北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ハイチ大震災PKOへ第五次陸上自衛隊国際救援隊が派遣

2011-09-28 23:22:05 | 国際・政治

◆忘れられていないか?ハイチで奮闘する自衛隊

 史上最大の東日本大震災自衛隊災害派遣に限度を超えた木のぼ派遣を政治が命じたことで関心が薄れていましたが、かれこれ一年半以上、自衛隊はハイチでの震災復興人道支援任務を継続中です。

Img_2022
9/15日付 ニュース トップ :ハイチPKO 救援隊5次隊2波が現地着・・・ ハイチ大地震の復興支援で国連PKOのハイチ安定化ミッション(MINUSTAH)に参加している陸自国際救援隊は8月27日、5次隊(隊長・9施設群長の橋本功一1陸佐以下、西方主力の約320人)第2波の約160人がチャーター機で福岡空港を出発、翌28日、現地に到着した。 一方、約半年間の任務を終えた4次隊(隊長・36普連長の足立寧達1陸佐以下、中方主力の約320人)は8月30日、第2波の約160人がチャーター機で関西国際空港に帰国した。 陸自国際救援隊は昨年2月に1次隊が派遣されて以来、これまで各隊が避難民キャンプの造成や補修作業やドミニカ共和国との国境へ通じる道路の補修のほか、ハイチ市内の道路や倒壊した行政庁舎の瓦礫の除去など復旧・復興活動を行っているhttp://www.asagumo-news.com/news/201109/110926/11092603.html

Img_0666 新しい部隊の派遣が行われる、しかしy数傑の見通しへの言及はなし、最初は一年程度、といわれていたのに。ハイチPKOは現在、東日本大震災災害派遣の約二倍の部隊が派遣されている、ということになります。20万もの人々が異性となったハイチ大震災ですが、日本政府は東夷の鳩山政権が緊急人道支援任務での自衛隊災害派遣の海外での実施を粉う機会を見誤り、人員規模で余裕のない自衛隊にあっては非常に不向き尾の長期間にわたる復興人道支援任務の需要が生じて漸く自衛隊の海外派遣へと踏み入りました。元々、発生から最初の一週間が重要とされる震災での生存者救命と被災者への生活支援こそが多くの災害により培われたノウハウが最大限発揮できる、いわば自衛隊の強みであり、全国の駐屯地で待機している災害即応部隊を筆頭に最初の初動でこそ、災害を優先順位での筆頭に近い分野に念頭に置いていない多くの国の軍事機構が不慣れである中で活躍の機会が多くあった部分でした。逆に復興分野では、この部分では東日本d内震災への政府の拙さとも重複するのですが現地ニーズとの合致による住民参画こそが重要であり、言語面をはじめ意思疎通に限界のある自衛隊では元々限界があったわけです。

Img_4749
 この点を踏まえ、まずハイチにおける復興というものの定義が不明確である一点を始め、自衛隊の国際人道支援任務への出口戦略が不明確である、何を持って任務完遂と見做すかが不明瞭であることから、この活動は長期化しやすく、加えて長期化すればするほど緊急と喫緊という需要から生活支援へと移ることから外国の軍事機構である自衛隊にとっては復興への関与の度合いが薄められ、これがちゅおうきかを改めて招くという悪循環に陥るのでは、という点は先に指摘していますが、出口戦略なき見通しのもとで開始され、現与党にとっては政権交代前に反対しつつも具体的代替案を出すことができなかったソマリア沖海賊派遣任務とも共通点がある、終わりなきPKOの様相を濃くしている現状があります。

Img_4531
 そもそも、ハイチ大地震が発生した時点での政権は鳩山政権、これが管制圏に移行した時点で派遣期限として提示されていた約一年、という期間が満了し、現在の野田政権となった構図。野田政権は自衛隊のハイチ派遣に関して具体的な言及はいまだに行っていないようですけれども、そもそもが全国の地域を駐屯地ごとの管区に分けて防衛警備任務とともに災害派遣に備えている海外派遣を想定していない自衛隊にあっては中米地域に長期間、連続して大隊規模の部隊を投入することは想定していません。海外派遣はゴラン高原や東ティモールでも展開中であり、海上自衛隊は貴重な護衛艦をソマリア沖海賊対処任務へ派遣、スーダンへの陸上自衛隊施設化部隊の派遣も現在議論が進められているところです。国土防衛だけで冷戦時代に人員18万が必要とされた時代から脅威の減退に伴い13万台まで削減された陸上自衛隊には冷戦時代と比較して新しい任務が課せられている状況があります。この実情について、政治は認識を必要な水準で行っているのか、そして今後の派遣規模と防衛警備災害派遣の両立をどう行うのか、もう少し議論があっていいように思うのですが国会はもちろん政治討論番組にもこの話題は上らない実情、国家としてどうなのか、という懸念は当方だけなのでしょうか。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする