限界などによる衰弱死や餓死といった災害関連死の情報に接するとともに、被災地が広かったとはいえ、何とかもっと多くの物資を輸送することはできなかったのか、ということは誰もが感じることではなかったでしょうか。もっとヘリコプターがあれば、と震災発災当初にも当方は記載しています。

Img_0329
 こうした中で、航空ファン誌に東北方面航空隊長のインタヴュー記事が掲載され、如何に厳しい状況下にあっても個々の隊員の機転と努力、上級指揮官と現場指揮官の阿吽の呼吸が困難に立ち向かう最大の武器となった、ということを記しつつ、同時に発災時の多用途ヘリコプター定数が8機であった、という一文が挙げられていました。そういえば、一年ほど前にJウイング誌の第14飛行隊創設を報じる記事に、定数はUH-1が2機とOH-6が2機、という掲載がありました、同じ飛行隊でも随分少ない印象でしたね。

Img_8095
 東日本大震災の記事を見ますと定数から、UH-1多用途ヘリコプター8機でよくぞ、と健闘に驚かれる方もいるかもしれませんが、しかし方面航空隊の方面ヘリコプター隊は、確か定数が20機であったはずです。一個中隊を同時空中起動させる、ということで方面ヘリコプター隊の定数は整備され、かなり早い時期に20機体制が北部、東北、東部、中部、西部各方面隊に達成され、一部には増強の輸送ヘリコプターも配備されていたはずです。阪神大震災以降、同時にゲリラコマンドー対処など空中動力の増強が求められる状況だったにもかかわらず、しかも機動力と普通科部隊の増強を掲げて戦車や火砲定数縮減を行ったにもかかわらず、これが解せません。

Img_4862
 20機の定数はいつの間に削減されてしまったのか、半分以下というのはあまりに、と思われるでしょう、当方も思いましたが、恐らく背景は1990年代以降の師団飛行隊への多用途ヘリコプター配備があるのだと考えます。そういえば、前述の第14飛行隊創設に際し、八尾駐屯地祭で中部方面航空隊の隊員さんがパッチを販売していまして、不思議に思って尋ねてみましたら、中部方面航空隊の機体を抽出して編成するということを教えてもらいました。方面ヘリコプター隊に多用途ヘリコプターが配備され、師団飛行隊には特科部隊の野砲着弾観測と連絡任務を行う観測ヘリコプターのみが配備されていた時代が長かったのですが、これが1990年代に改められ、この影響があったのでしょう。

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 空中機動能力を強化するために師団飛行隊への多用途ヘリコプター配備を行う、と防衛予算概算要求における師団近代化には明示されていたのですけれども、実質、ヘリコプターの必要定数が増加していたにもかかわらずヘリコプターの調達数は増加するには至らず、逆にヘリコプターの高性能化により価格が上昇したこともあり調達数は削減傾向にありました。部隊数が増えたにもかかわらず機数は縮小傾向だったことになります。結果、人命が時間次第で本当に左右されるという状況下にあって、機体が定数割れしているという状況に陥ってしまったのです。政治家が防衛費を削りすぎて、人命が凍砂われてしまったのです。

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 現在進行中の台風12号災害派遣に際しても、防衛省発表をみますとヘリコプター部隊だけで中部方面航空隊、第3飛行隊、第10飛行隊、第14飛行隊、航空学校教育支援飛行隊が派遣されているのですが、第3飛行隊と第10飛行隊、第14飛行隊、ここの多用途ヘリコプターは、中部方面航空隊方面ヘリコプター隊から多用途ヘリコプターが抽出されたため、八尾駐屯地や明野駐屯地に加え、四国の北徳島駐屯地を含め動員する必要があったのではないでしょうか。空中機動能力の増強が目的なのです、部隊を増強したのにヘリコプターの数が増えない、薄く広く配備することは即応性に寄与することもあるのでしょうけれども、通常はヘリコプターを増やす、ということが増強することになるのではないでしょうか、そう考えます。

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 OH-1観測ヘリコプター、非常に高性能で必要に応じてデータリンク機材を追加装備する研究もおこなわれていて予算次第で更に高い能力を発揮できる機体なのですけれども、調達価格が非常に高い機体ということで、当初は240機を配備するという壮大な計画もあったのですけれども実際には30機前後という調達状況です。しかし、運用が続けられているOH-6観測ヘリコプターの耐用年数は動かせませんので、180~200機程度が同時に運用されていたOH-6は、置き換えるOH-1の不足により、陸上自衛隊全体として観測ヘリコプターは不足傾向になっていることも忘れてはなりません。

Img_0377_2 観測ヘリコプターは、OH-6の時代では軽輸送任務に対応できるのですから元々師団飛行隊には10機が定数になっていたのですが、これが輸送能力を持たないOH-1に置き換えられることで軽輸送能力が付与されるのですけれども、その分空対空戦闘能力を有しており自衛能力があり、加えて統合監視機材の搭載、続いてデータリンクを付与させることになりますから師団の情報優位を確立するうえで重要な機体であるのですが、師団飛行隊はもちろん、対戦車ヘリコプター隊のスカウトヘリ所要も置き換えられるかも未知数な状況といわざるを得ません。

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 AH-1S対戦車ヘリコプターにしても、90機以上が取得され、各方面隊に対戦車ヘリコプター、そして教育所要として5.5個飛行隊が配置されました。定数は16機。後継となるAH-64D戦闘ヘリコプター60機により代替されることになっていました、AH-64D戦闘ヘリコプターの定数は米軍で12機、英軍などでは8機編成での運用もおこなわれていると聞きますから、60機の定数でも何とかなることがわかるのですけれども、これも調達価格高騰により11機から13機程度で終了するといわれています。別の機種が充てられる、と考えられるのですが年数を考えますとAH-1Sの耐用年数限界に伴う用途廃止は始まっていますから、定数割れの可能性を忘れてはなりません。

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 そもそも、これは先ほども少し触れたのですが、部隊数が増強されたのならば機体が増強されなければならないわけで、方面ヘリコプター隊所要20機の五個方面隊分100機に加え、中央即応集団所要と空中機動旅団である第12ヘリコプター隊所要、そして師団と旅団の14個飛行隊所要に加え航空学校所要として多用途ヘリコプターだけで20機が必要になるわけです。すると耐用年数を20年と見積もった場合、毎年10機を調達しなければなりません。防災と防衛を考えるならば政治家はこれを政策として進めなければなりませんし、財政難下での防衛費確保についての財務省の反対は、これこそ防衛計画の大綱に明記し政治決定として進めるなど、防衛と防災へ政治が担わなければならない責務を放棄していたことはないのでしょうか。20機定数が8機、半数割れが国会議員定数だったら与党も野党も大騒ぎ知るのでしょうけれども、災害派遣と防衛の矢面に立つ自衛隊の、東日本大震災発災時でのヘリコプター定数半数割れは議題にもならない、お話になりません。

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 観測ヘリコプターは必要数が180~200機、多用途ヘリコプター200機、輸送ヘリコプター60機、戦闘ヘリコプター60機、陸上自衛隊の現在の部隊編成から最低限必要な機数はこの通りです。耐用年数を20年と見積もれば、観測ヘリコプター10機、多用途ヘリコプター10機、輸送ヘリコプター3機、戦闘ヘリコプター3機、ヘリコプターだけで毎年26機、中期防衛力整備計画で130機、これだけの調達がどう最低限でも必要です。空中機動能力自体、現状では不十分と考えますから、もっと必要と考えるのですが、少なくとも定数割れしない範囲内では、これだけの機数が揃えられなければならないのです。しかし、これを怠ったことで東日本大震災では助かる人命が失われた、政治の責任は問われなければなりません。

北大路機関:はるな

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